こんにちはー!マックです。


いやね・・・書くつもりなんてなかったのに。

もう暫く続き妄想なんて書かないって思ってたのに。

こんなにあっさり私の誓いを崩していく本誌展開だなんて・・・大好きよおぉぉぉ!!!←



と言うわけで、今月号の本誌の一コマから、うっかり続き妄想などしてしまいました。

書いてしまいました(懺悔)


多分、これは色んな人が考え付くであろうネタですので、よそ様と被りがあったらごめんなさい。

基本的に、自分が記事を上げるまではよそ様の続き妄想系は一切読みに行かないので、気が付いてない可能性大です。

そっと教えて頂ければ下げます。




act.214のネタバレを含みます。

コミックス派のお方、ネタバレお嫌なお方はご注意くださいませ。









*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆






(―――あ、コレ。可愛いかも・・・)


白いペンキがべったべたに塗られた木枠の窓の向こう。

地元向けとも観光客向けともつかないアクセサリーショップの店頭に並ぶそれに、キョーコは思わず引き寄せられていた。


常夏の気候独特の湿気が空気さえもまったりと動かす、世界的にも有名な観光地。

今日も日が落ちる前に撮影を終了させ、少しずつオレンジに染まる街を黒づくめの兄妹はのんびり歩いていた。


ゴツゴツ、コツコツとそれぞれ独特のブーツの音が、メインストリートから一本はずれた少し大きめの道に響く。

地元の人と観光客が入り乱れる雑多な道を歩調合せて歩くその様は、兄妹ではなく、本物の恋人同士のようだ。

他の共演者やスタッフ達がこの光景を見ていたら、きっと「ああっ!この人達異国でもこんな歪んだ兄妹愛を見せつけて・・・!」と嘆いたりするのだろう。

だが、既に佳境に入っている撮影で溜まった疲労と、常夏の気候独特の暑さと湿気にやられて全員がチャーターしていたバスに乗り込んでホテルへと向かってしまった為、この二人に突っ込む人など今は誰もいない。


そんな中、地元民向けの煙草を販売している店を発見したカインは、「中の空気は多分悪いから、少し待っていてくれ」と言い残し、セツカを置いて店へと入ったのだ。


病的な程のブラコン・雪花としては、置いてけぼりにされるなど面白くない。

ぷうぅっと膨れて見せたのだが「可愛いお前が渋い煙の臭いを身に着けるのは俺が嫌だ。手早く見てくるから・・・」と言われ、更に頭を撫でられてしまえば、大好きな兄の言葉を聞かざるを得ない。


「アタシは兄さんと同じ臭いでいいのに・・・しょうがないからちょっとだけ待ってあげる。」


むくれながらも頬を染めてそっぽを向く愛妹の横顔に、カインはふわりと微笑むと再び「すぐ戻る」と一言残して店へと入っていった。

さて、時間潰しは何をしようかと雪花がぷいっと顔を振った先に見た物は、アンティークな名前の付いたアクセサリーショップの看板。

所々錆びが見えるステンレス鋼板に書かれているのが英語なのは歴史的な名残か、それとも観光客をターゲットにしているからなのか。

兄が入った店とは通りを挟んだ反対側にあるその店が気になったのは、雪花なのかキョーコなのか。


よくわからないままに、ふらりと足が向いた。


「・・・」

じいぃっと食い入るように見つめる先にあるのは指輪のコーナー。

その中でキョーコの心を奪っていたのは、薔薇モチーフがポイントに入ったシルバーリングだった。


薔薇には真ん中に小さな石が入っていてきらりと光っていた。

唐草模様が一周入ったその指輪は普段のキョーコが付けるには少しごつ過ぎるが、雪花なら問題ない気がする。

しかし、薔薇の作りが少々繊細で、雪花にも少し乙女すぎる気もする―――


(ああ・・・いかにも「セツっぽい」って言ったら、その下の段のヘビになるような予感も・・・)


キョーコがときめいた指輪はこの店の一押し商品なのか、他の指輪よりも一段高い所に飾ってあった。

その下には更にごつさを増したシルバーリングがいくつもあるのだが、その中でも今日の服装に合わせるならピッタリだと思ったのは、蛇が指に巻き付くようなリングだ。

ちょうど蛇柄の皮パンを履いていたキョーコ。

暑くてびたりと貼りついて気持ち悪いとは思っていたのだが、オシャレガール雪花なら我慢して着るはず・・・!とここまで頑張ってきたのだった。


(うん・・・雪花なら服装に一番似合うアクセを付けるわよね。買うならこっちかな~・・・)


『お姉さん、こういうの好きなの?お安くするよ?』


兄が店を出てくるまでのちょっとした暇つぶしと思っていた筈が、「持って来たあの服にならこのアクセ・・・?」と脳内ファッションショーを本気ではじめていた雪花。

それをぶつりと止めたのは、愛しの兄ではなく、その店の店員だった。


『どこから来たの?すっごいイカした服着てる!どこのブランド?どこで手に入る?』

『・・・』

『お姉さんオシャレだから、うちのアクセサリー買って行ってよ。そんで、うちの宣伝もしてくれると嬉しいな~なんてね?うちもなかなかイカしたの仕入れてるからさ!』


雪花が睨んでも、客に怪訝な顔をされる事に慣れているのだろうか。

それとも彫が深くそこそこ見目のいいその顔に、嫌がる女はいないと自信を持っているのだろうか。

その店員は全く動じる事無く次々と話しかけていく。

答えなくても勝手に何か買う方向で話が進められ、ついに店の中へと引っ張り込まれそうになったところでやっと雪花が口を開いた。


『―――タダにしてくれるのなら、店に入ってやってもいいわよ?』

『おっと!さすがにタダは厳しいな~。でもお姉さん美人だから負けちゃうよ?』


ニヤリと不敵に笑う雪花にもめげない男は雪花の背中に手を当て、エスコートするように店の中へと誘導する。

そして―――雪花と共に店の中へと足を踏み入れた瞬間、その男の手は更に大きく綺麗な男の手にぎりっと掴まれた。


『いてぇ―――っ!!!』


バタンと突然閉まるドアの音。叫ぶ男の悲鳴。

雪花が振り返ると、そこには店員の手を捻り上げるカインの姿があった。


『俺の妹に気安く触れるな。』

『いっ、痛い痛い!離してくれよ!警察呼ぶぞ!?』


警察と言う言葉にぴくりと反応をしたのは、カインでも雪花でもなく、雪花の中のキョーコだった。


(ちょっ!?今問題起こしたら映画の撮影が・・・って!それよりも私のせいで敦賀さんが警察沙汰とか、絶対にダメーっ!!)


真っ青になりながらあわあわとどう動くのか最善か考える。

が、病的な程兄貴ラブな雪花は、あくまでもローテンションを崩さずにカインに近づく。


『兄さん、許してあげて?アタシがちょっとイイなって思うアクセがあって、入ってもいいかなって思ったのよ。』

『・・・本当にそれだけか?』

『どういう事?』

『こいつの手・・・お前の背中を触ってた。』

『―――もしかして、妬いたの?』


背中を触ってた・・・それくらいで!?と一瞬キョーコは顎を外しそうになったが、よくよく考えれば今日の雪花のファッションは、襟は付いているが背中剥き出しのデザインカットソーだった。

こちらも病的な程妹を溺愛する兄、カイン・ヒール・・・

「なるほど、こんな些細な事でも彼にとっては妹へのセクハラと取るわけね!」と、キョーコは蓮の役作りの細かさに感心した。



本当は、蓮の本心が剥き出しの嫉妬であると露にも思わずに―――



『・・・悪いか?』

『ううん?むしろ嬉しいわ。

―――でも、アタシが「兄さん以外の男なんて見てない」ってコト、信頼されてないみたいでちょっと嫌。だからそろそろ離してあげて。』

『お前がそう言うのなら仕方がないな。』


病的ラブラブ兄妹のやり取りに置いてけぼりを食らった店員は、掴まれた手をやっと離してもらえた事で店の中央辺りまで逃げて初めて自分を捻り上げていた男と対峙する。

しかし、それが全身黒づくめの異様な恰好の男で、しかも自分よりも背も高ければ体格もいい。

おまけに顔もいいと分かり、自分の敵う相手ではないと見極めたのだろうか、急に腰を低くして謝り出した。


『すっ、すいませんすいません!あまりにもオシャレでイイお姉さんだったんで、店の宣伝も兼ねてうちのアクセ着けてもらおうかと思いまして!』

『ほう・・・?うちの妹のセンスが分かるとは、いい店員だな。』

『はっ!はいぃ!ありがとうございますっ!』

『で?セツ、お前の気に入ったヤツはどれだ?』

『・・・え?』

『イイと思う物があったんだろう?俺が買ってやる。』


ぺこぺこと謝る店員と上から目線の兄のやり取りを見ていた雪花は、急に振られて一瞬素で答えてしまった。

しかしここでキョーコが思い出したのは、初めてヒール兄妹になった初日の買い物。


雪花らしい振る舞いとは何かを考えて、店で一番高いボファメットを選べばそのまま包めと言い。

似合うパンツを試着させてくれたと思えば同じものを10着も買い。

その半分以上を返品させることに成功したと思えば、倍以上のカットソーやトップスを買い込んでくる。


(あ、あのトラウマ的買い物をグアムに来てまでするわけには~~~っ!!!)


とにかくカインの買い物は、妹が絡むと糸目を付けない。

きっと今回も「全部気に入っちゃったんだけど・・・?」とでも言えば、店ごと買い取るだろう。

表の雪花の顔は変えずに、中身のキョーコはどう答えるのが一番セツらしいか必死で考えた。


『んー、結構どれもイカしてると思っちゃったのよね。でもアタシの身体はひとつじゃない?着けられるもの限られてるし。

―――だから、兄さんがアタシに似合うモノをひとつ、選んでくれないかしら?』

『ひとつでいいのか?』

『兄さんが選んでくれたモノは肌身離さず着けていたいもの。だからひとつ。』

『そうか―――なら。』


ひとつで納得してくれた~!と雪花の中のキョーコがホッとしているのも束の間。

「ひとつ」と言われたカインは窓際のディスプレイの方へとゴツゴツ歩みを進めていき・・・

たくさん飾られている商品の中から、一番最初にキョーコが可愛いと思った指輪を迷わずに選び出し、キョーコの心臓はどくりと大きな音を立てた。


『これがいい。』

『・・・どうして・・・』

『コレじゃなかったか?』

『う、ううん!それがいい!それが一番最初に気になったの!でもどうしてわかったの・・・?』

『―――お前が、好きそうだと思ったから・・・』


ふ・・・と優しく弧を描くカインの口元に、キョーコの心臓は先程よりも更に大きな音で拍動する。


アウトローなオシャレガール雪花が毎日身に着けるには、少し乙女チックな要素のあるその指輪。

「好きそう」なのは雪花ではなく、確実にキョーコの方だ。

その指輪を選んだのは、果たしてカインなのか、蓮なのか―――



(・・・敦賀さんであって欲しい。)



腰の辺りで止まったままの手がぎゅうと強く握られる。

その胸に感じた切ない痛みを誤魔化すかのように。


再びゴツゴツと店内に足音を響かせながら雪花の元へと戻って来たカインは、指輪に付いていたタグをぶちりと引き千切ってしまう。

そうしておいて、雪花の左手をそっと取ると、直前のその荒々しい行為を微塵も感じさせない程恭しく丁寧な指の運びで、その薬指に指輪を収めた。


『・・・ああ、やっぱり。お前の指は白くて細いから綺麗だな。』

『にいさ、ん・・・』

『お前は俺のモノだよ?―――永遠に。』



中央で鈍い光を放ちながら鎮座するローズに口付けるカイン。

その瞳はシルバーの光をきらりと反射させる。


キョーコはくらりと眩暈を起こしながら、このリングが蓮への切れない愛と共に、永遠の鎖へと変わるのを感じた。







作品用拍手アイコン ←こんなやりとりで薬指に収まったんならいいな!


スキビ☆ランキング

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某様の本誌感想を読んだ際に「あっ!指輪・・・!!!」と気が付きまして。

(自分の時間が来るまではじっくり読み返せないので、日中はさらっと読むだけ・・・←)

病的イチャラブ兄妹の買い物デートが即座に頭で妄想劇を開始したわけですよ。


だって、きょこたんの左手薬指に指輪ですよ?

左 手 薬 指 で す よ ?

もうこれは本誌感想そっちのけで書くしかないでしょう!!!と書いてみたものの・・・

結局右手にも指輪してるそれはスルーしてたり、ちょっと模様が違ってたり(唐草じゃない!後から気が付いたの…orz)

ちょっと残念な仕上がりかもですね。すみません。

しかし、続き妄想は滾ってるうちに投下せよ!

と言う事で、その辺はさらっと流していただけるとありがたいかも~T▽T

(お赦しくださった某様、感謝!)



で、これ書くのに時間使っちゃって希う朝のストックないので、明日は更新お休みで・・・←せっかく寝落ちせずに夜更かししたのにorz