私たちは今を生きているのに今を見れていないのかも知れない。
あらすじ
なんでも欲しいものが手に入ると噂の秘密のトンネルがある。その名はウラシマトンネル。トンネルは願いを叶える代わりに入った者は100歳年をとってしまうらしい。ウラシマトンネルに出会った男女は自分たちの願いを叶えるべくトンネルの攻略を始める。
引き込まれるモノクロの学生たち
序盤の主人公の人間味が無く、ただ1日を消費しているような独特なキャラに引き込まれた。学生特有のスカした感じとも違い、人生にまるで色が無いかのように感じた。ヒロインも序盤は主人公と同じように無気力で人生を捨てているかのように感じた。しかし、話が進み仲が深まっていくごとに主人公には無い人間味に溢れていると分かる。その対比により主人公の闇がより引き立てられる展開が上手いと思った。
イチャイチャしてるはずなのになぜか妬めない!
主人公とヒロインが放課後に2人きりって本当はすっごく青春してて甘酸っぱいはずなのに、静かで落ち着いた雰囲気がした。男女の恋愛における駆け引きが少なくただ同じ場所で同じ空気を吸っている関係性もこの作品のいいところだと思った。
過去と願い
主人公は妹が死ぬ前の平和な家庭を取り戻すために死者を蘇らせようとしたり、ヒロインはおじいちゃんの代わりに自分が有名になろうと才能を得ようとした。どちらも過去の出来事に強く囚われて願いが生まれていると思った。
過去の出来事から今の自分の考えが生まれるのは当たり前のことだけれど、今の自分は過去の出来事の一つ一つから出来ていて、昨日の自分と今の自分では何一つ一緒じゃ無いんだ。私たちは身長が伸びるかのように、気づかないうちに心も変化しているんだなと思った。
興奮が収まらない!最後の15分がやばい!
主人公がトンネル内でメールを受け取り走り出した瞬間がこの映画の一番の盛り上がりだと思う。主人公が過去と決着をつけてトンネルの外へ出る場面に私は一番メッセージ性のようなものを感じた。
私たちは普段過去ばかり振り返ってしまい失ったものを懐かしんだり、取り戻したいと思うことがある。しかし、今失いたくないものは見えているだろうか。今を生きる上で大切なものって生きるのに必死で見えていなかったりする。そんな今大切にするべきものに目を向けさせてくれる。「夏へのトンネル、さよならの出口」はそんな作品だと感じた。