面構成の作品。

カラーはホワイトで行く事にした。ネープから浮き上がってくる一部分はレッドブラウン。これは血液の色を意識した。

「何か新しいものを、ビックリさせるものを」という今までの気持ちは無かった。
「これで東京のチャンピオンになってやる」と思っていた。さっさんが大切に思っていた東京大会。

手応えがあった。
だけど結果は準優勝だった。
優勝したのは後に全国チャンピオンになる小栗先生だった。
まだ関越、全国がある。

さっさんの分も頑張った。さっさんの為に、さっさんの為に。

日本一になればさっさんは治るんじゃないかと信じていた。
この馬鹿な考え方はこの後しばらく続く。

いつしか俺は、さっさんの為だけに俺だけが頑張っているという妄想の中で生きていた。周りが見えていなかった。
家族も仲間も師匠すらも見えなかった。俺が勝てばさっさんは治る。それしか考えていなかった。

そんなクソ馬鹿たれが日本一なんてなれる訳が無い。

日本一になる資格は無い。

関越も全国も惨敗。それでも家族、師匠、仲間は全力で応援してくれた。
入院中のさっさんに「ごめんなぁ。日本一なれなかったよ」と言ったら、
「いいすよそんなの。みんなは元気ですか?」と言った。
言葉が出なかった。俺は今まで何をやってたんだろう。

まあ、自慢の弟分のさっさんはそんな事を言う奴だった。

自分の使命が少しずつ分かり始めた初めての全国大会だった。