私達がまだほんの子供だった頃。
そう、我が家にもカラーTVがやってきた頃の話。
プライムタイムには、どこの局も歌番組をやっていた。
そんな歌番組の中でも、特に私が好きだった番組があった。
その番組では、冒頭に必ずテロップが流れた。
『渋谷公会堂から生中継』
子供だった私は、東京の渋谷には毎週こんなに大勢の歌手が集まるホールがあるんだぁ、と感心しながら観ていた。
東京に出てきた私は、アーティストのコンサートで何度も渋谷公会堂に足を運んだ。
初めて行ったときには、テレビで観ていたほど広くはない客席に、少し戸惑った。
そんな私が渋谷の街で暮らすようになり、渋谷公会堂まで歩いていけるようになった。
ところがある日、ふっと気が付くと、渋谷公会堂はまったく違う名前で呼ばれるようになっていた。
「C.C.Lemonホール」
それが、新しい名前だった。
2006年の10月のことだ。
名前が変わったとたん、私の中の渋谷公会堂は消えてなくなった。
確かに建物は同じだけど、正面に掲げられた「C.C.Lemonホール」という看板を見上げるたびに、違和感があった。
そんなC.C.Lemonホールが、この10月からまた渋谷公会堂として私達の前に姿を見せる。
ネーミングライツ(命名権)の期限が切れるから。
そして、私としてはありがたいことに、契約の延長は、しないとのこと。
また、あの渋谷公会堂に会えるんだね。
なんだか、すごくうれしい気がする。