音楽学院発表会
今日は息子の、ヴォーカルの発表会でした。
福岡でも人気の高級住宅街の一角に、その音楽学院はあります。
最初はそこで、ギターを習っていました。
ヴォーカル科もあると知って、かねてからボイトレを受けたがっていた息子は、2年ちょっと前からレッスンを始めました。
なんと、生徒は息子1人。
ヴォーカル科の問い合わせをした時
「生徒さんが辞められて、今は先生も来られていないんです。
でも、1人でも来てくださるか聞いてみましょうね」
以来、生徒はずっと息子1人なのですが、先生は嫌な顔もされず、わざわざ来てレッスンしてくださいます。
ほんとうに、申し訳なくもったいない、ありがたい事です。
先生は音楽専門学校で教えつつ、長期の休みにはアメリカでのライブのコーラスなど頼まれて、日本にいない事が多いです。
大学4年間をアメリカで過ごしたので、そんな仕事の依頼が多くなるのでしょうね。
レッスンが火曜日から土曜に変ってからは、先生のスケジュールが詰まっているのでレッスンは30分で終っています。
でも、火曜日の夕方がレッスンだった頃は、その後があいていたので、30分のレッスンの後、音楽談義が30分以上の日がざらでした。
音楽学院を経営していらっしゃるYさんによると
「ほんとあの2人は仲がいいですね。
レッスンがやっと終ったかと思うと、また階段の下で話し込んでいるんですよ」
・・・まるで、別れを惜しむ恋人同士のような。。。
でも、先生は男ですけど
「日本語は子音が弱いので、洋楽を歌って子音を矯正しよう」
という先生の方針で、レッスン曲はすべて洋楽です。
しかも、先生秘蔵のCDを貸してくださるんですよ!
もともとビートルズが好きな息子でしたが、先生のレッスンを受けるようになって、幅広い洋楽を聴き、歌うようになりました。
プレスリー、チャック・ベリー、BBキングetc.
ちょっと古い気もするけど・・・
音楽学院の発表会は毎年3月。
習い始めたのが1月で、おまけに先生は3月はアメリカでの仕事も決まっていたので、最初の年は発表会はパス。
その次の発表会が去年。
その時は、ギターの弾き語りでクラプトンの「ワンダフルナイト」
素晴らしかったです!!!
もちろん、息子の歌じゃなくて、バックが。
その音楽学院でも鍵盤を教えていらっしゃるHERO先生と、ギターの先生がバックをやってくださったのです。
ありえないほどの豪華バック
経営者Yさん(♀)も
「どちらも福岡では屈指のミュージシャン。
ギターの先生の素晴らしさは、レッスンを受けているからご存知でしょう。
鍵盤の先生も、いろんなバンドで大活躍中の方なんですよ」
と、追加料金を要求しそうなほどの自慢ぶり。
すでに[錦蟹]でHERO先生の演奏を聴かせて頂いていた私は、思わず
「あ~~ら、HERO先生の素晴らしさなら、貴女なんかよりこの私の方が良く知ってますわ、おほほほ」
と、言い返しそうでした。
でも、経営者Yさんは見るからにパワフル。
女の戦いの結果は目に見えていたので、
「ありがとうございますm(_ _)m
息子には勿体のうございますm(_ _)m」
とひたすら頭を下げていました(笑)
そんな女の戦いもありつつ、息子は発表会で無事に歌いきりました。
そして、ステージを降りて楽屋へ戻る途中、ヴォーカルの先生が仁王立ち。
「良くない。全然出来てなかった」
どうやら、ギターを見ながらうつむき加減で歌ったので、その点を厳しく叱責されたようです。
本番前のリハでは、聴いていた受付のお姉さんや、ピアノの綺麗な先生方に
「凄いわ、とっても上手よ」と言われ、かなりデレっとなっていた息子。
先生の一喝に、ちょっとしょげつつも奮起。
この1年、高低の両音域を伸ばして、私が聴いてもかなりの進歩があった気がします。
今年はエルビス・コステロの「SHE」を歌いました。
またHERO先生とギターの先生に、バックをお願いできました。
「SHE」は低音が効いた曲です。
息子の声は普段高めなのですが、今日は低音の響きが魅力的で、私にはとても良い出来に思えました。
しかし、女子供の私達がいくら良いといったところで、問題なのは先生の評価。
今年は何と言われたのでしょう。
ドキドキしながら、息子が客席に戻ってくるのを待ちました。
「ねえ、ねえ、どうだったの?」
「何が?」
「何がって・・・先生がどうおっしゃったかよ
今年もまた酷評ってことはないでしょ」
「先生は、今日来てないよ。
だって、仕事でNYに行ってるんだもん。
ギターの先生には褒められた。
それより、歌の間奏の先生達の演奏凄かったよね」
「あっ、NYなの。。。」
拍子抜け。。。
来年まとめて酷評、評価してもらわないとね。。。
それにしても、間奏は素晴らしかったです。
そして講師ライブでの、HERO先生とギターの先生のスペインも凄い!!!
今までいろんな所でチック・コリアのスペインを聴いてきましたが、今日のギターとピアノのスペインは記憶に残る、心騒がすスペインでした