めぐにゃん身勝手妄想劇場~フリフリ

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「僕のおごりです。何にしますか?」

自販機の前に立ち、こちらに振り返って、そう聞いてくる。

応えないまま黙ってると、ボタンを、一つ一つ指さして
くるっとした目で、これ?これ?って問い掛けてくる。

一つのボタンのところで、ほんの小さく頷いた。

ガタン…

出てきたそれを、握りしめて、パタパタ駆け寄って来て
目の前にスッと差し出された、冷たい缶コーヒー。

「ねぇ、機嫌、直してくださいよ~。」

うるうるした半泣きの目を、無理やり合わせられ、
泣きそうな声で、そう言われる。

ふぅ…

ため息をついて、黙って受け取ろうとしたら
突然、引込められ…

慌てた様子で、プルタブに指を掛け、プシュ!
ニッコリとした顔を見せ、今度は、グイっと差し出される。

のけ反るようにして、黙って受け取ったら、
口をつけるのを、今か今かと、ニコニコして待ってる。

さっさと、飲めってことか?

一口飲めば、くるっとした目が、しゃべってくる。

おいしい?って、聞いてるのか?

ふぅ~

深くため息をつき、座ってるベンチの隣を、黙ってポンポンと叩けば
パッと笑顔になり、くっつき過ぎだろ!ってぐらい、嬉々として隣に座ってきた。

それなのに、今度は、不安そうな表情になり
どこまで覗き込む気か!ってぐらい、視線を合わせてくる。

どうして、そんな目で見るんだよ。

諦めた…、観念した…、根負けした…、
うーん、どれも、なんか違う。

はぁ…
ため息さえ、もう浅くなる。

あぁ、そうだな。
きっと、これが、ぴったりかもな。


そう、敵わないんだ。
お前の、その純粋さに…


飲むか?と、クイッと差し出したら…

なっ、泣くなよ~!



(素敵な画像お借りしましたペコリー