小学校2年生の頃、長くて傾斜が急な「滑り台」で遊んでいた時の話。

 

 私が滑ろうとしたちょうどその時、同じくらいの年の子が下から駆け上がってきた。

 

 そして衝突してしまった。

 

 

 

 私は泣いてしまっていた。びっくりしたのと、多少衝撃があったのと、この子にケガをさせたかもしれないという思いから(たぶんそんな感じだったと思う)。

 

 逆走してきた子のほうは、泣かずにポーっとしていた(たぶんケガはなかった)。

 

 よくありそうな話なのだが、ここからが鮮明に記憶に残っている。

 

 それを見たその子の親が、こう言ったのだ。

 

 「あの子(私)は泣いているのに、A君(その親の子)は泣かなくて偉い。」

 

 その子の逆走を注意もせず、私に謝りもしなかった。

 

 そして、立ちすくんでいる私を気にもかけずに去っていった。

 

 

 その時に思った。「こんな親にはなるまい」と。

 

 

 現在親になり、当時のその子の親の気持ちが分からんでもないが、絶対にそうはならないように気を付けようと思っている。