フランスでの大きな事件から、1週間が経ちました。


いろいろ・・・・


これまで生きてきた中でも、さらに様々なことを


考えるに至りました。


日々、この世で与えられた自分自身の責務を全うするため


睡眠時間以外の時間を、明確な意図と見通しをもって配分し、


その通りにいかない事案には真摯に取り組み


優先順位をつけ、それでもこなせないものは順次先送りにしながらも・・・



「生命の進化」は、この地球上で、最も優れた生き物としての形を


「ヒト(人間)」に一つの到達点とした節があると感じています。


ただ生きるために、その生の営みを繰り返すのではなく、


考え判断し行動する知性と、共に生き建設していく理性とを与えられたはずの人間


日々の不断の努力でもって、ささやかな幸福のある暮らしを構築しても


不具合の連鎖で簡単につぶされることが少なくない・・・


同じく人間の持つ強烈な利己的思考と残虐性は


命ぎりぎりで生きる人々の心を簡単に負の方向に導き


破壊的な道を盲進する「同志」を増やし


意に反するあらゆるターゲットを敵と定め


無差別に一個の人間の尊い人生をいとも簡単に奪ってゆく


この人類の昨今の現実・・。


フランスだけではない


最も辛苦を強いられているシリアのみなさん


西アフリカのマリで起こったホテル襲撃事件


特に南スーダンの「レイプキャンプ」関連の記事を読んだ時には


言葉を失った。


相次ぐテロ、内戦、独裁による抑圧、


考えたくはないが、確実に人間の支配する世の中は


恐竜が君臨した時代よりもはるかに短いスパンで


壊滅の一途をたどっているのではないだろうか・・・と。






思いめぐらせ、心を痛め、こうしてブログに綴るという行為さえも


とても恵まれたことであり、かつ、自己の無力感とのせめぎあいでもあります。



すぐに、どこかに駆けつけたり、何かを大きく変えようとしたりする特効薬を


あいにく持ち合わせない者たちは


何をどうすればよいか、今日も明日も考え


関心を持ち続け、力尽きたときには確実に次世代に引き継げるように


子どもたちに、あきらめないことや手をつなぐことや


わずかでもお金を持ち寄ることや、自分が社会で勝負しようと身につけてきたことを


発揮できる機会がおとずれたら迷わず臨みなさいと、


当たり前に大人でありつづけ、たゆまぬ小さな実践を続けるのみなのでしょう。











フランス人の記者アントワーヌ・レイリーさん。

11月13日にパリを襲った同時テロに巻き込まれたレイリーさんの妻は、

バタクラン劇場でISのテロリストによる凶弾の犠牲になりました。

最愛の妻を失い、1歳5ヶ月になる息子さんと2人きりになったレイリーさんが

3日後の月曜日に、ご自身のFacebookに投稿したメッセージです。

フランスの思想や気質を貫こうとする人としての構えに

言葉がありません。

強く生きていく、神様がどこまで自分たちを試そうとも。

明日も笑顔で過ごそう、と。












「僕は、あなたたちを憎まない。

金曜日の夜、あなたたちは僕の最愛の妻で、僕の息子の母親である特別な存在の命を奪った。それでもあなたたちは僕の憎しみの対象にはならない。

あなたたちが誰なのか知らないし、知りたいとも思わない。あなたたちの魂は死んだのだから。無差別に人を殺すことが、あなたたちが神と呼ぶ存在の為であって、もしその神が僕たちのことも自らの形に創造したのだとすれば、妻の体を貫いた弾丸1発ずつが、神の心にも傷を付けたに違いない。

だから僕は、あなたたちに憎しみをプレゼントすることなんてしない。あなたたちは、それを求めている。でも憎しみや怒りの気持ち抱くことは、今ある姿にあなたたちを育てた無知と愚かさを受け入れるのと同じことになる。

あなたたちは、僕が恐怖を感じ、自国の同胞に不信を抱き、安全の為に自由を犠牲にすることを求めている。でもあなたたちの負けだ。

僕は今朝、彼女に会った。幾晩も待って、やっと会えた。彼女は、相変わらず美しかった。金曜日に分かれた時のままの彼女だった。そして12年前以上前に僕が恋に落ちた時と同じように、彼女は美しかった。

僕は、もちろん悲しみに打ちのめされている。あなたたちの僅かな勝利を認めざる終えない。でもこれは一時的なこと。彼女は僕たちとずっと共にいるだろうし、そして僕たちはいつか自由になった魂の楽園で再会できるって分かってる。あなたたちは、そこへ行く資格を持っていない。

息子と僕、2人だけになった。でも僕たちは世界中のどの軍隊よりも強い。

あなたたちに費やす時間はもう無い。昼寝から目覚めようとしているメルビルを見に行かなくちゃならない。メルヴィルはまだ17か月にもなってない。彼はいつも通りにごはんを食べるだろうし、僕らはいつものように一緒に遊ぶ。そしてメルヴィルはこの先のずっと幸せと自由であることによって、あなたたちを脅かすことになる。メルヴィルからも、あなたたちは憎まれるに値しない。」






どんな理由があっても



人を殺してはいけません。



殺しあってはいけません。



誰にとっても たった一つしかない命なのだから。