続・2012年日本で金環日食  ~日食の「なぜ」を調べてみた | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

日食に関して、昨日の続きです。


(4) 皆既日食と金環日食

日食が1年におよそ2回起きることは理解できました。
では、その日食がなぜ、皆既日食になったり、金環日食になったりするのでしょうか?

まず、月の大きさは太陽の400分の一ですが、地球からの月までの距離も地球から太陽までの距離の400分の一なので、地球から見る月と太陽の見かけの大きさがほぼ等しくなっています。これは奇跡的な偶然です。

ところで、太陽を回る地球の公転軌道や地球を回る月の公転軌道ですが、完全な円ではなく楕円形になっています。

地球の軌道の方は、太陽に近いときと遠いときの距離の比は3%程度しか変わりません。ところが、月の軌道は、一番地球に近いときと遠いときの距離の比は10%近く異なります。その結果、見た目の月の直径も10%変化します。

実際の写真で比較したのがこれです。http://apod.nasa.gov/apod/ap071025.html

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なお、地表近くの月が大きく、空高く位置する月が小さく見えるのは、人間の目の錯覚によります。
上記の説明はこれとは全く別の話で、実際に地球から見た月の大きさが変化しているという事実です。


さてこれで、なぜ皆既日食になったり、金環日食になったりするのかは想像つきますね。

それを説明するためにこのような図が使われていることが多いです。

国立天文台のサイトより。

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でも、こちらの方が直接的で分かりやすいですね。

鳥取市さじアストロパ-クのサイトより

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(5) 日食が西から東に進むのはなぜ?

2012年5月21日に金環日食が見られる各地の時刻は、下記のようです。
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/about.html

地名 : 食の始め / 金環日食の始め / 食の最大の時刻 / 最大食分 / 金環日食の終り / 食の終り

東京 : 6時19分02秒 / 7時31分59秒 / 7時34分30秒 / 0.969 / 7時37分00秒 / 9時02分37秒
静岡 : 6時17分43秒 / 7時29分44秒 / 7時32分13秒 / 0.969 / 7時34分42秒 / 8時59分10秒
京都 : 6時17分41秒 / 7時30分00秒 / 7時30分35秒 / 0.940 / 7時31分09秒 / 8時55分17秒
高知 : 6時15分24秒 / 7時25分11秒 / 7時26分46秒 / 0.946 / 7時28分21秒 / 8時49分35秒
鹿児島: 6時12分49秒 / 7時20分05秒 / 7時22分11秒 / 0.954 / 7時24分17秒 / 8時42分26秒

このように日食は西から東に進みます。
これがよくわかるアニメーションがありました。

http://homepage2.nifty.com/turupura/nissyoku/2012kinkan/anime.html

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本影が赤い部分です。本影が地球の昼の部分にかかっているのは、およそ4時間足らず、あっという間に西から東に駆け抜けていきます。


さて、地球から見ると月は東から西に動くのに、なぜ日食(月の影)は西から東に進むのでしょうか?

不思議です。


その説明を見つけました。要約して引用します。

http://www.nao.ac.jp/phenomena/20090722/faq.html

 図1において、たとえば1時間のうちに、月が公転によりM1からM2に移動するとき、地球に射影された月の影はS1からS2に移動します。
 この間に地球上の観測者は、地球の自転によりE1からE2に移動します。

 太陽から見ると、月影が地球上を移動する角速度は、自転によって地球の表面が移動する角速度より大きく(約2倍)、自転する地球の表面に対して月影は西から東に移動することになります。

 月影がこんなに速く西から東へ移動するのに、なぜ月は西から昇って東に沈まないのでしょうか。

 この場合は地球を中心とした角速度を比較してみましょう(図2)。
 地球上の観測者が移動する角速度のほうが大きいので、観測者は月より速く東へ移動し、その結果、月は東から昇り西に沈むのです。

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なるほどですね。



以上、来年起きる金環日食に関して、さまざまな「なぜ」を取り上げ、その訳を調べました。
私自身、「知りたがり」のオタクとして調べまわって今まで知らなかったことを理解でき、なかなか楽しめました。

来年5月の金環日食、楽しみですね・・・って、私はその頃日本にいるかどうかわかりません。
せっかくの東京での金環日食、体験できない可能性が高いです(涙)。

観察される場合は、↓のような記事を参考にして、安全に行ってください。
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/obs.html


最後に・・・。

天体の動きを理解するのには、アニメーションが有効ですね。
平面上の図ではなかなかピンと来ないものも、アニメーションで説明されるとすぐにわかったりします。子供の勉強にも有効だと思います。

娘のために何かいいDVDでも売っていないか探してみましたが、小学生にいいくらいのものはあまりなさそうでした。

そのかわり、YouTubeに教材的なものがかなり掲載されているのを見つけました。例えばこれ。



ここから関連動画がいろいろ見つけられますので、ご参考に。