居酒屋で、旧知の友人と飲んだ翌日。
私は、業務請負契約を交わすため、彼の事務所を
訪ねた。
細かい条件を詰め、契約書にサインした。
これで、これからは定期的に収入が入ることになる。
ホッとした表情の私に、友人はこう付け加えた。
「差し出がましいようだけど、奥さんの入院費や何かで
入り用だったら、遠慮無く言ってくれ。
自慢じゃないが、大金は持っていないが、小金なら
持っているから。」
笑いながら言う彼の顔を見ながら、ありがたさで
また、胸が熱くなった。
事務所に戻り、事の顛末を社員の真美に伝えた。
これからは、事務所にいないことが多くなること。
ただし、会社は今まで通り存続させること。
君の仕事は、ちゃんと確保すること、など。
「私でできることでしたら、協力します。」
力強く答えてくれた。
その日のうちに、今後の仕事の段取りを真美と
打合わせし、一緒に夕食をすることにした。
食事をしながらも、私が不在がちになった後の
段取りをとり続けた。
問題は、なさそうだ。
しばらくは、得意先の会社に常駐しながら
自分の会社を運営していくことになる。
「迷惑をかけて申し訳ないが、よろしく頼むよ。」
食事が終わり、タクシーに乗り込む真美に、
深々と頭を下げた。
to be continue.