気が付くと、リビングに夕日が差し込んでいた。
涙を拭った私は、ノロノロと立ち上がり、
片づけ終わった部屋を見回した。
夕日が差し込む部屋には、気のせいか、カミさんの
香りがした。
そして、その香りは、カミさんが私に「早く会いに
来て」と言っているような気がした。
部屋を出た私は、病院へと急いだ。
飯田橋の病院に着いたとき、すでに夜のトバリが
降りきっていた。
薄暗い病院のロビーを抜け、エレベーターでICUが
あるフロアへ向かった。
インターフォンを押すと、「処置中ですから、
しばらく待合室でお待ちください。」という
看護士の声が返ってきた。
ICUのすぐ脇にある待合室で待つことにした。
カミさんがこの病院に担ぎ込まれたあの日、
一日の半分を過ごしたこの部屋。
改めて見回すと、あの日気が付かなかった
風景が見えてきた。
to be continue.
※「ペタ」「コメント」お待ちしています。