ふるさとを離れた息子を思う母の深い愛情を歌ったダニー・ボーイ。
アイルランド北部の街ロンドンデリーに古くから伝わる旋律に、弁護士フレデリック・ウェザリーが1913年に歌詞を付けた曲です。
ダニー・ボーイは、ふるさとの景色や音、季節の移り変わり、子供へのいつまでも変わらぬ母の深い愛などを見事に表現しています。
本来、父母の子を思う愛情は深いものであり、我が身を犠牲にしてでも子の幸せを願うものです。その様な深い愛情をこの歌に感じることができます。
さて、今、世界中に紛争で苦しみ、涙を流す人がいることを思うと、私はいたたまれなくなります。
また、日本においても凶悪な犯罪や、巧妙な詐欺や、学校でのいじめの増加などをニュースで見るたびに心が痛みます。親の子への愛情が減ってしまったことから、これらの悲惨な事件が起きているのでしょうか。
確かにそうかもしれません。親が為すべき家庭でのしつけができていないことが原因なのでしょう。
これは、資本主義的「物質文明」や、「個人主義」が進み過ぎた為に起きた弊害だと考えます。
ダニー・ボーイで表現された母親の深い愛情を大人が、今一度意識しなければなりません。
今夜は、母の愛情深いダニー・ボーイをお聴きください。
ヨーヨー・マは静謐でどこまでも美しい。
ヴォーカルでは、透明感のあるヘイリー・ウェステンラがお勧めです。
クリフ・リチャードとヘルムート・ロッティのベテランのデュオも心が洗われます。