※先日ヒトリゴトで呟いた 検索ネタ『キョーコ どうにかしたい』SSSです。
久しぶりにヘタレ傾向です（勿論？成立前蓮→キョ）
苦手な方はご注意を！
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シャワーで体はさっぱりしても、泡と共に流れ落ちてくれない疲労。
濡れた髪を大判のバスタオルでがしがしと拭きながら、ぺたぺたとダイニングキッチン内を横断する。
こういう時は酒でも飲みたい。
スコッチなんかいいかもしれないと思ったが、明日は８時にマネージャーが迎えに来る。
時刻は既に午前２時。
今から口をつけてしまっては、明日の仕事に支障が出る。
蓮は短く息を吐くと、男の独り暮らしには大きすぎる冷蔵庫を開け、中からミネラルウォーターのペットボトルを出した。
大きな蓮の掌から熱を奪う、外国製のボトルは決して小さい筈はないのに、容量が６００ミリリットルもあるようには見えない。
パキリと気持ちいい開栓の音と、蓮の喉を水が通過する音が広く静かな室内に響き渡る。
（………さて、と）
半分くらい一気にあおり喉の乾きが落ち着くと、蓮は最近就寝前に行っている密かな楽しみへと向かう。
リビングにて帰宅後真っ先に立ち上げられていたノートＰＣの前に座り込んだ。
電源ボタンを押しパスワードを入力すると、簡単にスリープ機能が解除される。
待受は、キョーコの水着姿のイラスト。
彼女がまだ受けたことのない、グラビア撮影をイメージして描かれたのだろうか。
青い海、白い砂浜と言うグラビアでは定番な背景に、白のビキニ姿で元気いっぱいのキューティーハニースマイルを振り撒くキョーコがそこにいた。
「………」
毎日同じイラストを見ているはずなのに、蓮は思わず無表情になる。
本物の彼女がこんな姿を披露してくれたら…
一人の男として、愛する彼女の水着姿に純粋に惹かれてしまう自信がある。
しかし同時に、美しい彼女の水着姿が他の男の目にも晒される事には激しい嫉妬を覚える。
まだラブミー部員だし、高校生と言うこともあるのでグラビア撮影のオファーは来ていないらしいが…
（そんなオファー、来たら潰す……）
まだ付き合ってもいないくせにそんな不穏な考えをちらつかせながら、本体と同じ深い赤のマウスを手に取り、インターネットに接続した。
オープン設定は有名な検索エンジン。
しかし彼は即ブックマークを開き、その中からひとつお気に入りのブログへとアクセスした。
可愛いブログデザインはお姫様仕様。
優しいベビーピンクの背景におとぎ話に出てきそうな城のシルエット。
ふんわり広がるドレスの膨らみのシルエットは、かの有名な話のお姫様をモチーフにしているのだろう。
キラキラ光るデコレートはよくできているなと感心する。
このブログデザインをキョーコが知ったら、きっと喜ぶだろう。
しかし、このサイトは教えられない。
（知ったらきっと、憤死するよな…………）
そう、このブログは敦賀蓮と京子のファンが非公式で二人を応援する、所謂『二次』と言うジャンルのサイトだからだ。
そしてこのブロガーは自分達のどこを気に入ってくれたのか、二人はこのブログの中の話では付き合っている設定のものが多い。
普段から「敦賀さんのような大先輩様と『仲がいい』と思われるだなんて、私ったら何て身のほど知らずなの…！？」と言うキョーコが知ったら……
ますます距離を置こうとするだろう。
それは、蓮にも容易に想像できた。
（まあ…そこはおいおい距離を詰めるとしてね……）
現実にはなかなか進展しないキョーコの仲を憂いながらも、昨夜読んだページの続きを読むべく、蓮は画面をスクロールしてカテゴリーをクリックする。
蓮がそのブログを見つけたのは、本当に偶然だった。
たまたま渡されたばかりの台本の中でわからない言葉があり、最近購入したばかりの相棒を立ち上げた。
その時、このノートパソコンの話で盛り上がる社とキョーコをふと思い出したのだ。
可愛らしい笑みを社に向けるキョーコ…
社はどんな時でも自分の味方であって、決して恋敵に変身することはない。
そうはわかっていても、無防備にその笑顔を他の男にサービスするキョーコに苛ついて、あの時は二人を怯えさせたものだ。
（本当に……どうしてくれようか、あの娘……）
本当に、それはほんの少しの出来心だった。
検索エンジンに『キョーコ どうにかしたい』と入れてクリックしてみる。
すると、色んな『キョーコ』と言う名の女性のブログや画像が出てくる中で、パッと目を引いたのがこの『非公式ファンサイト』だったのだ。
このブログの中の自分は、ヘタ蓮と言われたり攻め蓮と言われたり、案外色々忙しい。
いくつか作品を読んでみて「え？俺ってヘタレ……？」と落ち込んだのだが、作中のキョーコの可愛さに思わずベタ惚れし、その場でブックマークしてしまった。
以来、毎夜そのブログを訪れ、現実では叶わないキョーコとの交際を楽しむようになったのだ。
フリーのイラストについては、こうして自分のパソコン内へと頂いて。
そのブロガーが交流している他のサイトへもお邪魔して、色んな夢を見る。
先日は自分が思い描いていたシチュエーションでの情事が作品として公開されて、思わず偽名で裏申請をし、コメントまで残してしまった。
（こんな俺を知ったら……君はどう思う…？）
だけど、彼女はまだ恋をすることに臆病だ。
不破に傷つけられた心は癒えていない。
今はまだ、想いを告げる時ではないのだ―――
蓮は今夜も文章を読みながら、頭の中でキョーコとの交際をシュミレートする。
自分の一挙一動に頬を染め、はにかむキョーコ。
情事の際には羞恥にからだを桃色に染め上げ、だけど妖艶に蓮を翻弄する―――
これが現実になればいいのに。
………いや、いつか現実にしてみせる。
数話読み進めると翌朝早いことを思い出し、今日はここまでかとパソコンを落としにかかる。
明日は夕方、事務所でキョーコと少しだけ会えるはずだ。
社はキョーコのスケジュールまでしっかり把握し、蓮に情報を流してくれる。
（明日も笑顔の君に会いたいな……）
そう、この太陽のような笑顔に。
蓮がスクリーンで微笑むキョーコに「おやすみ」と一言声をかけると、そのままＰＣ画面は暗くなる。
完全に動作する音が止まるのを待って蓮はパソコンを閉じ、ペットボトルを持ちながら寝室へと足を向けた。
今夜も夢の中で、キョーコと会うために。
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二次で夢見て満足する前に、一言「好きだ」と言ってください。
そう、ブログデザインはプ○ンセスコレクションみたいなのが出てほしい！ぜひぜひぷりーず！と言う、マックの完全なる願いも込められてます。
今のデザインも大好きなんですけどね？やっぱり姫には勝てません！
（実はピグで出たシンデレラガチャ、ドハマリしそうで自粛中←）
最近甘いのからスパイシー（要は仮面のHENTAI蓮さん）なのと幅広かったので、たまには妄想爆走でご満足な蓮さんも…
需要はないけど、どんな蓮さんでも大好きだ――――！！！
スキビ☆ランキング ←こちらもぽちっとしてもらえると、蓮さんがいい思いする率上がるかも！←
