TPP | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

TPPの議論が盛んです。

このブログでは、TPPについては今まで何も書いていません。賛否両論ある中、勉強不足のままあまりいい加減なことも書けないと思っていました。

私自身はどちらかというと反対側ですが、自分の周りでも賛成の人も結構いたりして。

もうちょっと勉強しようと思って、調べたところ、ここに分かりやすい記事がありました。これは反対論側の立場。

Gigazineの記事:

「TPP」とは一体何か?国家戦略室の資料を読めば問題点がわかる

アメリカで「TPP」を推進して米政府を操る黒幕たちの正体

TPPは全世界で反対されている、自由貿易ではなく公正貿易が必要


また、Wikipediaにもかなり詳しく載っています。


これらを読むと、日本にも米国にも賛成側・反対側の人がいて、日本対米国というよりも、むしろ新自由主義と保護主義の対立と考える方がいいのかもしれません。


保護主義で国際競争にさらされていない分野:日本の農業や医薬品や保険などに非効率があるのは事実で、ここに競争原理を持ち込むべきという考えにも一理はあるように思います。

しかし、完全な競争にさらすことで、例えば日本の農業、特に米作りが壊滅的になる可能性もあります。今でもカリフォルニア米は結構美味しいですし、これが安く手に入れば日本産にこだわらない人も増えるでしょう。さらに日本で米が売れることがわかると、諸外国でも喜んで日本向けの米を作るようになると考えられます。

しかし、これは単なる競争力を失った産業の衰退という意味だけにとどまらず、農村の崩壊、水田の広がる日本の原風景の崩壊という文化の問題にまで関わってくるでしょう。TPPでは、現在700%というとんでもない関税をかけてようやく守っている米ですら、例外にできるかどうかわかりません。例外にできないと考える方がいいのでしょう。

これに対し、農業の産業化、会社法人による大規模農業に転換していくことで対応すべしという意見もありますが、参加各国の間で米が無関税になり、例えば最低賃金が月80ドル(6,080円)のベトナムで日本向けの米を作るようになったら(間違いなく作り始めるでしょう)、とてもそんなことで対抗できるとも思えません。それを防ぐために現在は関税を700%もかけているのですから。

農業に限らず、製造業も工場をどんどん国外に流出するしかなくなってくるのでしょう。あらゆる産業で空洞化が起こり、失業率は上がるでしょう。貧富の差が広がって社会不安が増大し、また税収は下がって政府の赤字は増え、、、と国内にいいことがあるとは思えないのですね。

医療関係では、国民皆保険制度が非関税障壁とみなされて解体させられることも心配されています。


日本で賛成しているのは、ユニクロなど国際的大企業(私の会社もそのひとつですが)・経団連など経済団体くらいでしょうか。反対は、農林水産業、医療関係、労働組合、消費者団体などなど。

アメリカでTPPを推進しているのは、上記の2つめの記事にリストが載っていますが、非常に広範囲な分野の国際的企業や産業界、そしてその支援を受けたいオバマ大統領。

野田首相をはじめ政府・民主党や自民党の議員の一部が賛成し推進しようとしているのは、産業界の意向(→献金)という面もあるのかもしれませんが、むしろアメリカの言いなりにならざるを得ない事情でもあるのかと勘ぐりたくなります。


今の農業や医療の状況はさまざまな問題を抱えており、このままでいいとは全く思いませんが、長年それなりの知恵を絞って現在のそこそこの所に落ち着かせてきているものを、外国(米国)からの要請で一気に制度を変えて崩壊させてしまうことはきわめて危険と考えます。変革は必要だけれども、TPPのように一気にではなく、徐々に行うべきと私は考えます。


日本が交渉のテーブルにつくことを野田首相は表明しましたが、今からやっぱりやーめた、と言えるのでしょうか。

早速、日本と米国の認識が異なることが明らかになってしまいました。

http://mainichi.jp/select/seiji/news/20111116k0000m010119000c.html

(引用開始)
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を巡り、日米首脳会談での野田佳彦首相の発言について日米両政府の発表が食い違い、双方が「間違っていない」と主張している。国内の慎重派への配慮から「例外品目」が設けられる可能性を強調せざるを得ない苦しい立場の日本と、関税撤廃の原則を重視する米国の姿勢の差がある。
(引用終わり)

拙速にTPPに参加することには、個人的にはやはり反対と言わざるを得ません。