こんばんはー!マックです。


ザ花を当日入手できなくてめそめそ泣いていましたが、週末中にちゃんとゲトしてました。

もうね・・・死んでも本望よ。

なかむらてんてーの美麗絵であんな可愛い蓮キョが読めるだなんて!!

もう二人とも抱きしめてしまいたい!!←


と言うわけで、5月最初の今夜の更新は、ザ花の続き妄想です

続き妄想って本当に得意じゃないのだけど・・・うん、我慢できなかったorz




先月発売のザ花掲載(SP番外編)の続き妄想になります。

未読の方・バレがお嫌いな方はばっくぷりーずです。





最近そんな注意書きばっかりだわ・・・ごめんなさい。




゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚









椹に呼び出されたものの、先客との会議が終わらないと告げられたキョーコは、その足でラブミー部室へ向かっていた。

日が傾き青から橙へと変わり始めた空を窓の外に眺めながら、キョーコは溜息を吐く。


事務所から連絡が入ったのが午後の授業中だった為に、来るのが遅れてしまった。

社から聞いていた蓮のスケジュールでは、確かもうここを出てしまった後だ。


(もしかしたら、会えるかもなんて思ってたんだけど・・・)


蓮への想いを自覚してからこちら、自分が強欲になっている事にキョーコは気が付いていた。



どんなに短い時間でもいい、会いたい。

出来る事なら、少しでも声が聞きたい。


「最上さん」と自分の名を呼び、ふわりと微笑みかけてくれるその顔が見たい―――



(欲張り過ぎよね、私ったら・・・)


誰にも悟らせず、ひっそりと蓮を想う。

そう心に決めていたはずなのに、想いは膨らむばかり。

これでは、いつ誰に気付かれてしまうかわかったものではない。


(ひっそりと・・・そう、ひっそりとでいいの・・・)


ぎゅっと強く握りしめたその拳の中には、キョーコの大事な宝物が入った携帯。

そっとそっと想う彼女が、唯一心の外に持つ蓮への「形ある」想い。


そうこうしているうちに、あっという間にラブミー部室の扉の目の前まで来ていた。

以前社が「誰にも邪魔されずに寛げる場所」として、蓮にここをあてがっていたのを思い出し鼓動が跳ねる。

小さくノックをし、そろりと扉を開けてみる―――

が、部室はいつも通り、無人だった。


(なんだ・・・・・って!「なんだ」って何よ!?)


無意識に詰めていた息を大きく吐き出し落胆の色を見せる自分に、キョーコは一人ノリツッコミを始める。


(敦賀さんはお忙しいのよ!そもそも、あの人ラブミー部じゃないし!!「いるかもしれない」なんて期待するとか、本当に私どうしようもない・・・!!)


そう、蓮はラブミー部員じゃない。

彼には想いを寄せる女の子がいるのだから―――



その事実に行き当ったキョーコは、今度は激しく自己嫌悪に陥った。


いつかは蓮にも相思相愛になる相手が現れる。

その時自分は、いつも通りの顔で彼に祝福の言葉を述べられるだろうか?

「懇意にしてもらっている後輩」として―――



(ううん、そこはちゃんとしないと。「心に想うだけ」って、決めたんだから・・・)


がたりとパイプ椅子を引き鞄と手提げ袋を置くと、携帯をパカリと開く。

いくつかのボタン操作の後、現れた蓮の画像にキョーコの口元はふよりと緩んだ。



それは、いつの日かここで休憩していた蓮をこっそりと隠し撮りした物。


自分が贈った物を大事に使ってくれているのが嬉しくて。

大事にされている贈り物と、蓮があまりにも可愛くて。


想いが抑えきれなかった、あの日を切り取った画像。



(自分が贈った物を大事に使ってもらえる事が、こんなに嬉しいだなんて思わなかったな)


ショータローにプレゼントをしたところで、余程の事がなければ彼は使ってくれる事はなかった。

好きな相手が贈り物を使ってくれて、しかも使い心地を自慢らしき事までしてくれている。

こんなにもこそばゆい気持ちになる事なんて、今までなかった。



―――敦賀さんが愛用してるあれは、私がプレゼントした物なの―――



今まで蓮に贈り物をしてきた女性はそれこそ数え切れないほどいるだろう。

だけど、彼の心をここまで掴む贈り物を出来た女性は、恐らく自分だけ。


ひっそりと湧き上がる優越感。

それはとてもとても小さいけれど、それだけでもキョーコの心を大きく満たした。


「・・・えへへっ。」


寝ていても秀麗な顔の蓮と、完全にミスマッチなプリティ枕。

色々な想いが胸の内から溢れてきて、画像を見るキョーコの頬はバラ色に染まる。



携帯の小さな画像1枚だけれども、キョーコにとって癒しの時間。


だから、気が付かなかった。

ノックの音も、誰かが入室してくる音も。


その「誰か」が、キョーコの見ている画像を覗きこんでしまった事も―――――



「最上さん。」


よく聞いた事のある、そして今一番聞きたくない声が急に頭上から降って来て、キョーコの心臓はばくんっ!!と大きな音を立てて止まった・・・気がした。


いや、そんな、聞き間違えるはずない。でも何で!?

振り返るのが恐ろしいと思うけど、業界の大先輩にいつまでも背を向けていていいはずがない。と言うか、振り返らなければもっと何か恐ろしい事態に発展するに違いない!


そう告げる直感が勝ち、ギギギ・・・と音が立ちそうなくらいのぎこちなさで恐る恐る振り返ると・・・

そこには、満面の似非紳士スマイルで自分を見下ろす蓮がいた。


(いっやーーー!!似非紳士スマイルぅ~~~っっっ!!!)


経験で嫌と言う程わかっている。

彼がこの笑顔でいる時と言うのは、大抵何かに怒っている時だ。

今まではその怒り所がわからなくて、地雷を探そうにも最終的によくわからずに終了していたのだが。

でも今回はわかる。絶対にそうだ、それしかない。


キョーコはズザザザ!と飛び退き蓮から距離を取ると、盛大に土下座を敢行した。


「つっっ、敦賀さまぁーー!!偉大なる大先輩に隠し撮りなど不埒極まる振舞い、大変申し訳ございませんでしたあぁぁぁあーーーーっっっ!!!!」


どどーんと効果音がバックに流れそうな程大袈裟に、しかしキョーコとしては心をしっかりと込める。


誰にも見つからないように・・・と画像フォルダに慣れない鍵をかけ、いつも一人でいられる場所でこっそりと見て満足していた。

今日だって、奏江も千織もそれぞれドラマの撮影が入っていて部室に絶対に寄らないと知っていたから、だから安心して画像を開いたのだ。


それが、よりにもよって本人に見つかってしまうなんて!!


きっと蓮は呆れ返っているのだろう。

それはそうだ・・・親切で面倒を見ている後輩に、こんな趣味があろうとは優しい蓮が思うはずもない。

これはどんなに懐が広い紳士な蓮でも、きっと側にも置いてもらえなくなる・・・・・・


額を床にこすり付けたまま、思考はどんどん悪い方向へと進んでいく。

蓮に嫌悪される・・・と想像するだけで、目にジワリと涙が浮かぶ。

だけど、自分に泣く権利なんてない。だって、自分はそれ相応の事をしでかしてしまったのだから。

そう思い、キョーコはぐっと堪えた。


だが、ややあって蓮の口から滑り出てきたのは、自分を責める言葉ではなかった。


「・・・いや、別に写真の事は怒ってないんだけど・・・」

「嘘です!だって、敦賀さん怒ってます!」


怨キョレーダーは飛び出す程ではないけれど、絶対に怒ってます!

・・・なんて言う、一般人には理解不能な言葉は飲み込んで、顔をがばっと上げて反論に出る。


だって、絶対に怒ってるもん!!


「怒ってると言えば、怒ってはいる、かな。この瞬間まで両想いだって気が付かなかった自分に。」

「ほら怒って・・・る?」


一瞬、蓮の言葉の意味が飲み込めなくて、言葉が出なくなった。

リョウオモイ?ソレッテナンデスカ?

蓮の頬は微妙に赤く、きょとんと見つめ返すと蓮は口元を抑えてそっぽを向いてしまった。


「いつか、最上さんが誰かと恋に落ちる事があっても、全力で阻止すると・・・そう思ってたんだ。まさか、自分に落ちてくれてるとは思わなくて・・・」

「・・・?何ですか?」


口を抑えたままゴニョゴニョと話す蓮の言葉は、最後の方が特に聞き取れない。

そんな風に照れた様子の蓮の姿など滅多に見れないものだから、キョーコは「やだ可愛い」など内心思いつつ、聞き取れなかった内容を問う。


すると、口元からすっと手を外した蓮の雰囲気ががらりと変わり、キョーコは「ひぃっ!!」と地べたに座ったまま後ずさった。


(ななな、なんでここで夜の帝王ーーー!!!???)

「ねえ、最上さん・・・この画像、そんなに嬉しかった?」

「ははははいっ!それはもうっ!!」

「それはどうして?」

「どどどどうしてかと申しますと、僭越ながら私めが献上したお品物を敦賀様が心地よくお使いになられておられまして!」

「うん、とっても気持ちがいいよ。」

「いいいいつも大変お世話になっている敦賀様へのお役に立てたのかと思うと、身に余る光栄なのでございますうぅぅ~~~~っっ!!」

「うん、本当にありがとうね。」


言葉だけを聞けばとても穏やかそうなのだが・・・いかんせん、今彼が身に纏っているオーラがキョーコにはいただけない。

獲物(キョーコ)を射程距離に捕えたような妖しさを湛えた瞳がきらりと光って、キョーコは喋りながら何とかずりずりと距離を取ろうと図る。

しかし、すぐ後ろはソファーだ。そしてゆっくりと優雅に詰める蓮のコンパスはとても長い。


あっという間に距離は埋まり、キョーコの前にしゃがみこんだ蓮の目線はキョーコと同じ高さになった。


「あの羊、可愛いよね。最上さん、好き?」

「はっ、はい!とっても好きなんです!」

「じゃあ俺の事好き?」

「はっ、はい!とっても好きなんで・・っ!?いえ!違くて!」

「じゃあ嫌い・・・?」

「!?っっ!!」


瞳は自分を捉えたまま、未だに妖しいオーラを纏ったままなのに、ハッと気づくといつの間にかヒール兄妹の時のような状態に持ち込まれている。

少し甘えたような、「嫌いなんて言わないで・・・?」と言外に含ませた物言い。

セツカの時に嫌と言う程萌え心をくすぐられたあのカイン丸が、今目の前で若干形を変えて居た。


(~~~~~っっ!!卑怯よぉ!!こんなの「嫌い」だなんて言えないじゃないっ!!)



「尊敬する先輩として好きです。」

ただこの一言を言えば、きっとこの場は流れるのに!

そうは思っても、キョーコの口は一向に動かない。


この想いは、決して誰にも悟られてはならない。

それは十分にわかっている。わかっているつもりだけど・・・

蓮の強い瞳に見つめられると、彼への想いを否定する言葉はどこかへ飛んで行ってしまう。

そして蓮の意のままに、心の内を吐露してしまいそうで怖くなる。


顔を真っ赤にしたままフリーズしたキョーコに、蓮はそっと耳打ちをした。


「俺は好きだよ?この羊。だって、大好きな最上さんが俺の為に用意してくれたものだからね・・・」


――大好きな最上さんが・・・

その瞬間、キョーコの体がびくんと大きく跳ねる。


その反応が拒絶の色を含んでいない事を悟った蓮は、大きな手でするりと反対側の頬を撫で、耳を弄り、唇が耳元から頬へと滑り始め―――

た所で、蓮の胸元のポケットから携帯のバイブ音が大きく響いた。


今度は突然の第三者の存在に怯えてびくりと体が震える。

はあ、と盛大な溜息を吐くと、蓮はごそりと携帯を受ける。


「もしもし。・・・はい、わかりました。今降りますから駐車場で待っていてください。」


受話の向こうから微かに漏れ聞こえるのは、これまた聞きなれた彼のマネージャーの声。

ぷつりと通話を終了させると、蓮はいくつかのボタン操作の後ぱくりと携帯を閉じ、残念そうにキョーコの方へと向き直った。


「残念、さすがにタイムリミットだって。」

「お・・お疲れ様です・・・」

「今夜は遅くなるから、会う事は出来ないかな・・・電話は出られる?」

「は・・・お店の手伝いが終わっていれば・・・」

「そう、じゃあ電話するね?・・・あ。」

「?」


やっと解放されると思っていたキョーコは、完全に体の力が抜けていた。

くいっと顎を掬い上げられ上を向かされたかと思ったら、キョーコの唇は柔らかな何かで塞がれた。

そしてカシャ・・・とどこかで聞いたようなシャッター音。


自分が蓮にキスをされ、しかもそれを蓮が携帯カメラに収めた音だと気付いた時には既に蓮はすくっと立ち上がり、再び開いた携帯の画像を満足げにチェックしていた。


「~~~~~~~~っっ!!!!つるがさっっ!!??」

「ん?だって、君だけ俺の画像持ってるだなんて不公平でしょ?だから俺も」

「だって今のは!!」

「いいアングルだよ?ほら。」

「っきゃあぁぁぁぁぁぁあ~~~~~~!!!!!今すぐ消して!この場で消して!!携帯ごと消滅させてくださいいぃぃーーーー!!!!!」

「駄目。これないと俺、仕事関係で困ってしまうよ。」

「でもとにかくそれだけは・・・!!!」


お慈悲を・・・!と縋り付くキョーコに蓮はクスリと笑うと、取り乱したせいですっかり乱れた栗色の髪をそっと撫でた。


「駄目。俺の事、シカンしてただけじゃなくトウサツまでしてた罰ね。」

「ううぅ・・・でもそれだけは本当に・・・!」


過去、蓮の八分の一等身人形を作ったせいでシカン疑惑は持たれていたし、今回の件も返す言葉がキョーコにはない。

それでも、そんな画像1枚からだって何がどこにバレるかわからない。

たった今それを身を持って知ったキョーコは、とにかく蓮に縋った。


「駄目だよ、これは俺の宝物。これから増える最上さんとの写真の記念すべき一枚目だからね。」

「ふ!増やすって!」

「好きだよ、最上さん。」

「っ!!」

「これからもっと、たくさんの写真を撮っていこうね。だからちゃんと、俺の事好きって言って?」


気が付くと、蓮の携帯は再び振動していた。

本当に時間切れなのだろう、蓮はぽんぽんと優しくキョーコの頭を撫でると、するりと細い腕の拘束から抜け出て部室を後にしてしまった。



残されたのは、首まで真っ赤に染め上げたキョーコ一人。

ゆっくりと再び床へへたり込んでしまったキョーコは、まだ蓮の声が耳元に残っているような錯覚を覚えて、熱くなったままの耳を押さえて小さく呻いた。




「そんなの・・・・・とっても、とっても・・・好きなんですよ。」









作品用拍手アイコン ←黒髪蓮スタイルでちゅー来たら、失血死で多分死んじゃいます私・・・←


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4月の本誌と言い番外編と言い、もう本当に神過ぎて涙が出ました。

でもやっぱり続き妄想って苦手・・・

(今回もハニーに背中を押してもらわなければ、お蔵入りにしようとしていたチキン)