十五夜 昨夜は中秋の名月やった 夜が訪れて わたしは ベランダに佇み 月明かりの下で 物思いにふけるのだ 生がおわるまで そのときまで充分に 生き尽くさねばならない ひとりでもええやないかと 燦然と輝く月は言ったと思う 月の雫を浴びながら 老人はそれを確かに聴いた by tomeko