こんにちは!今日はラップ界の男尊女卑についてぶった切ります!

 

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数の力で女も火を吹ける

数の力で女も火を吹ける2

 

さて、大学や職場でパワハラの嵐をくぐりぬけてきて図太くなった私ですが、あるWeb雑誌に「セクハラパワハラ特集」が組まれていたので、リンクを張ります。

 

7割がパワハラ被害経験 セクハラは3割「相談せず」

 

このweb雑誌は、主な読者が働く母親なので、上の記事のアンケート結果は「女性が受けたマタハラ、セクハラ、パワハラ」をもろに表しています。

 

セクハラもパワハラもマタハラも、権力があるものからないものへのいやがらせで、形を変えてパターン化してるものの、根っこは同じに違いありません。

 

被害者が「自分が悪いのかも」とうっかり思わされてしまうところが、「立場の同じ者同士のけんか」と異なるところです。

 

中には男性が女性上司から受けたハラスメントもありますが、それも含めて、上から下への嫌がらせは許されるものではないです。それも、組織の人間の 年齢、性別、国籍の多様性が豊かであればあるほど、ハラスメントが淘汰される環境が出来上がるのは、今まで書いてきた私の経験が証明するとおりです。

 

意思決定をする人間が男だらけだと、既得権益を手放したくない彼らは状況を変えようとしません。

 

日本語ラップ界においても、同じような状態だと思ってます。

 

みなさんは、日本語でラップする女性ラッパーを挙げてみろと言われて、何人名前を挙げることができますか? (以後私の敬愛する女性ラッパーさんがたっくさん出てきますが、記事の読みやすさのため敬称略とさせていただきます)

 

HAC

Miss Monday

麻起

BRIER

URALi (ex. NORISIAM-X)

BENNIE K

COMA-CHI

RUMI

真衣良

椿

MARIA(SIMI LAB)

DAOKO

COPPU

S7ICKCHICKS 

あっこゴリラ

LUNA

Heartsdales

Awich

Charisma.com

泉まくら

ANTY the 紅乃壱

AI

MC Mystie

Charles

Yasco.

mayu

アカネソラ

しあ

CESIA

まゆちゃむ

mc frog

naomy

lyrical school

Mona A.K.A. sad girl

HALCALI

DJみそしるとMCごはん

ちゃんみな

赤ちゃんばあちゃんのMCでこ八

AYA a.k.a. PANDA

 

...

どーですか。だてにシーンを20年見てないですよ。まだまだ書ききれないくらいいっぱいいますよ。バトル出てるだけの女の子も含めたら優に50人は超えますよ。

 

いや100人はきっと超えますよ。

 

でも、100人という数すらも、男性ラッパー全体の数にはたぶん遠く及ばないんだと思います。

 

彼女たちを「フィメールラップ」という枠でくくるには、あまりにも音楽性が多様すぎて、「自分たちをフィメールラップというジャンルでくくらないでほしい」と言う主張は名だたる女性ラッパーたちがしているとおりです。

 

ツイッターで「フィメールラッパー」を検索すると

 

「フィメールラッパーで成功例がいない」

「フィメールラップは聴かない けど これはかっこいい」 みたいなヘッズの声を拾うことができます。

 

高校生ラップ選手権でちゃんみなさんが相手の女性MCに返した「お前みたいのがいるから馬鹿にされんだフィメールは」というラインを聴いて、「ああフィメールという言葉は最近はもうスティグマになってしまったのか」と思わざるを得ませんでした。

 

私はR指定さんはかっこいいMCだと思いますが、Creepy Nutsの「みんな違ってみんないい」という作品のに出てくる女子ラッパー像が、「女だから下手でも周りが持ち上げてくれる」「女ラッパーでメンヘラみたいなのがよくいる」 というシーンの気持ちをよく表しています。

 

みんな違ってみんないい PV

 

歌詞抜粋

 

「あたし女の子だけどエムシー 結構人気 男ばかりの縦社会じゃやっぱ特別扱い いんとかふろーとかわからない ダンスも歌も無理 でも若さとキャラでそれなりに ニューエラ二割り増し イェー」

 

「私はそんなに可愛くないけど、センスは人一倍 世界一感深い 着信は不在 手首の傷と樹海 ボサノヴァカバーのインストゥルメンタル グーグル検索 社会科見学 露骨なセクシャル こういうギャップもある意味テクニカル」

 

アングララップ界で頑張る女性ラッパーはまずかわいいかそうでないかで分類され、可愛ければ「下駄履かせてもらってるんだろ」 可愛くなければ 「中身で勝負したいんだろうけど周りから見て価値のわからんラップをしている」 とけなされてます。

 

いまだに「女」と言う枠でくくられて、女のラップだから聴かない、とバッサリ切られてしまう女性MC。そのかわり、有名になった女性ラッパーは、男性以上に持ち上げられて、「フィメールMCでは本物」とあがめられる。状況が極端なんです。

 

その裏には、「フィメールMCは一般的にメール(男)MCよりも質が劣る、だから、何かわかりやすい特徴がなければ受け入れられない」という無意識の差別が見え隠れします。

 

もはや音源の良さだけでは成り上れない状況で、アングラ日本語ラップ界で有名になった女性ラッパーの勝ちパターンが下の三通りある、と私は分析します。

 

〇MCバトルで戦績を残す 

〇有名なクルーの一員(紅一点ポジション)になる もしくは有力者の後ろ盾がある

〇キャラクターが際立っている (普通の女の子キャラ、アイドルMCキャラ など) これらは、主に男に物申さない、男の脅威ではありませんよ、というキャラづけが成功して男性に受け入れられた例。

 

上記3点を持っていない女性MCには、今のところアングラシーンで有名になるチャンスがほとんどないという状態です。地道に音源つくってライブしていても、なかなか芽が出なかった女性MCをたくさん知ってます。

 

こういう状況は、ラップ界の頂点で意思決定をする人間に女がほとんどいない、というのが原因だと思ってます。

 

フリースタイルダンジョン、NEWS RAP JAPAN, abema TVのHIPHOP関連番組のキャスティングを決定する立場に、女性はどのくらいいるんでしょう?ダンジョンの審査員はLilyさん除いて全員男性、モンスターも男性、ラップスタア誕生の審査員は全員男性。レギュラーで出てくる女性にアナウンサーやアイドルはいても、ラッパーがいないです。(高ラの審査員にMARIAさんいたな)「ラッパーはまず男をとりあげないと、男性視聴者からブーイングが来る」とか思ってないでしょうか?これが日本社会の縮図でなくてなんでしょう?

 

こういう番組に出た少数の女性MCが頻繁に男性出演者から容姿をからかわれている状況を、放置していていいのかな?と疑問です。

 

まず視聴者に影響を与えるTVという現場で、ラップする女の出演者数が増えないのは、とても問題だと思います。なぜなら、女性MCがいつまでも「質で劣る」と決め付けられ、MCバトルの場で女ラッパーが容姿や年齢でからかわれる現状は、MCバトルに女性が簡単に出ようと思える土壌ではないからです。

 

またですます調に戻っちゃった。

 

つづく!

 

 

 

数の力で女も火を吹ける2

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こんにちはっ 突如頂いたトラックメイキングにかかりっきりでブログ更新の間が空いてしまいました。

 

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MCバトルに初めて出た時のこと

数の力で女も火を吹ける

 

このブログを更新し続けるのは、「少数派が一定数になれば、その人たちの主義主張も認められる」と言うことを身をもって感じ、それはラップ界も普通の世界も変わらないと思っているから。

 

続きです!

 

こうして入った会社はドイツの会社の日本法人で、私はまずそのカルチャーの違いにびっくりした。

 

ドイツ本社へ行ったら、残業という文化が皆無。全員6時には帰っちゃって、オフィスには誰もいない。

 

男の社員でも、2週間くらいの育休とるの当たり前。女の社員は産休復帰後、同じポジションのまま週3で会社に来てる人もいた。

 

職務で待遇が決まっていて、各人の職権を超えることはしない。

 

さらに、同じ会社のルーマニア支社では、産休育休中も、勤務中と同額の給料が保障されるという。

 

もちろん男女比も、日本のメーカーのそれとは明らかに違って、女性が20%くらいはいた。

 

日本法人に入った私は、また生意気すぎたのか、直属の上司(日本人男性)とトラブルになった。最初は優しかった上司が、公衆の面前で私に大声で怒鳴るようになったり。。。この頃には、もう自分の運命はこうだからしょうがないと、半ば諦めていた。

 

その時の社長はベルギー人だったんだけど、私に「あんた大丈夫か」と、度々確認してきてくれた。女性の同僚たちも影で励ましてくれた。

 

私も、密室でネチネチ怒られている時は、密かに録音したりして、記録をとっていた。

 

結果として、モラハラ上司は東京ではない別のオフィスに異動になり、私はその上司なしで東京に止まり、自分の仕事を自分の裁量で出来るようになった。その上司は社長とケンカして、のちに転職してしまった。

 

この出来事が私の人生に与えたインパクトは、本当に大きかった。

 

女だからって、年下だからって、卑下しないで堂々としていればいいんだと言う感情を、背中から押してくれた出来事だった。

 

日本人理系男性なんて滅べ!くらいに思っていた感情がだんだん消え、そんなことを思っていた自分を恥じるようになった。私が女として差別されるのがいやなのと同じように、日本人理系男性だって十羽一絡げにしたら失礼だよね。

 

実際そのあと私がついた日本人上司は、合理的で部下を大事にしてくれる、とてもいい人だった。

 

そんな感じで次回に続きます!どんどんラップから離れているけど、いいのか私?

 

いや、ラップ界も普通の社会も、似たようなもんだ!ってことを次回書きます。

 

 

 

 

 

数の力で女も火を吹ける

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私の生い立ちからラップをするようになったきっかけ、そしてジェンダー問題に関連するブログ投稿に、ちらほらと感想をいただいています。ありがとうございます!過去記事はこちらです。

 

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音楽界も結構保守的

MCバトルに初めて出た時のこと

 

続きです。

 

初めてのMCバトルでいいところまでいって、気をよくした私は、普段の生活で自分の自尊心がいかに折れてしまっているか、いやそもそも無に等しかったか思い知った。

 

アメリカで、3歳のホストシスターが私を追いかけまわして私のお尻をつかんだ時、ホストマザーが「人のお尻をつかむのはやめなさい!」としかり、私にむかって「あなたも嫌なことにはNoっていわなきゃ!」と言ったとき  Noを言いなさいって教えてくれた人って今までいなかったな・・と思った。アメリカ滞在中は、意識的にNoって意思表示してたら褒められるようになった。

 

それなのに、日本に帰ってからの私は、男社会に迎合するように、怒られれば謝り、下ネタを振られれば相手に合わせてあげ、セクハラもパワハラも受けるままに受け入れていた。そうすれば場がスムーズに運ぶからっていう理由で。

 

そういう経験を積んでいくと、だんだん男社会全体に対して憎しみみたいのがわいてくる。私は、男性上司のアドバイスを形だけ受け入れながらも、

 

「なんだ?やんのかコラ。東大で修羅場をくぐってきたあたしをなめんなよ」

 

という表情をしてしまうので、男性上司も自分とは無関係の憎しみを向けられているのを感じ取り、だんだん威圧的になってくる悪循環だった。生活のためにプログラミング関係のバイトをしていても、おじさんばかりの職場で一人だけ非正規の女だと、土下座をさせられたり、ホテルに誘われたり、突然思いつきのように給料を下げられたりという目にあった。

 

そんな中、荒っぽくても思ったことを口に出して歓声を浴びてしまえば、多少汚い勝ち方でも許してもらえるMCバトルという世界が楽しくて、負けても負けてもいろんなバトルに出続けた。

 

実社会で上司に「黙れハゲ」なんて言ったら、即解雇だ。だけど、汚い勝ち方をしてでも、もうミソジニーの犠牲にはならないと誓った。

 

次の職場では、まず給料第一で正社員になることにした。同じ自分でも、立場の違いでパワハラを受ける確率が違ってくることを身をもって経験していた。

 

転職エージェントに「前職は週3のバイトとありますが、残りの日々は何をしていたんですか?」と聞かれた。もちろんライブしたりバトルに出たり、音源作ったりだった。

 

私は答えた。「そんなプライベートなつっこみには答えません。あなたに関係ないでしょう。」

 

 エージェントは戸惑って「●●様は大変個性的な方でいらっしゃいますので、国内企業よりは外資系をお勧めします(汗)」と言ってきた。

 

転職エージェントを使って2つの外資系の会社を最後まで競わせ、給料を限界まで上げさせて、高かった方に決めた。

 

給料もそうだけど、実際に両方の会社を見学してみて、私が入社を決めたポイントは「女性社員が多いか、おしゃれに気をつかっている人を受け入れているか、彼女たちが自由で幸せそうか」だった。

 

パワハラがひどい社会は、男女比と国籍が偏っている、女性が楽しそうでない、自由な服装の構成員をつぶそうとする、という法則を、いろんな場所で感じていた。

 

慶応大学の研究室では私のほかに女子学生がもうひとりいた。東大の研究室では、学生では私しか女子がいなかった。

 

たったこれだけの違いで、同じ私という女子への扱いは、天と地の差があった。

 

私がクオータ制を支持する理由はここにある。

 

ラップの現場でも、女性の構成員をもっともっと増やすことで、女性MCに光があたる世界が作れるんじゃないか と常々感じている。それは、女性に下駄をはかすことではなく、無駄に低くまで引き下ろされた女性の地位を、まずは男性と同等にすることだ。

初めて出たMCバトルは、2007年のUMB横浜準予選Bだった。多分。

 

緊張しすぎて吐くかと思ったけど、友達に「つべこべ言わないで、出て勝ってこい!」と激励されて、BRIDGEで初対戦した。

 

相手のラッパーは先攻で「女がここに来て何してるんだ、マイク握らないで風俗行ってあれを握れ」と、もっぱら性別DISで攻めてきた。

 

初対面の相手をけなすって、とても技術がいる。なぜなら、相手を知らないと、見た目以外にけなすポイントがわからないから。けど、自分が少数派の性なら、何言われるか予想はできた。

 

この日の初戦は、その予想ドンピシャの攻撃で来てくれたので、

 

「それがビーフならあんたはチキン。いい人だと思ったけどやっぱ違ったな。何が風俗だおととい来やがれ。お前とは100万積まれてもやらねえよ」

 

と言ったところで会場が地の底から湧いて勝てた。すごい、私でも言い返せた!!と思った。

 

試合が終わった後相手に「ごめんね!」と謝ったら、「いいよいいよ」ってサラッと流してくれて、その後ずっと負けるまで舞台裏で一緒にサイファーしてくれた。

 

Best8の試合からしかHYPE UP SOUNDの動画に載らないので、この初戦は実際見た人しか覚えてないんだけど、一生忘れられない経験だった。

 

実生活で自分の意見をうまく言えない自分でも、ラップでならこんなに言い返して勝つことができるんだ。。。なんか人生変わったような気がした。

 

そして、私は実生活でも理不尽な扱いを受けたら、こんな風に言い返せばよかったんじゃないか?とだんだん思うようになった。

こうして私は、音楽を中心にする生活にシフトした。

 

会社を辞める直前、上司に「27歳で今からアイドル?どうすんの??」と言われた。

 

彼の頭の中ではミュージシャンだったらアイドルと言う固定観念しかないかもしれない。

 

それはそれでいい。自分が納得していれば、誰にも説明する必要はない。「はい、そうです!」と笑って答えて辞めた。

 

塾講師などのバイトをしながら、やりたい放題やった。

 

週1ペースでライブしたり、FM横浜に出たり、レディオ湘南で番組をもらったり。アルバムも出した。

 

ある企業の「夢実現コンテスト」と言う賞金プログラムに応募して、200万円もらったり(そのうちの半分はその企業が経営するアパートに住む家賃としてだったけど)

 

音楽を中心にすると、だんだん人づてに音楽の仕事がくるようになる。ラップをしている私を求めてくれる人がたくさんいる。

 

私は間違ってなかった。最初からこうすればよかったんだ。

 

自分が稼ぎたい仕事で稼ぐ難しさと喜びを同時に味わった。

 

それと同時に、ラップをやっていても女性に「可愛さと従順さ」を求める人はたくさんいた。私は「男の面子を立てる」っていうことが本当にわからなくて、それで音楽やラジオの先輩を怒らせてしまったこともあった。

 

「東大出たなら、それがトムガールのセールスポイントだよ。眼鏡とかかけて、もっと真面目な格好して、萌え系を狙いなよ」と言ってくる人もいた。

 

それもいいけど、あれだけ私を苦しめた東大を使って可愛げで今更売るのも、絶対続かないと思ったし、そもそも無理だと思った。

 

こういう私のメンタリティーを出しても、勝ち上がれば文句なしに受け入れてもらえるフィールドがある。それがMCバトルだ。

 

フリースタイルラップがうまくなれるようになりたくて、サイファーに出て、全く知らないラッパー(大抵は男)とラップで罵倒し合った。

 

すでに27歳だった私は「年増」って言われるのを怖がっていたけど、思ったほど言われなかった。ただ、「女なら可愛くて若くてラップうまいやつしか受け入れないよ」っていう空気はめちゃ感じた。

 

ラップは、アメリカで差別されている黒人が始めた音楽。

 

私も、差別されてきた女だ。女は添え物みたいな音楽を作っているラッパーもたくさんいるけど、私がラップをしている究極のモチベーションは、その差別をひっくり返して、男と同じように女も人権を守られる世界を作りたいからだ。だから売れるために可愛くなろうと努力したり、政治的な発言を引っ込めようと思わない。どうせインディーズなら言いたい放題言ったほうがいい。

 

次回は初めてUMBに出場した時のことを書きます。