2012年日本で金環日食  ~日食の「なぜ」を調べてみた | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

2012年5月21日、日本の広い範囲で金環日食を見ることができます。

金環日食?って、わかっているようでわかっていなかった私は、この機会に色々調べてみました。

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National Geographicより)


(1) 今回の日食が見える場所

国立天文台のサイトにわかりやすい図がありました。
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/about.html

今回の日食では、九州南部・四国の大部分・紀伊半島から本州の関東付近にかけての地域などを通る「中心食帯」と呼ばれる帯状の地域の中で、金環日食を見ることができます。また、それ以外の地域では、日本全国で部分日食を見ることができます。

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(2) 日食はなぜ起きる?

 日食が、太陽と月が地球から見て一直線状に並び、太陽が月に覆い隠される現象だということはよく知られていると思います。

 ただ、地球と月の公転軌道をこの下図のように単純に理解すれば、毎月1回太陽と月と地球が一直線に並び、日食が起きそうに思えます。

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 しかし、そんなに日食は起きません。その理由は、月の公転軌道面が地球の公転軌道面に対して傾いているからです。

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http://scienceportal.jp/contents/guide/rikatan/0907/090713.html

日食は新月のたびに起こるわけではありません。

その理由は、地球の周りを回る月の軌道面が太陽の周りを回る地球の軌道面に対して約5°傾いているためです。新月のときに月と太陽が同じ方向に見えると言っても、見かけ上、月は太陽の上か下を通ることが多いのです。図2のAやCの位置で新月になれば日食が起こりますが、BやDといった他の位置で新月になっても日食は起こりません。


この図を見ると、BやDの位置では太陽・月・地球が一直線に並ぶことがないのが分かりますよね?


(3) 日食と月食ではどちらが多い?

この質問、面白いです。
経験的に、月食はしばしば起きていて、日食は珍しいように感じますよね。

実際にはどうなのでしょうか?

まず、今後数年で見られる日食は次のようです。

2011年 1月 4日 部分/ 6月 2日 部分 / 7月1日 部分/ 11月25日 部分
2012年 5月21日 金環/ 11月14日 皆既
2013年 5月10日 金環/ 11月 3日 金環皆既
2014年 4月29日 金環/ 10月23日 部分
2015年 3月20日 皆既/ 9月13日 部分
2016年 3月 9日 皆既/ 9月 1日 金環
2017年 2月26日 金環/ 8月21日 皆既
2018年 2月15日 部分/ 7月13日 部分 / 8月11日 部分
2019年 1月 6日 部分/ 7月 3日 皆既 / 12月26日 金環
2020年 6月21日 金環/ 12月14日 皆既
2021年 6月10日 金環/ 12月 4日 皆既

ほぼ1年に2回、ときどきそれ以上の回数起きます。先ほどの図のAとCで起きると考えれば納得です。
意外に頻繁に起きているのですね。


では、月食の方はどうでしょうか?日本で見られるものだけでなく、世界の月食の情報は英語のWikipediaにありました。なお、地球が太陽の一部を隠している状態で、注意深く観察しなければわからない「半影月食(penumbral eclipse)」は除きます。

http://en.wikipedia.org/wiki/List_of_solar_eclipses_in_the_21st_century

2011 Jun 15 Total / Dec 10 Total
2012 Jun 04 Partial
2013 Apr 25 Partial
2014 Apr 15 Total / Oct 08 Total
2015 Apr 04 Total / Sep 28 Total
2016
2017 Aug 07 Partial
2018 Jan 31 Total / Jul 27 Total
2019 Jan 21 Total / Jul 16 Partial
2020
2021 May 26 Total / Nov 19 Partial

やはりおおよそ1年に2回ですが、1回だったり1度も起きなかったりします。

21世紀の100年間で、日食は224回、月食は142回だそうです。日食よりも月食の方が少ないのですね。


なぜ、日食より月食の方が少ないのでしょうか?

Wikipediaの月食の記事にうまく説明されていました。

月食と日食の頻度に違いが生じる理由は次のように説明できる。

地球と太陽がともに内接する巨大な円錐を想定する。月がこの円錐の太陽と反対の部(地球の本影)に入れば月食が生じ、太陽と同方向の部分に入れば日食が生じることになる。

この円錐の月軌道付近における半径は月食側が約4460~4750km、日食側が約7990~8280kmと異なるため月食の発生頻度は日食のそれよりも低くなる。



月が日食が起きる部分の軌道の方が、月食が起きる部分の軌道よりも長いため、日食が起きる確率の方が高いということですね。


それでは、なぜ感覚的には月食の方がより頻繁に起きているように思うのでしょうか?

Wikipediaでは、このように説明されています。

にもかかわらず普通、日食よりも月食の方が目にする機会は多い。これは月が見えてさえいれば月食は地球上のどこからでも観測が可能なのに対し、日食は月の影が地球表面を横切る帯状の限られた地域でしか見ることができないためである。


一見、なるほどですが、これだけでは説明不足と感じました。
それではなぜ、日食は限られた地域でしか見られず、月食は広い地域で見られるのでしょうか?


この点について書いてある記事がなかなか見当たりませんでしたが、その答えは、日食では月の影が小さいのに対して、月食においては地球の影が大きいからですね。

これは日食・月食の影の見え方の違いからもわかりますが、皆既日食は長くても数分しか続かないのに対し、月食は1 時間以上続く場合もあることからも理解できます。



まだもう少し書くことがありますが(まだ、肝心の金環日食がなぜ起きるか書いてませんね)、続きは明日とします。