再会
昨日は大学時代の友人、由香と天神で待ち合わせをしていました。
2ヶ月ぶりに福岡に来るので、「またランチでも」ということになったのです。
おまけに、今回はケイちゃんも一緒だとか。
ケイちゃんと会うのは、5年ぶりです。
ケイちゃんは由香の幼馴染で、専門学校を出たあと歯科衛生士をしています。
当時は、私と由香はまだ学生で、ケイちゃんは先に社会人になっていましたが、それはそれで楽しくて仲のいい遊び友達でした。
待ち合わせたソラリアプラザで、2人の顔を見るとすぐに
「ねえ、ねえ、ランチどこがいい?」
と食い気に走る私。
そんな私に、2人は
「ちょっと、待って!」
そして
「○○君と連絡ついた?」
「電話しようと思ってたけど、まだ」
そう言い合うと、おもむろに携帯を取り出してどこかへ電話。
「お久しぶり・・・そう・・・突然ごめん・・・へぇ、そうなんだ・・・じゃ、お家の方にお邪魔するね」
「そういう訳で、○○君の自宅に遊びに行くことになった。tomatomaも来るでしょ」
○○君、懐かしい名前です。
彼は、中州のお店で知り合った、常連さんつながりの、言わばケイちゃん、由香の元遊び仲間。
私も、数回会ったことがありますが、あまり印象に残るタイプではなかったです。
強いて言えば、そのお店に来る男性は、スーツ姿のサラリーマンが殆どだったのに、彼はいつもスニーカーにジーンズだったのが、記憶にあります。
とりあえず、今回はスニーカー君と呼ばせていただきましょう。
そうそう、私達は気安く「君」付けで呼んでいますが、実は3歳年上。
その頃は、設計事務所に勤めている、設計士さんでした。
とても可愛くて、お姉さま方に人気。
それで、つい私たちまで「君」呼ばわり。
そのお店は、中州の第1ラインビルに入っていました。
女子大生だった私が、中州で遊びまわる・・・
いつもブログを読んでくださっている方は、とても意外な一面だと思われていることでしょうね。
そうなんです。
本来の私は、どこにも出かけず家で本を読んでいるのが、一番好きです。
でも、当時は今までの自分がやりそうにない事をやって、「正反対の私」になりたかったのです。
例の、失恋事件事件(『テント芝居』 参照)で、自分を嫌いになってしまい、必死で模索していました。
中州のスナック
ディスコ
合コン
今考えると、発想が貧弱ですね(笑)
そのお店は、知り合いがバイトをしていて、私たちが遊びに行くと全部コミで2200円でした。
当時、天神でも、女の子のチャージが3000円でしたから、破格でしたね。
よく通ったディスコ『カルチェラタン』が、確か2000円だったから、ディスコに行く感覚で通ってました。
実際、狭いお店だったのですが、カラオケを歌う人は滅多にいなくて、いわゆるディスコサウンズをかけては、皆で踊っていました。
ディスコも、福岡にあるお店は一通り行ってみました。
でも、結構疲れますね。
「20歳の老体には無理!こんなの高校生の遊びだわ!!」
と、本気で思ってました。
大体、人前で踊るなんて大嫌いなんですから。
合コンにも1度だけ行ってみました。
そう、いつもの私なら無理なこと。
男の子にお説教始めて、全引きでしょう。
だけど、いつも「黙ってさえいれば、何とかなるかもしれない」と言われてた私。
「そうなの?すごい!面白い!」
の3語に限定して、出来るだけしゃべらないようにしていました。
『合コン3ヶ月』と言うそうですから、半年もったのはかなりの健闘と言えるでしょう。
そんな生活が、1年近く続きました。
退屈。
それに、どう自分を変えてしまおうとしても、自分の『核』は変えようもないと悟りました。
『核』が、徐々に本来の自分を主張し、「改造計画」はあえなく失敗してしまいました。
それで思い立って始めたのが、『テント芝居』 でお話しした、演劇体験だったのです。
話はすっかり、スニーカー君からそれてしまっていましたね。
彼は、そんな「私じゃない私時代」に、何度か顔を合わせたことがある人でした。
スナックに通わなくなっても、お店のソフトボール大会やクリスマス会、果ては友達で集まっての鍋パーティなど、美味しそうなものがありそうな時には、敏感に嗅ぎつけて参加していました。
遊び仲間の中からカップルが誕生し、由香やケイちゃんは結婚式に出たりして、その後も交流があったようです。
そう言えば、5年前ケイちゃんと会ったときも、「この後、スニーカー君のお店に行く」と言っていました。
彼はその頃、独立してフリーで店舗の設計などを手がけていました。
さらに、「手作りの品」のお店を1階に、2階が事務所と住居という、生活を始めていたそうです。
どうやら、ケイちゃんにとって福岡に来たら私とランチ、その後スニーカー君を訪ねる」はセットになっているようですね。
そんな訳で、冒頭のスニーカー君への電話となったのでした。
ところが、お店を出していた建物が老朽化で取り壊されることになり、逆に近くに家を建て、流行の住宅店舗を計画しているとのことだったのです。
敷地内に事務所も建てているから、今回はそこに訪ねて来て欲しいとのこと。
しかも、3時には出かける予定があるので、早めに来てもらいたいとか。
かくして、「tomatomaも一緒に来ない?」になったのです。
私も、突然の成り行きにびっくり!
けれど、スニーカー君のその後を見るのも、ちょっと面白いかもと、ついて行きました。
事務所はステキな建物でしたよ。
彼のテーマは『和』だそうです。
「今は佐賀で築200年の家の改築をプロデュースしている。その後は、京都で店の設計を頼まれているんだ」と、語っていました。
由香やケイちゃんは「5年前に会った時も、若い頃とちっとも変わっていなかったけど、今度も全然変わらないよ」と、口々に驚嘆の声をあげていました。
え~っ、うそっ!
全然変わっているよ!
思ったことは、すぐ口に出してしまう私。
「そうかな、凄く変わった・・・ぼんやりとしたイメージでしか覚えていなかったけど・・・」
その言葉を聞いた、スニーカー君
「うん、僕もtomatomaさんのこと、はっきりとは覚えていなかったけど・・・」
その・・・の部分は何よ!?
あえて言葉にしないスニーカー君、大人になりましたね!
そして、昔のように逐一追及しない私もまた、大人の女。