19歳になり高校を卒業した彼女が、それまでお世話になっていただるまやを出て独り暮らしを始めたのは、数ヵ月前の事。
偶然を装い送り迎えをした事は何度かあったが、部屋に上がった事は一度もなかった。
自分の魅力に対して評価が低すぎる彼女にしては、珍しくガードが固い。
部屋に上げてもらえないのは少しだけ残念だったが、これだけ仲のいい先輩後輩の関係でもプライベートの領域には上げない。
つまりは他の馬の骨も上げることはないと言う事で…
その点については、少しだけ安心していた。
*
どうやら彼女の新居は1DKのマンションだったらしい。
いつも外から見上げるだけだった部屋の電気をつけると、そこそこの広さのダイニングと、そこに続くキッチンが見えた。
家具は全てライトブラウンで統一され、ライトグリーンのソファーにはピンクのキャンディクッション。
シンプルな中にもメルヘン好きな彼女らしさが溢れていて、自然と口元に笑みが浮かぶ。
冷蔵庫の中を見ると、大小様々なタッパーに彼女の手料理が詰められていた。
忙しい時などの為に作りおきしているのかな…?
しっかり自炊して生活しているところはさすがである。
ドアポケットに入っていたお茶のペットボトルを取り、口にする。
恐らくこれも、彼女が淹れて容器に移し変えたのだろう。
同じようなラベルのないペットボトルが何本もあった。
リビングの時計を見ると、午前1時。
(しかし明日もこのままだったら困るな…彼女の意識はどうしてるんだ?)
『敦賀蓮』のスケジュールも穴を開けるわけにはいかないが、明日もこのままだった場合…俺は『京子』として1日を過ごさなければならないのだろうか?
こんな気持ちになる事は早々ないのだが、少しだけ不安になってくる。
(とりあえず、明日になってからでは遅いかもしれない。社さんに連絡を…)
最上さんの携帯電話はこの部屋では見つからない。
寝室で充電器にでもかけているかもしれないと、寝室に足を向けた。
*
暗い部屋の電気を付けて、俺の目に真っ先に飛び込んできたのは…
まさかの不破のポスターだった。
何かのCDの特典だったのだろうか、そこそこの大きさのあるポスターの中で不破が不敵に笑っている。
その隣には、不破のポスターの半分ほどの大きさの俺がいた。
(何で………!!)
最上さんは「ショータローなんて好きじゃありません!恐ろしい事言わないでください!」と言っていたが…
こんなポスターをいまだに貼り続けているとはどういう事なのだろうか。
何より気に入らないのは、俺のよりも不破の方が断然大きい事だ。
俺のも貼ってある…それは、何か特別な気持ちを俺に向けていてくれてるサインかもしれない。
しかし、このポスターの大きさの差が、彼女の心の中を占める範囲そのままな気がして…
許せなかった。
(君は…結局あの男に永遠に心を預ける気かい?)
悔しくて目線をポスターから外すと、可愛い顔を歪ませた最上さんの姿が鏡に写った。
暫く鏡の中の最上さんを見つめる。
(……………そうだ。)
せっかくだから、この状況を利用して彼女の身体を調べてみるのはどうだろうか。
相手は難攻不落なラブミー部員。
しかもボスが「最上くんはラブミー部のラスボスだな!」と認定する程頑なだ。
………しかし、心が頑なでも身体は?
もう既に19歳になった立派な女性だ。
身体から攻めてみるのもいいかも…?
不埒な思いは止まらず、ワンピースの裾をたくしあげようとして、ふと手を止めた。
「…忘れちゃいけないよね?不破くん……君にはご退室願おうか………」
裾から手を離すと、そのままポスターに手を伸ばし、べりっと剥がす。
そしてビリビリに破いてベッド脇に置いてあったゴミ箱に全て入れると、今度こそワンピースをその華奢な身体から引き抜いた。
************
まだ何とか通常公開範囲と判断。
蓮くん大暴走のため、次は別館避難。
くっ、2か月ぶりの『敦賀蓮』は色気がありすぎてダメだったわ!
妄想がどんどんおかしな方向に転がり抜けていく…!
偶然を装い送り迎えをした事は何度かあったが、部屋に上がった事は一度もなかった。
自分の魅力に対して評価が低すぎる彼女にしては、珍しくガードが固い。
部屋に上げてもらえないのは少しだけ残念だったが、これだけ仲のいい先輩後輩の関係でもプライベートの領域には上げない。
つまりは他の馬の骨も上げることはないと言う事で…
その点については、少しだけ安心していた。
*
どうやら彼女の新居は1DKのマンションだったらしい。
いつも外から見上げるだけだった部屋の電気をつけると、そこそこの広さのダイニングと、そこに続くキッチンが見えた。
家具は全てライトブラウンで統一され、ライトグリーンのソファーにはピンクのキャンディクッション。
シンプルな中にもメルヘン好きな彼女らしさが溢れていて、自然と口元に笑みが浮かぶ。
冷蔵庫の中を見ると、大小様々なタッパーに彼女の手料理が詰められていた。
忙しい時などの為に作りおきしているのかな…?
しっかり自炊して生活しているところはさすがである。
ドアポケットに入っていたお茶のペットボトルを取り、口にする。
恐らくこれも、彼女が淹れて容器に移し変えたのだろう。
同じようなラベルのないペットボトルが何本もあった。
リビングの時計を見ると、午前1時。
(しかし明日もこのままだったら困るな…彼女の意識はどうしてるんだ?)
『敦賀蓮』のスケジュールも穴を開けるわけにはいかないが、明日もこのままだった場合…俺は『京子』として1日を過ごさなければならないのだろうか?
こんな気持ちになる事は早々ないのだが、少しだけ不安になってくる。
(とりあえず、明日になってからでは遅いかもしれない。社さんに連絡を…)
最上さんの携帯電話はこの部屋では見つからない。
寝室で充電器にでもかけているかもしれないと、寝室に足を向けた。
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暗い部屋の電気を付けて、俺の目に真っ先に飛び込んできたのは…
まさかの不破のポスターだった。
何かのCDの特典だったのだろうか、そこそこの大きさのあるポスターの中で不破が不敵に笑っている。
その隣には、不破のポスターの半分ほどの大きさの俺がいた。
(何で………!!)
最上さんは「ショータローなんて好きじゃありません!恐ろしい事言わないでください!」と言っていたが…
こんなポスターをいまだに貼り続けているとはどういう事なのだろうか。
何より気に入らないのは、俺のよりも不破の方が断然大きい事だ。
俺のも貼ってある…それは、何か特別な気持ちを俺に向けていてくれてるサインかもしれない。
しかし、このポスターの大きさの差が、彼女の心の中を占める範囲そのままな気がして…
許せなかった。
(君は…結局あの男に永遠に心を預ける気かい?)
悔しくて目線をポスターから外すと、可愛い顔を歪ませた最上さんの姿が鏡に写った。
暫く鏡の中の最上さんを見つめる。
(……………そうだ。)
せっかくだから、この状況を利用して彼女の身体を調べてみるのはどうだろうか。
相手は難攻不落なラブミー部員。
しかもボスが「最上くんはラブミー部のラスボスだな!」と認定する程頑なだ。
………しかし、心が頑なでも身体は?
もう既に19歳になった立派な女性だ。
身体から攻めてみるのもいいかも…?
不埒な思いは止まらず、ワンピースの裾をたくしあげようとして、ふと手を止めた。
「…忘れちゃいけないよね?不破くん……君にはご退室願おうか………」
裾から手を離すと、そのままポスターに手を伸ばし、べりっと剥がす。
そしてビリビリに破いてベッド脇に置いてあったゴミ箱に全て入れると、今度こそワンピースをその華奢な身体から引き抜いた。
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まだ何とか通常公開範囲と判断。
蓮くん大暴走のため、次は別館避難。
くっ、2か月ぶりの『敦賀蓮』は色気がありすぎてダメだったわ!
妄想がどんどんおかしな方向に転がり抜けていく…!