伊方原発3号機に入っていた燃料に異物が混入していたことがわかりました。しかし、愛媛県への報告は異常がわかってから2か月遅れの6月5日。愛媛県と四国電力は、原発に「正常でない事象」が起きた場合にはすぐ連絡をとるようにしています。県は、連絡が遅れたことを重く見て厳重注意。原因究明と対策がまとまるまで、燃料の装填を認めない方針です。四国電力が再稼働をもくろむ伊方原発3号機。再稼働申請に支障をきたす可能性も出てきました。
異物の混入は、四国電力が伊方原発3号機から燃料を抜き取った際に明らかになりました。四国電力は4月12日に異常を把握。4月15日には伊方町にある国の規制事務所に報告していました。しかし、原子力規制庁や県への報告はせず。規制事務所からの指摘で6月4日に規制委員会へ、6月5日に県への報告となったものです。地元を軽視しているのでしょうか。
四国電力は、これまでにも連絡の遅れを頻発しています。2011年8月には、伊方原発1~3号機で点検漏れがあることをわかっていながら県に報告していませんでした。県知事から「報告の遅れは信頼に亀裂を生じさせ、隠ぺいは信頼を粉々にする」と警告されていたところだったのです。
4月に着任した県の原子力安全推進監はマスコミの取材に対し、「(四国電力との)信頼関係は私の中ではまだ構築されていない。今後、構築された上でこのようなことがあれば残念ということになる」と発言。県知事は、県のHP「伊方原発に対する知事メッセージ」のなかで「連絡の遅れは信頼に亀裂を生じさせ、隠ぺいは信頼を粉々にするという認識を現場に徹底するよう再三要請していたところであり、このような中で、今回の事案の発生は残念極まりないことと考えております。」と指摘。今回の異物混入に至った原因とその再発防止対策についても速やかに報告することを強く要請いたしました」と述べています。
もんじゅの点検漏れが記憶に新しいいま、今回の報告の遅れは、四国電力への信頼を損なうものです。異常を異常と報告できないのなら、再稼働はやめるべきです。
http://www.pref.ehime.jp/gen/chiji_message.html#h250606
愛媛県庁HP 「伊方原発に関する知事メッセージ」
