2013年12月 * 拍手設置(加筆なし)
※一度別れた後の蓮キョ設定です。
「別れた?そんな事あるはずはない!」と仰るお方はばっくおーらいですっ☆
゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚
(今日はいい天気だから、お布団を干して気分転換しよう)
そうは思っても、簡単にはキョーコの気持ちは晴れなかった。
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「…ふぅ。」
掃除も洗濯も一通り終わって、やることのなくなってしまったキョーコは、静かにベランダ側に設置した椅子に腰掛けた。
「…今年も綺麗に咲いてくれたわね………」
メルヘン好きなキョーコにしては、とてもシンプルな部屋。
ベランダも今は洗濯物で色めいているが、置いてあるグリーンはただ一つの植木鉢のみ。
ツツジに似てはいるが、それより一回り大きめの白い花を咲かせていた。
「あの人はどうしてるのかな………」
植木鉢は本来、付き合っていた蓮の家のベランダにあったものだ。
キョーコがプレゼントし、手入れもキョーコが喜んでしていた。
………そう。今は過去の話。
ハリウッドからのオファーを受けるか悩んでいた蓮のお荷物にはなりたくないと、キョーコは自ら蓮の部屋を出た。
この植木鉢一つだけ持って。
彼は今、ハリウッドを中心に活躍するスーパースターになっていた。
「…私にはこの木と思い出があれば、それだけで生きていけるわ。」
いつも言い聞かせるようにキョーコは呟く。
今もタレント活動は続けているが、私生活については親友達以外には教えずひっそりと暮らしている。
女優としてもいい地位にはいるが、プライベートを一切明かさない謎多き女性を通している。
全ては、あの人との接触を避ける為。
キョーコが物思いに耽っていると、チャイムの音がなる。
「はーい」とドアを開けてみると、そこには花束を抱えた元カレがいた。
「お届け物です、キョーコ。」
「………なんで?日本にいるの…?」
確か次の出演する映画はクランクインしていたはずだ。
その前に、この住所はごく限られた人間しか知り得ない。
蓮が渡米してから全てを一新したから、蓮に情報は行かないはずだった。
「なかなか探し出すのに手間取ったよ。あぁ、仕事は休みを取ってきたから大丈夫。」
何が大丈夫なのだろうかと首を傾げるキョーコに、蓮はそっと花束を差し出した。
「思ってたより遅くなってしまったけど、キョーコを迎えに来たんだ。ハリウッドで認められて、自分に自信が付いたよ。今度こそ変わらぬ愛で君を全力で守りぬくから。」
「…だから、最上キョーコさん。俺と結婚してくれませんか…?」
一息ついた蓮は、そう言葉を続けた。
涙をぽろりと零しながら、キョーコは花束を受け取る。
「…この花言葉は『変わらぬ愛』ですね。私が植木鉢を選んで持って出た意味、気付いてたんですか……」
「そりゃもちろん。あの植木鉢はキョーコからもらった嬉しい『言葉』だったからね。……で、お嬢さん。返事はいただけますか?」
「…もちろん、喜んで。私は『あなたに愛されてしあわせ』です。」
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蓮の花束はゴデチアをイメージ。ってかゴデチアの花言葉を使いました。
私の『植木鉢の君』は八重桜をプレゼントしてくれました。
彼の言葉は、今の私の支えの一つだったり。
プロポーズは断ってしまったけど今だにお友達として接してくれる、数少ない私の理解者です。
現在、八重桜の植木鉢は娘にバキボキ折られ、咲かす枝がなくなってしまいました、ごめんよー!(by 2013年の私←)
*スキビ☆ランキング
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