1)ブルーズと中村中
私は、去年紅白を見て以来のファンで、純粋に彼女が作り出す特殊な楽曲に魅了された1人である。 どうして、このような方法論で作曲ができるか本当に不思議でたまらない。間違いなく彼女の音楽背景の中にブルーズやジャズのサウンドを感じる、それは単にそれらの音楽的方法論を取り入れただけの物ではなく、精神的な面で黒人的サウンドに接触しているのだ!
みんなも知っているように黒人の歴史は命のかかった差別の歴史である。それは絶望的差別の社会の背景にあって、人類の音楽を考える上で歴史的な業績を成し遂げた。ジャズ、ソウル、R&B,ブルーズ、ファンク、ラップ、ガスペルなど細かく分けるならキリがないほど多種に亘っていて、いまだ進化している。そして黒人たちの表現は、心からの叫びであり、魂の表現だ!それがどれほど強くて、はかなくて、過激で、美しい物なのか、いまさら説明する必要ないが、中村中のサウンドは、偶然か、計算されたものか、黒人の魂にかなり接近している。それは表現の根本が、魂の叫びであるからなのだろうか。この接近方法は中(あたる)の才能というしかない!たぶん他のシンガソングライターでは無理だろう。
まず、歌詞が日本語であるということだけで、黒人音楽とはかけ離れある。どうしてもルーツの違う日本語は、それとマッチしない!その証拠にJPOP界のラッパーたちは英語のイントネーションを真似して歌っている。だから、今の日本のラップの歌い方を、日本語的発音と歌唱力の伝統を守ってやったら、謡曲や吟とか全く違うものになるだろう。それを考えれば、簡単に理解できる。私は、はっきり言って、日本語とブルーズのコラボは無理だと諦めていた。どんなに真似たところで、ブルーズは英語の歌詞で歌い、魂の叫びが表現できなければ、白けるのである!しかし、中村中の中村中流魂の叫びでそれを克服したと言ってもいい!もし、できることなら、彼女のHPで配信されているムービーを御覧頂きたい!そこらヘンのジャズシンガーなんか吹き飛ぶほどのパワーだ!
いまだに彼女の紹介する際ほとんどのメディアは性同一性障害をうたい文句にしているが、もうそれには意味がない、彼女はもう彼女なのだから!真面目に、真っ直ぐに生きている彼女は、女性の美しさだ!それよりは、そのハンディーキャップが今度は彼女を個性的にする要因になる事に注目すべきだ!彼女の持つ深くもなく、浅くもない声質、ファルセットの美しさもさることながら、限界までのミックスボイスは、力強くも繊細な一面を持ち、類稀なる武器になっていくだろう。彼女は若干22歳!いまだ量産され続けられている、本当の悲しみを表現できない歌手など、蹴散らかされるに違いない。