海外出張の際には、機内で結構新しい映画が観られるのがひとつの楽しみです。
今回は東京-シンガポール(乗継ぎ)-中東某国のフライトで、「毎日かあさん」「ジーン・ワルツ」「白夜行」「K-20 怪人20面相・伝」の4本を観ました。(観すぎ?3時間くらいしか寝なかった。)
洋画でかつ最低でも日本語字幕で、これというのが見当たらなかったので、邦画ばかりになりました。
(英語だけで映画を楽しめるほどの語学力はありません;涙)
ここでは『毎日かあさん』について書きます。
息子(6歳)がテレビアニメの『毎日かあさん』を好きで、楽しみに観ていることを最近知りました。
マンガも買ってました。
作者の西原理恵子については、『サイバラ式』という本の存在を、なぜか読んだこともないのに覚えていたくらいで、名前だけは知ってるけど読んだことのない作者でした。
で、今回の映画は漫画・アニメの『毎日かあさん』とは別物で、小泉今日子が西原理恵子本人を演じ、何やら泣ける映画だということくらいの情報くらいは知っていました。
結果・・・泣きましたとも。飛行機の中で。涙腺弱いです。
離婚してしまう旦那さん(鴨志田穣)役で競演しているのが、永瀬正敏・・・って、実際にキョンキョンと離婚した元旦那じゃない!
「離婚する夫婦」役を演じる離婚した夫婦って、どんな気分なんだろう。役者ってたいへんな商売ですねー。
以下、ネタバレ注意!!です。
元戦場カメラマンで、現在はアル中で仕事もしていない旦那。
何度も何度も断酒宣言・リハビリセンター入院をしても、約束を破ってしまい、そのたびに暴れては理恵子にとんでもない迷惑をかける。ついに離婚するが、それでも理恵子は見放さない。
いやー、事実に基いているはずで、こりゃあ他人事ながら西原理恵子さんはよく耐えたなーと。
みんなのシネマレビュー(http://www.jtnews.jp/cgi-bin/review.cgi?TITLE_NO=18923 )、ある人が、
(引用開始)
それにしたって、鴨志田を完全にバカにしているというかコケにしているというか、あの冷たい視線を観ていると「アル中のダンナを持った妻の大変さ」よりも孤独に苦悩と戦う鴨志田さんに同情。
(引用終わり)
って書いているけど、とてもそうは思えない。
確かに口は悪いし、手も出してるけど、それでも私は優しいなぁと感じました。
もちろん、戦場でのトラウマが原因でアルコール依存症になった経緯には同情するにしても、一人で夜中に大声を出して暴れて家財を壊すなど、1回でもやっちゃったら、もう怖がって離婚、という結末でも不思議ではない。
西原さん、強いし優しいです。愛してたんでしょうね。
旦那は、酔っていないときは子どもたち(小1息子と幼稚園娘)に優しく、子どもたちはそんな父親が大好きってところが、奥さんにとってはまた複雑な気持ちでしょう。
ついには離婚するのですが、その後も何かと関係は続く。
で、旦那にガンが見つかり、余命半年と宣言される。
その後の面倒を最期までしっかり見ます。
この展開、あざとい・・・って言いたいくらいだけど実話なんですよね。
で、もうその先は涙、涙。
「人間として死ねるのはお前のおかげだ。感謝してる。」とか、ね。
死ぬまで家族の写真を撮りまくるんだけど、玄関に脱ぎ散らかされた靴の写真を撮るなんて、その気持ち痛いほどわかる・・・。
で、映画の最後には、旦那の撮った写真(実際には永瀬正敏が撮ったものだと)が映し出されるけど、その靴の写真がとてもよくて、好きでした。
調べたら、西原理恵子氏と永瀬正敏との対談がありました。
とても興味深いです。
http://xbrand.yahoo.co.jp/category/entertainment/6356/1.html
(引用開始)
よく、仕事場にいたり、リビングにいたりするときの、ひとりでいるときのあの空気……よく出たもんだなあって。そっくりさん、っていうんじゃないんですよ。その空気が一緒だったから、そっくりに見えたんですね。もう(一緒に観ていた)娘がびっくりしちゃって。最初から泣きっぱなしだった。
(引用終わり)
映画『毎日かあさん』は一部の劇場ではまだ上映中です。
お薦めします。ぜひ。