こんばんはー!マックです。

何となく嫌な予感はしていたのですが・・・見事に息子から風邪を貰いました。

咳がヤバいのに諸事情で薬が飲めないので、ひたすら自然治癒力に頼ってます。

さて、どれくらいかかるだろうか・・・


途中下ネタ降臨につき、拍手御礼記事で告知していた通りの更新になりませんでしたが、一応考えてはいました!

ええ、ちゃんと書こうと思ってました!

と言うわけで、ザ花の続き妄想『 a treasure 』の直後の蓮の行動をば少々つけたし・・・です。

(書いてるうちにおまけの容量超えてった気しますけどねー。。。orz)




※今回のおまけは違いますが、『a treasure』は先月発売のザ花掲載・SP番外編のネタバレを含みます。

こちらだけ読んでも話は繋がりませんので、コミックスに掲載されるまで内容を知りたくないと仰る方はどうぞここでお引き取り願います。








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芸能界最大手を誇るLMEの社屋は、都内の中でも特に立地条件のいい場所に構えている。

所属する多くの俳優、そしてスタッフが利用する駐車場は、その地下1階にあった。

適度な照明があるものの、剥き出しのコンクリートが薄暗い印象を与える。


そんな駐車場の中、入口からは少し入り組んでいて見えないが決してエレベーターからは遠くない。

絶好の位置に停めてある高級車の側に、何かを書き込んだ後革の手帳を己の鞄へと仕舞う男が一人立っていた。


この車の所有者、敦賀蓮のマネージャーである社倖一だ。
担当俳優が想いを寄せる少女・・・最上キョーコが、彼女のマネージメントも担当するタレント部主任の椹氏に呼ばれて社屋に到着したのを知った彼は、次の予定までの時間に余裕がある事を確認してから蓮にこっそりと教えた。


「そうですか。」


その一言だけだったが、確かに蓮の声のトーンが変わった。

それは長年彼と時間を共有してきた社だからこそ気が付ける程度の変化だったが、それだけで十分だ。

「10分だけだけど時間あるから、キョーコちゃんに会って来い。」

そう言われてエレベーターへ向かう蓮の足取りは軽く、まさに「いそいそと」と言う言葉が良く似合っていた。


(本当に素直になったよなぁ・・・)


先に上で購入していたお茶のペットボトルを開封しながら、社はふわりと微笑んだ。


蓮がデビューする際に初めて会ってから、早4年。

最初は笑顔も硬く瞳の奥から冷めていて、蓮の思考はまるで読めなかった。

彼に付いてマネージメントしていくうちにある程度は掴めたと思っていたが、それでも蓮には彼が築き上げた大きな壁が存在し、自分を含めて他者を決してその内側へと入れようとしなかった。


ところが、それはキョーコが蓮の前に現れた事であっという間に崩れた。

出会った頃こそお互いに嫌い合っていた二人だけれど、あの敦賀蓮が感情を剥き出しにする相手なんて彼女以外には誰も見当たらない。

キョーコへの想いを自覚した今では、社の冷やかしにも色のついた反応を返す。

それが社には嬉しかった。


(あいつも柔らかくなったし、キョーコちゃんに会える日は仕事も精力的にこなしてくれるし・・・本当に、いつまでもへたれてないでさっさと付き合ってくれたらいいのになあ・・・)


蓮が恋愛をする事で仕事面でもいい方に影響してくれているのもあって、社としては蓮の恋愛を積極的に応援しているのだが・・・

如何せん、相手が悪い。

最上キョーコは愛の伝道師ですらそうだと認める「ラブミー部のラスボス」だ。

例え蓮が想いの全てを込めて愛を囁いたとしても全力で否定するであろう、「愛の欠落者」。

過去の恋愛においてはきっと百戦錬磨であったであろう蓮であっても、そう簡単に落ちてくれないのが最上キョーコと言う少女だ。


(まあ、だからこそ他の男にそう簡単に取られる心配もないわけなんだけどね・・・)


事務所に寄る予定がない事はキョーコ本人から聞いていたので、今日の遭遇は本当に予定外の事ではあったが・・・

せめて「仲のいい先輩後輩」の関係を更に深め、気が付いたら恋をする相手が蓮しかいなかった・・・という状況を作ってほしい。

そう願いながら、いつも担当俳優をキョーコと二人にさせる社だった。




「・・・社さん?」

「おわっ!」


いつの間に戻って来ていたのだろうか。

気が付いたら背後に蓮が立っていて、社はキャップを閉めたばかりのペットボトルを落としそうになった。


「どうしたんですか?」

「い、いや。考え事をしてただけ。」

「時間まずかったですか?」

「そこは大丈夫。移動に余裕見て予定詰めていってたからさ、この時間は問題ないよ。」

「そうですか。お待たせしてすみませんでした、行きましょう。」


スケジュール面は問題ない事にホッとしたのか、蓮の口元が優しくカーブを描く。

そして車のキーを開錠し、運転席へと大きな身体を滑り込ませた。

社もそれに続いて助手席へと乗り込む。

シートベルトを装着しながら、社は蓮に本日の成果を聞いてみた。


「で、キョーコちゃんには会えたか?」

「はい。」

「良かったなぁ~蓮。今日は次の予定の後が分刻みに詰まってるけど、キョーコちゃんパワーで乗り切れるな!」

「今日だけと言わずに、当分は毎日が分刻みでも俺はこなせますよ。」

「はっ?え、何?そんなにキョーコちゃんからパワー貰ったの?」

「そうですね、パワーを貰ったと言うか・・・撮らせて貰ったと言うか・・・」

「・・・?とる?何を?」

「とても可愛い事をしてくれていたので、軽くお仕置きをしてきただけです。」

「おっ、お仕・・・っ!?」

「大丈夫ですよ、了解はきちんと取りましたから。」



爽やかに、ナチュラルに。

運転席に座りクラッチを踏みこむ男の顔はとても晴れやかだ。

だけど「お仕置き」と言う言葉が、どうしても何か「やらかしてきた」感を臭わせる。


キョーコちゃんは大丈夫なんだろうか。

思わず彼女の心配をせずにはいられない。


今夜は後はスケジュールが本当に詰まっちゃってるからなー。

明日電話でキョーコちゃんの安否を確認しよう・・・


静かな駐車場内に、発進したばかりのタイヤの音がきゅきゅきゅと響く。

ゆっくりと過ぎていく多様な車種を見ながら、社はそっと溜息を吐いた。






作品用拍手アイコン ←大丈夫、社さんが心配する展開じゃなかったよ!


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あれ?書き上げてから気が付いた。

これ社さん目線!蓮さんの行動補足になってない!!

な ん て こ っ たorz


えっと、そのうち蓮視点も書けたら・・・でもいらない、かしら・・・(ごにょごにょ)