こんばんはー!マックです。

昨日はがっつり寝落ちでした(´・ω・`)

最近起きてられないなあ…



こちら、「続き妄想」と言う分野でございます。
単行本になるまでチラリともネタバレしたくない方は、どうぞ避けてお通りくださいませ。


「Act.202でキョーコが幕を持ったまま、蓮との恋愛の舞台へ上がらずに映画がクランクアップ・ヒール兄妹解散」と言う if 設定となります。



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結婚式場は閑静な住宅街にあった。
人通りが全くないのは少し気になったけれど、ドレスなんてすごく目立つ格好をしているんだから、声を掛けられることなく逃走を図れて私はほっとしたわ。



気がついたら、体が勝手に動いていた。


もしかしたら、もしかしたら。
結婚式の相手が、敦賀さんと言うこともあるかもしれない。

一瞬だけ、その考えも頭をよぎった。

だけど、たった3年しか経ってないのに「自分は幸せになる資格なんてない」と言っていた敦賀さんが結婚だなんて、あり得ない。


もしこれで、相手が敦賀さんじゃなかったら…
私は受け入れられる?




やあ、最上さん。おはよう―――

…大丈夫…コーンはきっと、大人になってる―――

美味しかったよ、ゼリー。ありがとう―――




(……やだぁ…っ!!)

出会って1年半も経過していないけれど、敦賀さんと過ごせて嬉しかった時間が、まるで走馬灯のように目まぐるしく頭の中で駆け巡る。

似非紳士なきゅらきゅら笑顔、纏う空気が妖しすぎて戸惑う夜の帝王顔。
頬を染めて恋愛音痴を暴露した可愛い顔に、捨てられた仔犬のような目で寂しそうにするわんこ顔。

そして、本当に愛しい人を見つめるかのような神々スマイル……


(…ダメ!私、このままじゃ……っ!)



もしかしたら、20歳の『私』は幕を開けた後敦賀さんにちゃんとフラレたのかもしれない。
あるいは時間が経って、諦めがついたのかもしれない。
その後に出会った誰かと『良質恋愛劇』をしたのかもしれない。
それで、その人と結婚してもいいと思ったのかもしれない……


だけど、今の『私』は違うの。
まだ、『恋愛』の舞台にすら上がってすらいない、17歳の『最上キョーコ』なの―――




(どこにも逃げ場がないのはわかってる!せめてほんの少しだけでも……)
「最上さん!」

短く鳴るクラクションと大きなブレーキ音が聞こえ、静かな道に一台の見慣れた外車が停まった。

慌ててドアを開け走り寄ってきたのは、やはり敦賀さんだった。



「どうしたの?綺麗な花嫁さん。ドレス着たままこんな道を走って…忘れ物でもしたの?」


ドレスの裾を引っ付かんだままの私に、大切なもの?と優しく微笑みかけてくれる敦賀さん。
敦賀さんもまた、『私』の知ってる敦賀さんのままだった。



それが嬉しくて、苦しくて。
走ってる時以上に胸が苦しくなる。

「つるがさ……わ、わたし今日、結婚式……」
「あ、うん。御招待ありがとうね?」
「ごしょ……」
「ああ、それよりこっちが先かな?

『御結婚、おめでとうございます。』」


にこりと笑って頭を下げた敦賀さんに、身体中の血が抜けていく気がした。







敦賀さんじゃ、なかっ…た………








私のほんの小さな希望はすべて打ち砕かれ、身体から力が抜けてその場に崩れ落ちるように座り込んでしまう。


「最上さん大丈夫…!?そんなに慌ててたの?ドレス重たかったんじゃ…」
「………やだ、ぅぅ…」
「…もが、みさん……?」

涙腺が壊れてしまったのか、大きな涙の粒が次々と目から溢れて頬に跡を作っていく。
ぼたぼたと落ちる滴は、ドレスやグローブに染みを作ってしまうかもしれない。

せっかくミューズに施してもらった大人美人の魔法。
だけど、もう今はどうでもよかった。


「そんな言葉…っ、敦賀さんから聞きたく、なかったっ!ふ…ぅっく…」
「…え?どう言う事?」
「だって…わた、わたし…敦賀さんのことが好きなのに…っ!」
「え…」



手を差し出したまま固まった敦賀さん。

それはそうよね?だって敦賀さんの知ってる『私』は、敦賀さんとの恋愛を何らかの形で諦めた私のはずだから。
敦賀さんの事を、最高の祝福を心からするって決めた『私』のはずだから。


だけど…


『私』は違うの。
まだ、あなたとの恋愛の舞台に立ってもいないの。

『おめでとう』なんて、聞きたくないの―――!!



「もがみ、さん…?今の……」
「っふぅ、…めでと、っ、とか、いわないでよぉ……」
「う、うん。ごめん……」


何がなんだかわからないままにただ小さく返事をした敦賀さんは、しゃがむと座り込んだ私の体を緩く抱き締めてくれた。


(ああ…敦賀、セラピー―――)


ふわりと優しく香る敦賀さんのフレグランスは、『私』が知ってる香りと同じ。

そっと背中に回される腕の優しさも、『私』が知ってる敦賀さんと同じ。

とくんとくんと聴こえる心臓の音も、その温もりも。
全部全部、『私』が知ってる敦賀さんだ―――



「――つるがさん。笑わないで聞いてくださいね?わたし………」



目を閉じて一呼吸置いてから、私は『私』の事を話始めた。







こぶたのヒトリゴト。-にゃんこ拍手 ←暑くて死にそう。敦賀セラピーぷりーず!←

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暑さでマジでPC死亡しそうなのですが…

うう、どうしよう。(´д`lll)



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