手術の8日目から12日目まで

静かな部屋で、傷の回復に努め、若干痛いながらも腹筋を使って起き上がれるようになった。手術から一週間までは、ベッドの背中をほぼ垂直までリモコンで起こして、立ち上がらねばならなかった。手術してすぐは、くしゃみや咳もお腹にひびいて気をつけていたが日に日にその痛みも和らいで来た。

多少の痛みを我慢して、体を動かした方が、体の機能の回復が早くなりますと、リハビリの先生の言われる通りだ。もちろん、リハビリに無理はしていなかったが、できるだけ毎日ベッドを離れ、朝晩、病棟を歩いたことが良かったように思う。

日々の食事は、退院するまでお粥と主菜、副菜、ヨーグルトかジュースで、一回分の食事の熱量は、平均して350キロカロリーくらいで、一日中寝てるとは言え、合計で一日1200キロカロリー弱の摂取は少ないように思う。

しかしながら、日々の体重はほとんど変わらない。つまり基礎代謝分は十分食事で賄われていることになる。

食事の全体ボリュームを見ると、日頃の食生活では、オーバーボリュームであったことがよく分かる。退院後の食生活はボリューム減で習慣づけたいと思う。

手術から12日目

今日は退院の日だ。

朝一番で院内の歯科に行き、口の中をチェックしてもらうと同時にクリーニングしてもらう。家にいた時の様に頻繁な歯磨きはできなかったが、クリーニングしていただいて安心した。

次は、退院の手続きと次回の診療を確認。看護師さんが丁寧にその手続きを教えてくださる。

荷物をパッケージングして、会計を済ませ、無事退院。

帰宅して、運動のため少し外出、僅かな歩数しか歩いていないが、体力の消耗が激しい。

とぼとぼとゆっくりした足取りで帰宅して、シャワーを浴びてから散髪屋さんへ行く。留五郎は二週間風呂に入っていないので、理容師さんに迷惑をかけてはいけない。

散髪屋さんでは、待つことなくすぐにカットしてくれ、すっきりとする。

家に戻ってからは、ひたすら寝る。まだまだ体力は回復していないのは明白だ。でも、手術で大腸と直腸を合わせて18センチ程度切ったわけだから、これだけ歩いて動けるのも幸せな話だ。

主治医の先生、看護師に皆さん、その他病院のスタッフさんに深く感謝する。

結局、自分の医者嫌いからこの２回の手術に至ったわけだが、母から貰ったこの体を自分は丁寧にケアしていなかたことを大反省。

この体は、母からの贈り物であったことを思い出し、自分で作った体の様に勘違いしていたことを恥ずかしく思う。母は亡くなって、もうこの世にはいないが、亡くなった母への親不孝を詫びた。

ここまで、私の大腸癌の発見から手術までブログで書かせていただきました。

もし、万が一、この闘病記を読んでくださり、「内視鏡検査」をしてみようと思われる方がいらしたら、望外の喜びです。

親から貰ったこの体、親が育ててくれたこの体を命終まで、これからはもっと丁寧に使っていこうと思います。

もう少ししたら、梅雨も明け、生命力に溢れる本格的な夏がやって来ます。

両親がくれた体に感謝して、丁寧にケアしながら、日々過ごせば、あと何回かは分かりませんが、うるわしい夏が来るのを体験できることでしょう。

When Summer Comesは、オスカー・ピーターソンの晩年の演奏の中で、私が一番好きな演奏です。ピーターソンの豊かな感受性を感じることができます。どうぞお聴きください。

大腸癌闘病日記 手術から12日目 退院まで