世界で一番、ベーシストがかっこいい | ミツバチ生活への道~英会話・音楽ライブ・映画~

世界で一番、ベーシストがかっこいい

夕べはライブに行ってきました。

『raison detre』 という、以前から注目していたバンドです。

『チック・コリア』 でお話した憧れのHERO先生が、ピアノとキーボードを弾かれています。

ベースのこだみん先生も『raison detre』 のメンバーの話をしては、絶賛しています。


実は、こだみん先生が師と仰ぐM先生が、バンドのベーシストなのです。

「M先生は僕のアイドルです!」と熱く語り始めると、誰にも止められません。

私も、こだみん先生のライブを見に行き、偶然やはり見に来られているM先生をお見かけしたことがありました。


ですから、夕べのライブはお楽しみ満載のライブだったのです。

バンドの構成はギター、ベース、ドラム、そして鍵盤奏者3人の、合計6人です。

名うてのキーボーディスト3人が奏でる音楽は、それはもう深く、うねるような広がりを持つ素晴らしい演奏でした。

一度でとりこになりました。


その中で、誰よりも輝いていたのが、ベーシストのM先生!

ステージの前半はベース、ピアノ、ドラムの3人だけのシンプルな編成で演奏します。

このバンドは、ベーシストがフロントマン。

本当に、ベースの音が要になっています。

素敵!ベースの音って、こんなに素敵だったんですね!


わたしもベーシストの端くれですが、実は、好きな音はサックスとアコギ。

女性ベーシストを見てかっこいいと思い、ベースを始めました。(『ベース』 参照)

ですから「ベースがそんなに好きか」と聞かれると、自分でも自信がありませんでした。

私にとってのベースは、音楽を楽しむための一つの手段だったのです。


「だって、ベースってそういうものじゃない」と思っていました。

ベースを始めようとしたとき、参考にしようとネットで調べてみました。

ベーシストの皆さんのベースを始めた動機。

・じゃんけんで負けた

・みんなが素早くパートを選んだので、ベースのポジションしか残っていなかった

・ギターをやっていたのに、ベーシストがいなくて無理やりベースにまわされた


いやはや、呆れる前に笑っちゃいます。

何のかんのと言いながら、それでもベースを続けているのだから、皆さん相当のお人よし。

性格のいい私にぴったりの楽器じゃないですか(??)

それに、ギターは指が痛くなるし、ドラムは疲れそう。

ピアノは嫌い。

歌は音痴。


ベースならやれそう。

本音はそんなものでした。

お気楽に、素敵な音楽に自分も参加できる魔法の楽器。

だから、ベース大好き。


でも、M先生を見てそんな自分が、大変な間違いを犯していることに気がつきました。

私は、ライブではどうしてもギターやサックスに目を奪われます。

でも、昨日はベーシストに釘付け。


左手は優雅に滑らかに。

綺麗な指が、たおやかに、優しく優しく弦をなでていきます。

でも、右手はひたすら鋭く。

小刻みな動きで、弦をはじくのですが、その切れのよさは、厳しささえ感じます。


そんな優美さと激しさが創り出す音は、心の奥に流れ込む低い魅惑の響きでした。

ベースに感応して、ピアノのきらびやかさや、ドラムのリズムが華やぎます。

でも、根底はベースの深く、心に直接届く低音。


後半、ギターと2台のキーボードが入っても、ベースの音が中心を占め続けました。

ギターの超絶テクも、キーボードの衝撃的なからみも、すべてベースの音色のため。

ただひたすら、ベースの音に耳を傾け、M先生の指の動き一つ一つを目で追っていました。


ベースって素晴らしい。

自分がベーシストであることが、無性に誇らしくなってきました。

ベースが大好き。

ベースでなければ、だめ。


いつも、ベースで音楽の一部であろうとした私。

でも、M先生の演奏を見て、ベースが音楽そのものだと気がつきました。

私、ベースが大好きです!