あたしが執着しないくらい



ずっと笑顔でいられるくらい




見守っていてくれる人がいいや。






もう追いかけるだけの



背中見つめるだけの



待ってるだけなんていやだよ。







どんなに笑い合えても



どれだけ楽しい時間を過ごせても



やっぱり想っていて欲しい。







あたしの父親は、




いつだって傍にいてくれたもん。




いつだって話しかけてくれたもん。




どんな時だって


どんなに忙しくたって



ちゃんと応えてくれたもん。







あたしは、こういう男の人に愛されてきたんだもん。





何が出来たって



何が出来なくたって





お父さんは、いつだってあたしのこと想ってくれてたんだもん。






休日だって、



仕事終わりだって、



いつも遊んでくれたもん。








わかってるよ。




それが当たり前なんかじゃないって。





誰もが出来ることじゃないってくらい。






気が向いた時だけの優しさなら


思い付きの優しさなら


あたしなんかじゃなくて


違う誰かにあげればいい。






あたしはそんなもの要らない。






人を愛することが



人に愛されることが





意味を失くしているの?






あたしは別に、



デートする相手が欲しいわけじゃない




セックスする相手が欲しいわけじゃない




ただ、安心して帰れる場所が欲しいだけ。







心を預けられる場所が欲しいだけ。








あたしだってそこそこ生きてきたよ。




結婚して、子供がいたって誰も驚かない歳になったよ。





8年培った関係を失った時、




あたしは死んだよ。





地獄のような毎日だったよ。





仕事に没頭して、



酒を飲む度に潰れて、記憶失くして、



泣きたいのに涙も出なくて、



だけど、そんな生活が、あたしに大事なものを教えてくれた。





家族、仲間、友達、仕事。





あたしの傍で、あたしを見守ってくれてた人が



こんなあたしを心配して手を繋いでくれた仲間が、



今もずっといるんだ。





だから、あたしは本物と偽物を見分ける目を手に入れた。







もうこれ以上、あたしを傷付けるものなら要らない。





あたしね、傷付かないの。





どんな言葉をかけられても、全然痛まないの。





ただね、胸糞悪くはなるよ。





でもね、無駄に傷付く事も、無駄にあがくことも、



今のあたしはもうしないの。








愛されることが、どういうことか、



もうあたしは知ってしまったの。





本当の愛を知っちゃったの。







ずっと傍にいてくれた人があたしにはいるの。






いつだってあたしを最優先にしてくれた人がいるの。






その存在に気が付いて、あたしは生きることを始められたの。






10年、傍にいてくれたの。







いつだって近すぎず、遠すぎずの場所から、





あたしを支えてくれた。





いつも親身になってくれた。





泣きわめくあたしも、



騒ぐあたしも、



ぐぅたらなあたしも、



弱いあたしも、強いあたしも、



全て受け入れてくれたの。







一度として言葉で表現されたことなんかないけど、





心はいつだって彼の優しさと愛情を感じてきてた。






だからね、もう傷付かないのかもしれない。







あたしが生きてるということを信じてくれてる人がいるから。






あたしをただありのまま受け入れてくれる人がいるから。






あたしに生きる価値を見出させてくれた人がいるから。





あたしに生きて欲しいと願ってくれる人がいるから。







まるで父親みたいに、いつだって傍にいてくれる人だから。






今までのどんなモトカレより、





強くあたしを信じてくれてるから。







だから、あたしは戦えるんだ。







あたし、まだ戦うよ。




誰に見下されても、


どんな汚い言葉浴びせられても、


どんなにしんどくても。