ちょっと忙しくて間が空いてしまいましたが、
訪問調査のお話の続きです
初めにトメ子にいくつか質問をしたあと、
調査員が「ちょっと立ってみていただけますか? 」と言うと、
トメ子はスッと立ち上がりました。
先月からずっと「足が痛い」と訴えていて、外出の際に杖を使ったり、
ショートステイ滞在中は車椅子を借りたりしているくせに、
本当に精神的なもので、『デイサービスやショートステイに行きたくない病』なのか、
家にいるときあまり痛そうにしません
この日もそうでした。
調査員が来てトメ子を部屋に呼びに言ったときも、普通にスタスタ歩いてきたし、
片足立ちなんかも平気でやってみせました。
そして、足腰のチェックが終わるとトメ子を再度イスに座らせ、
調査員が鞄から赤いペンを取り出しました。
「これ、何色か分かりますか? 」
「赤」
自分が分かる質問に対しては、
「何当たり前のこと聞いてるの? 」と言わんばかりに、
面白くなさそうに、調査員の質問に食い気味で答えるトメ子。
「そうですね。赤です。これが赤いペンだということは分かりますか? 」
「え~?赤いペンでしょ。分かるわよ」
「じゃあ、これをちょっと覚えておいてもらえますか?
このあとまたいくつか質問をして、あとで僕が『さっき何を見せましたか? 』と聞いたら、
『赤いペン』と答えて頂きたいんですけど・・・・大丈夫ですか? 」
「分かったわ。赤いペンって言えばいいのね。はい。覚えました」
やっぱり何か不服そうに答えるトメ子。
この後しばらく・・・時間にして10分弱でしょうか?
・今、病院には通っているか
・着替えは一人でできるか
・食事は一人でできるか
・お風呂には一人で入れるか
などの質問をされ、最後に調査員が、
「さっき僕が何かを見せて、覚えておいて下さいって言ったんですけど、何を見せたか覚えてますか? 」
と聞くと、トメ子は驚いたような顔をして、
「え?なに?全然覚えてない」
と答えました。
認知症としては100点の答えという感じですよね
「あ~、何か言ってたけどなんだっけ? 」という感じではなく、
そんなことを言われたこと自体、すっぽりと記憶から消えていました。
調査員も心なしか満足そうに、
「はい。結構です。ありがとうございました」
と、それを最後の質問にして、トメ子との面談は終わりました。
このボケっぷりなら、要介護は大丈夫そうですね
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