※引き続きうじうじきょこたんです。
苦手な方はちょっとだけ注意が必要…かな?
***
「蓮、お前はどう思ってる。」
呼ばれて隣の部屋から入ってきた敦賀さんの表情は、あまりにも暗くて読めない。
まさか敦賀さんがすでに呼ばれていて、隣の部屋で聞いているとは思わなかった私は、思わず体が強張ってしまう。
「……俺は公表したいです。それに、距離を置くこともしません。
堂々と表舞台に二人で立ちます。」
「っ!ダメですって!!」
あまりにも堂々と、ハッキリと社長さんに告げる敦賀さんに、思わず声をあげてしまう。
「敦賀さんはもっとご自分の立場を考えられた方がいいです!私なんかが相手じゃ、敦賀さんの仕事に支障が出ます!」
「だからそれは君が心配するべきことじゃないと、何度言ったらわかる!?」
「待てまてまて!!!」
口論が始まりそうになったところで、社長さんに止められた。
「お前ら、ちょっと話し合え!肝心の二人の意見が食い違ったままじゃ、俺達もどうにも動いてやれん。」
社長さんが椹さんと松島さんに手で合図をすると、お二人は応接室を後にされる。
そうして社長さんもソファーから立ち上がると、敦賀さんの肩にポンと手を置いた。
「いいか、ちゃんと話し合いをするんだぞ。お前の考えを最上くんに一方的に押し付けるんじゃないぞ?」
「………分かってます。」
少し苦い顔をした敦賀さんは、ひとつだけ頷くと真っ直ぐこちらを見据えた。
「……っ」
鋭い視線に射抜かれて、心臓が一拍打つのを忘れる。
責めるような眼に、息が止まりそうになる。
……止まってしまえた方が楽かもしれない。
〈パタン〉と扉の閉まる音が遠くに聞こえた後も、重い沈黙は続いた。
「「…………………………」」
日本海溝よりも深いんじゃないかと思えるほど、重たい沈黙。
無意識にかかる圧で窒息死してしまいそうになったところで、ようやく敦賀さんは口を開いた。
「どうしてキョーコは公表したくないわけ?君の実力なら潰されることがないのは、上司達のお墨付きだよ…?」
言葉じりは優しいけど、目はどこまでも冷たく表情は固いまま。
怨キョは出てこないけど、怒ってるとしか思えない敦賀さんの態度に、体がすくんでしまう。
「だって、敦賀さんのイメージが…」
「それも関係ないって、俺、最初に言ったよね?」
「でも、私なんかじゃ」
「キョーコなら大丈夫。むしろキョーコでダメなら誰でもダメだ。」
必死で絞り出した声に次々声が被せられていく。
「ふぅ……これじゃ、付き合いはじめの時のやり取りと変わらないね。
…じゃあ質問を変えよう。何故距離を置きたい。」
『質問』と言いながら、言葉の終わりにクエスチョンマークを付けない人。
……本気で怒ってる。
だけど、私は…今まで守り続けてきたものを言うわけにはいかないの。
「だって、敦賀さんのためにならないから…」
「俺のため?キョーコの言う『俺のため』って何?
俺の仕事?俺のイメージ?そんなものはどうだっていい!
キョーコがそばに居てくれることが一番俺のためになるんだよ。」
敦賀さんの表情は再び苦いものへと変わっていく。
自分がそんな顔をさせていると思うと、理由のわからない胸の締め付けに襲われた。
……いやだ。これは嫌なの。
私がわたしでなくなっちゃう………!
「わたし…が色々耐えられません。世間が思う『敦賀さんの理想の彼女』には程遠いから…」
「守るよ。キョーコのことは絶対に俺が守る。
世間の言うことなんかに耳を貸さないで?俺を信じて?」
「でも………」
これも確かに本当の理由のひとつだけど……
でも敦賀さんは頑として聞いてくれない。
またしばし沈黙が流れた後、纏う空気をいつかの殺人鬼役ほどに、一気にどす黒く変えた敦賀さんがポツリと終わりを口にした。
「………じゃあ、俺と別れたいってこと………?」
久し振りに対峙するその空気を纏った『彼』に、恐怖し言葉を紡げずに震えていると、静かに歩み寄ってきた敦賀さんに痛いほどの力で手首を掴まれた。
「…………そんなの、許さないから。」
************
えぇーっとぉ………
組み合わせが決壊蓮×うじうじきょこ……
ちょっぴり怖い組み合わせチャレンジとなりました。
あ、明日はフツーにアップできる!
また長くなって切るはめになったから←またこれかー!
苦手な方はちょっとだけ注意が必要…かな?
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「蓮、お前はどう思ってる。」
呼ばれて隣の部屋から入ってきた敦賀さんの表情は、あまりにも暗くて読めない。
まさか敦賀さんがすでに呼ばれていて、隣の部屋で聞いているとは思わなかった私は、思わず体が強張ってしまう。
「……俺は公表したいです。それに、距離を置くこともしません。
堂々と表舞台に二人で立ちます。」
「っ!ダメですって!!」
あまりにも堂々と、ハッキリと社長さんに告げる敦賀さんに、思わず声をあげてしまう。
「敦賀さんはもっとご自分の立場を考えられた方がいいです!私なんかが相手じゃ、敦賀さんの仕事に支障が出ます!」
「だからそれは君が心配するべきことじゃないと、何度言ったらわかる!?」
「待てまてまて!!!」
口論が始まりそうになったところで、社長さんに止められた。
「お前ら、ちょっと話し合え!肝心の二人の意見が食い違ったままじゃ、俺達もどうにも動いてやれん。」
社長さんが椹さんと松島さんに手で合図をすると、お二人は応接室を後にされる。
そうして社長さんもソファーから立ち上がると、敦賀さんの肩にポンと手を置いた。
「いいか、ちゃんと話し合いをするんだぞ。お前の考えを最上くんに一方的に押し付けるんじゃないぞ?」
「………分かってます。」
少し苦い顔をした敦賀さんは、ひとつだけ頷くと真っ直ぐこちらを見据えた。
「……っ」
鋭い視線に射抜かれて、心臓が一拍打つのを忘れる。
責めるような眼に、息が止まりそうになる。
……止まってしまえた方が楽かもしれない。
〈パタン〉と扉の閉まる音が遠くに聞こえた後も、重い沈黙は続いた。
「「…………………………」」
日本海溝よりも深いんじゃないかと思えるほど、重たい沈黙。
無意識にかかる圧で窒息死してしまいそうになったところで、ようやく敦賀さんは口を開いた。
「どうしてキョーコは公表したくないわけ?君の実力なら潰されることがないのは、上司達のお墨付きだよ…?」
言葉じりは優しいけど、目はどこまでも冷たく表情は固いまま。
怨キョは出てこないけど、怒ってるとしか思えない敦賀さんの態度に、体がすくんでしまう。
「だって、敦賀さんのイメージが…」
「それも関係ないって、俺、最初に言ったよね?」
「でも、私なんかじゃ」
「キョーコなら大丈夫。むしろキョーコでダメなら誰でもダメだ。」
必死で絞り出した声に次々声が被せられていく。
「ふぅ……これじゃ、付き合いはじめの時のやり取りと変わらないね。
…じゃあ質問を変えよう。何故距離を置きたい。」
『質問』と言いながら、言葉の終わりにクエスチョンマークを付けない人。
……本気で怒ってる。
だけど、私は…今まで守り続けてきたものを言うわけにはいかないの。
「だって、敦賀さんのためにならないから…」
「俺のため?キョーコの言う『俺のため』って何?
俺の仕事?俺のイメージ?そんなものはどうだっていい!
キョーコがそばに居てくれることが一番俺のためになるんだよ。」
敦賀さんの表情は再び苦いものへと変わっていく。
自分がそんな顔をさせていると思うと、理由のわからない胸の締め付けに襲われた。
……いやだ。これは嫌なの。
私がわたしでなくなっちゃう………!
「わたし…が色々耐えられません。世間が思う『敦賀さんの理想の彼女』には程遠いから…」
「守るよ。キョーコのことは絶対に俺が守る。
世間の言うことなんかに耳を貸さないで?俺を信じて?」
「でも………」
これも確かに本当の理由のひとつだけど……
でも敦賀さんは頑として聞いてくれない。
またしばし沈黙が流れた後、纏う空気をいつかの殺人鬼役ほどに、一気にどす黒く変えた敦賀さんがポツリと終わりを口にした。
「………じゃあ、俺と別れたいってこと………?」
久し振りに対峙するその空気を纏った『彼』に、恐怖し言葉を紡げずに震えていると、静かに歩み寄ってきた敦賀さんに痛いほどの力で手首を掴まれた。
「…………そんなの、許さないから。」
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えぇーっとぉ………
組み合わせが決壊蓮×うじうじきょこ……
ちょっぴり怖い組み合わせチャレンジとなりました。
あ、明日はフツーにアップできる!
また長くなって切るはめになったから←またこれかー!
