ご近所のダニエル氏は自然を愛すがゆえ

スマホや携帯できる電子機器を持っていない。

そんな彼からある日の夜中、唐突に

長文のEメールが届いた。

「私たちのシーズーが天使となり、

天へと召されたことを報告します。

散歩をしている時に、トラックにはねられて

即死でした。苦しまずにいけたのが幸いです。

特に嫁さんがひどく落ち込んでいるので

しばらくポンチョの幼稚園は閉園します。」



私も激しくショックだった。

実は嫌な予感は常にしていた。

彼らのシーズーは言うてもまだ生後数ヶ月。

とても頭が良かったのだが、

ダニエル氏はそれを過信しており

ハリウッドの大通りですらリードをつけず

信号がない所を犬と走って渡っていた。

何度リードをつけるように言っただろう。

だが例え責めてもシーズーは戻ってこない。

ダニエル氏の家の前を通らないように

ポンチョのお散歩コースを変え、

しばらく顔を見せないよう努めた。



数週間経って、私だけ顔を出すことにした。

庭に埋葬したそうなのでお花を手向け、

線香代わりにお香を焚いて

大声を上げてひとしきり泣いた。

マイクおじさんは、シーズーが死んでから

ポンチョも遊びに来れなくなり

小屋から滅多に出てこなくなったらしい。

さすがに私がマイクおじさんの小屋の前で

絶叫するように泣いていたので出てきた。

「トマト、ありがとう...ごめんね...」

マイクおじさんは言葉数少なくそう言うと

力強くハグをしてくれて

またヨタヨタと小屋へと戻って行った。



しかし食事の時などダニエル夫婦には会う時は

以前よりも狂ったように早口で支離滅裂な事を

喋り倒すようになったと聞かされた。



その事もあるが、家に犬が居なくなったこと

ポンチョが顔を見せなくなったこと

それが皆にとって余計に辛いとのことで、

夫婦で話し合った結果、また犬を保健所から

引き取ろうという事に決めたらしい。

マイクおじさんにはセラピードッグとして

お友達が必要である。

それからすぐに、ポンチョはまた幼稚園に

呼ばれるようになった。



相変わらずマイクおじさんのお喋りは

支離滅裂で休む事を知らず、

前以上に人の話を聞かないので

人間との意思疎通は完全に無理になっていた。

私はなるべく、マイクおじさんとポンチョの

触れ合うささやかな時間を邪魔したくなくて

彼らの気が済むまで外で待つことにした。

彼はどれだけ頭がおかしかろうが

犬とは心が通じ合っている。




「寂しいなら背中マッサージしたらええがな」

ポンチョは相手が誰であれ、どんな人であれ、

決して偏見で差別することなく




容赦なく使う滝汗





【つづく】



先日、愛犬ポンチョのお散歩中

超巨体の黒のラブラドールが一匹

交差点のど真ん中で牛のように佇んでいた。

車は大渋滞である。

首輪はしてあるので気ままに脱走中か。

犬に吠えまくる気難しいポンチョを抱えて

どこから来たの~?お散歩してんの~?と

話しかけながら近寄り、

とりあえず道路脇に連れていこうと

首輪を掴んだ瞬間...



四方からイライラした車の視線に見守られて

交差点の中央にて、牛さんゴロ~ン

は...恥ずかしい!私を見ないで...!!

なんとか「おやつ!ご飯!」とか反応しそうな

ワードを投げかけ、歩道に連れていった。

勝手な偏見が役に立った感動的な瞬間である。



ドッグタグを見ると、キャサリンと言うらしい。

あんたお姫様みたいな名前なのね...

電話番号が二つ刻まれていたので、

一つめの番号にかけてみた。

男の人が出たので

「お宅のキャサリンが一人で道路歩いてるよ」

と言った途端に、

アメリカン特有の頭を抱える姿が想像できる

オーマイガー!オーマイガー!を連呼、

なぜだ!?あなた誰!?今どこ!?  と。



私はその間、キャサリン牛が動こうとするので

首輪を掴み、反対の腕で吠えまくる

7kgのポンチョを抱え、

更に首はもげんばかりにスマホを支えている。

とりあえず交差点の場所を伝えると

「俺は今州外にいるんだ!嫁に電話して!」

と言われても、いま私に腕は二本しかない。

キャサリン牛はまたジワジワと車道に

エクササイズに行こうとしている。


すると州外の彼は、今嫁に電話するから

ちょっとこのまま待ってて!と

何を血迷ったか一緒にいた人に電話を渡した。


「ハロー... 私はマリーと言います。

彼が今家の人に電話してるので...

あの...えっと...ご機嫌いかがですか...」

シュールすぎるし、知らない人と話しながら

待たされる意味はあったのか。

マリーさんの後ろで怒鳴り声がする。

そして、このマリーさんは愛人だと勘づいて

益々何を喋ったらいいのか分からない。


ついにスマホを落とした瞬間に

ポンチョのリードを外し

キャサリン牛の首輪につけ、少し楽になった。


話し相手はまた飼い主の男の人にかわり、

「今から嫁が迎えに行くから、それまで

電話繋げたまま待っててくれ」とのこと。

なぜ切ったらダメなのかチーン


5分もせずに30代くらいの女性が走って来た。

「この子どこに居たの?何分前?」

それと同時に電話越しの彼が

「嫁に電話代わってくれ!」と言っている。


もうそこからは地獄絵図。

私のスマホを使って怒鳴り合いの大喧嘩

「私はちゃんとゲートを閉めてた!

どうやって出たかなんて分からないわよ!

あんたこそ、不倫旅行しておきながら

私のせいにしてんじゃないわよッ!!」



泣きたくなったが、ここで私が泣くと

はたから見る私の立ち位置が余計おかしいので

ひたすら耐え、遠い目をしてフラフラ動く。

するとようやく私の存在を思い出してくれ

「この子待ってるから私に電話しなさいよ!

不倫女の電話からかけて来い!!」

と旦那様に吐き捨て、スマホを返してくれた。


まだ通話中である。

「あの...電話してあげてください。

が...ががががんばって」

と振り絞るように言って切った。

振り返ると女性とキャサリン牛は

プンプンしながら立ち去ろうとしている。

急いで引き止めた。

お礼を一言言って欲しかったわけではない。




リードを返せムキー





夜のハリウッド

テーマ:

ハリウッドに住んでいても


なるべくハリウッドの大通りは避けます。


歩いてる観光客は写真に夢中で


車道にいきなり飛び出してきたり


車も写真を撮りながら運転していたり


いちいちブレーキ踏みながらキョロキョロ


ジャングルクルーズじゃないんだからムキー


だいたい渋滞してるし、


わざわざ歩いて行く事もないです。


下手に歩くと、とある女優と間違えられて


ものすごいテンションで写真をせがまれ


ものすごい面倒なことになります。


その詳しい苦悩はまた今度...





そんなハリウッドも最近は映画産業の衰えか


必死に頑張ってはいるのだろうが


どんどん観光客が減っているそうで。


ついに、世界の観光目的地 99選の内


スターの名前が埋め込まれた地面


Hollywood Walk of Fameが


栄えあるワースト1位に輝いたらしい。


ニュースになっていた。




久しぶりにハリウッドを通ってみたが


夜の8時だというのに絶望的な人の少なさに


思わず信号待ちで写真撮ってしまった。




いつも渋滞するから避けているのに


ナビが最速ルートでここを通らせたことに


納得せざるを得ずーーー滝汗




10年前から色々変わったとは思うが...


夜の8時にこのガラガラ感はちょっとチーン


あまりに車が進むのでこれだけだが、


また機会があれば撮って来ます。


私は午前3時くらいのハリウッドが好きです。


まるでゾンビ映画のよう。。


どこも開いてないし、カリフォルニアはバーも


深夜2時で閉まります。


スーパーでもお酒は2時以降買えません。


なので3時くらいのハリウッドは人がおらず


廃墟好きにはたまらんのです。


でも昼間はおもしろい所なのだよ、きっとニヤニヤ