ダイヤモンド ~リベリア元大統領有罪判決 と ディカプリオ主演の映画~ | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

リベリアの元大統領に国連の特別法廷で有罪判決が下されたというニュースを、私はNHK(JSTV経由)で見ましたが、日本ではあまり大きく取り上げられていないのでしょうか。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120427/k10014756221000.html

(引用開始)
西アフリカのシエラレオネで起きた内戦に介入し、反政府武装勢力に武器を提供する見返りにダイヤモンドを受け取り、戦争犯罪などに問われている隣国リベリアのテーラー元大統領に対し、国連の特別法廷は26日有罪の判決を言い渡しました。

血塗られたダイヤモンド

問題の舞台となったのは、世界有数のダイヤモンドの産地であるアフリカ南部のアンゴラや西アフリカのシエラレオネです。

1990年代後半から2000年代の前半にかけて国連が相次いで出した調査報告書では、こうした国々で反政府武装勢力が住民を強制的にダイヤモンド採掘にかり出し、手に入れたダイヤモンドを外国から武器を調達する資金源に充てていたことが明らかになりました。こうしたダイヤモンドは「紛争ダイヤモンド」や「血塗られたダイヤモンド」と呼ばれ、業界では世界中で採掘されるダイヤモンドの4%に当たり、年間2億5500万ドルに上るとしていました。

国連の安全保障理事会では「紛争の長期化と激化の原因になっている」として、繰り返し対策が協議されるなどこの問題は国際社会で大きく注目され、業界や産出国は、「紛争ダイヤモンド」が市場に流通しないよう輸出入検査の強化などさまざまな規制に乗り出しました。

テーラー元大統領の特別法廷の審理でもこの問題が取り上げられ、2010年には世界各地のファッションショーで活躍するスーパーモデルとして知られるナオミ・キャンベルさんが証人として出廷するという異例の事態に発展します。キャンベルさんは、テーラー元大統領側からダイヤモンドの贈り物が届けられたと証言して、「ダイヤモンドを所持していたことはない」としてダイヤモンドと武器の違法な取り引きへの関与を否定し、無罪を訴えていたテーラー元大統領の主張を崩しました。
(引用終わり)

私はこのニュースを聞いて、ビックリしました。

なぜかというと、判決の前日4/25に会社の同僚からたまたま借りたDVDが、まさにこのシエラレオネのダイヤモンド採掘と武装勢力の問題を取り上げた映画、『ブラッド・ダイヤモンド』だったからです。

(以前に、このような私の身の回りに起きたいくつもの「偶然」について、つまらない記事を書きました。
 その記事を書いた日付を確認してまたビックリ。去年の4月26日でした。またも偶然…。)

ブラッド・ダイヤモンド [DVD]/レオナルド・ディカプリオ,ジャイモン・フンスー,ジェニファー・コネリー

¥1,500
Amazon.co.jp

(今現在は特別価格なのか、Amazonで\991です。Blu-rayでも\1,700。安いです。)


もう少しご紹介。

Wikipediaより

(引用開始)
『ブラッド・ダイヤモンド』(原題:Blood Diamond)は、2006年製作のアメリカ映画。アフリカのシエラレオネ共和国での内戦(1991-2000年)での、「ブラッド・ダイヤモンド」(紛争の資金調達のため不法に取引されるダイヤモンド、いわゆる紛争ダイヤモンド)を巡るサスペンス。

第77回(2006年)ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞のトップ10で第3位に選ばれ、ジャイモン・フンスーが助演男優賞を受賞した。また、第79回(2006年度)アカデミー賞では主演男優・助演男優・音響編集・録音・編集の5部門に、第64回(2006年度)ゴールデングローブ賞では主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートされた。
(引用終わり)

Amazonから【内容紹介】

アフリカのシエラレオネ共和国で、3人の男女が運命的な出逢いを果たす。元傭兵のダイヤ密売人アーチャー(ディカプリオ)、反政府軍RUFの襲撃によって家族と引き裂かれたソロモン(フンスー)、そして、紛争ダイヤモンドの真実を暴こうとするジャーナリストのマディー(コネリー)。すべてはソロモンが闇ダイヤの採掘場で大粒のピンク・ダイヤを発見することから始まる。ひとりはそのダイヤの利益で救いのない暗黒大陸から抜け出そうとし、ひとりは引き裂かれた家族を取り戻そうとし、ひとりは真実を記事にするための動かぬ“証拠”を求める。

アフリカ地域紛争で武器調達の資金源として不法取引される“ブラッド・ダイヤモンド”。そのひとつのダイヤに託された、全く異なる3つの願い。アフリカが現在もなお抱える問題を絶大なリアリティで力強く描き、物語は感動的なラストへと向かっていく―。


もちろん、早速観ました。その感想。

とてもよくできた映画でした!レオナルド・ディカプリオがいいです。

基本的な背景はおおよそ事実に基づいていて色々考えさせられる点も多いながら、エンターテインメントとしてもしっかりできています。アーチャー、ソロモン、マディーの人間関係はかなり複雑でありながらも、それでもそれぞれの心の動きは理解できます。人が殺される残酷なシーンが多いのがちょっと辛いですが、それを描かなければこの問題の重さが十分伝わらないのでしょう。

ダイヤモンド取引の話は後回しにして、もうひとつ辛い現実が少年兵の問題です。

心優しく勉強好きで将来医者になる夢を持ったソロモンの息子が反政府軍に捕らえられ、そこで教育・洗脳されて殺人を平気で行える少年兵士に仕立てられます。さまざまな生命の危険を冒しても、息子を救い出そうとするソロモン。やっとのことで見つけることができた息子は、父親に対して銃を向けた…さすがにこの後は書かないでおきましょう。私が一番ドキドキしたシーンです。

少年兵士の問題は「週刊金曜日」でも何度か取り上げられていました。子どもの方が純粋で思想教育しやすく、残酷な殺人でも平気で行える兵士に仕立て上げやすいそうです。この映画でもそのような少年兵士が非情な殺人を犯すシーンが何度も出てきます。なお、上記Wikipediaによると、

「この映画では、反政府勢力のRUF側にのみ少年兵が登場するが、実際にはシエラレオネ政府軍も少年たちを兵士にしていた。」

とのことです。


さて、ダイヤモンドの方ですが、Wikipediaにもしっかり書かれていました。
「紛争ダイヤモンド」の記事(英語ではまさに「Blood Diamond」)

経緯については、長いので元記事をご参照ください。

2002年からダイヤモンドの取引には「キンバリープロセス認証制度(KPCS)」と呼ばれる、紛争ダイヤモンドの取引を停止でき、ダイヤモンドを購入する人がそのダイヤが暴力に加担していないものかを確かめることができる方法が導入されているそうです。

そして、紛争ダイヤモンド取引を行ったとされるすべての個人を、世界のダイヤモンド取引所から締め出したのだと。
ただし、キンバリープロセスの問題点も指摘されています。

そして、得た利益をいかなる戦争にも使用せず、倫理的な環境で採掘されたダイヤモンドで、その採掘から消費者に届くまでの間、すべてを追跡可能であるものを「紛争フリーダイヤモンド」と言い、清潔なダイヤモンドとして市場で売られていると。

なお、この映画で、その紛争ダイヤモンドを扱っていた「ヴァン・デ・カープ社」のモデルは、有名なデ・ビアス社(De Beers)だとのことです。


もしもこれからダイヤモンドを買う予定のある方は、このような経緯も参考にされてはどうでしょう。
そもそも、「婚約指輪はダイヤモンド」というのもデ・ビアス社のキャンペーンによるものであり、ダイヤモンド以外の宝石にするという考えの人も増えてきているようです。

(私の場合、婚約指輪はダイヤモンドで、キンバリープロセスができる前でしたねぇ…。)

宝石と言えば、次世代の半導体として技術開発されてきた炭化ケイ素(SiC)が、「モアッサナイト」という宝石として販売されており、値段はダイヤモンドよりも安いのに、ダイヤモンドよりも光の屈折率や分散率は高く、きらめき・輝きに優れているとの情報を昨年の3/3の記事に書きました。

倫理的にも何も問題はないはずで、こちらも候補のひとつとして考えられるかもしれませんね。

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