「響新共命」に収録された
楽曲にまつわる物語を
お届けしていきます✨
「謎と鍵」
太古より、地球には＜創生の秘密＞を
継ぐ血脈が存在した。
彼らは表舞台に立つことなく
ただひたすらに沈黙を守り続けてきた。
その血脈だということを
知らないものも多いくらいだ。
だが時代は変わった。
時が来たのだ。
真実が公開される＜その時＞が迫り
同時に血脈の命を狙う影が現れ始めた。
都市の片隅で個々に暗躍していた
イシュタール号のメンバーが6人いた。
彼らはTOMAの緊急召集を受け
一堂に会した。
お互いを噂では知っていたが
全員が顔を合わせるのは初めてだった。
「地球の秘密は、都市の至る所に
＜断片＞として隠されている。
準備が整った血脈者は
そのポイントを通過すると
秘密の情報が自動的に
ダウンロードされる
仕組みが発動する。
6名のメンバーはチームとなって
先にそれを見つけ
守り導いてほしい。
しかし、それを阻害しようとする者たちも
動き始めているそうなんだよね。
時間はあまり残されていないから
みんなで力を合わせてやり抜こう」
いつものTOMAのおちゃらけた
雰囲気はなく
言葉は鋭く、重かった。
6人は迷うことなく頷き
最初の探索へと歩み出した。
秘密が入った断片は
さまざまな場所に隠されているが
今回特に守らなくてはならない
場所があった。
舞台は日本の地下鉄駅。
深夜、電車が止まったトンネルは
青白く発光し、古代の情報を
にじませていた。
だが既に
異次元の影が侵入していた。
幻覚、霧、そして闇の怪物。
影の存在と共鳴してしまうと
心がネガティブへと傾いていくため
情報がダウンロード出来なくなる。
6人はそれぞれの力を解き放った。
エリオン・スティールは闇を吸収し
進むべき道を光で照らす。
シエラ・ヴァイオレットは影に潜む
怪物の気配を探り出す。
オーリック・ノクターンと
レイヴンは闇の奔流を制御し
封じられた通路を切り開く。
イザベル・ミストフィールドは
霧を散らし
断片の在処を明らかにする。
エリス・メランジュは
古代碑文を解読し
鍵を用いる方法を理解した。
ついに断片が姿を現した瞬間
一人目の人物が光を浴び、覚醒した。
血脈を継ぐその者には
宇宙から＜秘密の鍵＞が与えられた。
それは新たな覚醒者の誕生だった。
そこからの展開は早かった。
都市の各所で断片が発見されるたび
新たな覚醒者が目覚めた。
覚醒者が増えるごとに
都市は異次元と共鳴し始めた。
終わっていたエネルギーは
一掃される出来事が表にも現れ始めた。
同時に敵の妨害は激しさを増し
闇と光の均衡は激しく揺れ動いた。
50名が覚醒したとき
都市の空に＜光の環＞が
浮かび合図を出した。
これは他の星から入った救援隊たちと
連携をとるためだと
TOMAが教えてくれた。
そして各地で100名に達すると
異次元の扉が半ば開くため
闇の軍勢も襲いが強くなり
世間では不可思議な事件が
増えたように感じられた。
そして、いよいよ150名が揃った瞬間
都市を支える大地が震え
黒と白の盤のように反転した。
世界は、新時代へと踏み出したのだ。
覚醒者と6人は
＜異次元の秘密の部屋＞に
導かれた。
そこで示されたのは
地球が変容するときに
必要な計画書だった。
そして覚醒者たちが
＜方舟＞としての役割を持つ
存在だという事実も明かされた。
集まった彼らはそれぞれの使命を胸に刻み、未来を創る決意を固めた。
やがて＜異次元の秘密の部屋＞での会議は
終わりを迎え
特別な部屋の光は収束し
静けさが戻った。
TOMAの声が響いた。
「これで、ひとつの役目は終わった。
各々自分の仕事を始めよう！
これは前代未聞の仕事だよ。
楽しんで行こうね！」
6人と、各地から集められた者たちは
互いに視線を交わし
確かな絆を感じながら部屋を離れた。
そして、6名たちも一度イシュタール号へ
戻り、新たな土地へと派遣される
ことになった。
地球は順調に進化を始め
秘密は新たな世代に託された。
「謎と鍵」は
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10月11日
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