福島第一原発の作業者で、被曝量が200ミリシーベルトを超えた作業員が2名いたと報道されています。
東京電力は、福島第一原発で事故の対応に当たる作業員のうち、先月末の時点で、体の外からの被ばく量が100ミリシーベルトを超えた人を対象に体内に取り 込まれた放射性物質による「内部被ばく」の量を調査しました。その結果、外部被ばくと内部被ばくの合計が200ミリシーベルトを超えた人が2人いたことが 分かり、最も多い人の被ばく量は240.8ミリシーベルトに達したということです。
今回の事故では、原発で働く作業員の緊急時の被ばく限度量が100ミリ シーベルトから250ミリシーベルトに引き上げられていて、この限度量に迫る被ばくをしていたことになります。
2人は、いずれも先月24日に3号機のター ビン建屋の地下で高濃度の放射性物質に汚染された水に足がつかり被ばくした人で、内部被ばくの調査に1か月ほどかかったということです。
東京電力は、外部 被ばくの量が150ミリシーベルトを超えた時点で、福島第一原発での作業から外れてもらうことにしていて、現時点での対象者はこの2人を含めて8人に上る ということです。
東京電力は、「被ばく量の限度を絶対に超えないよう、きめ細やかな管理に努めたい」と話しています。
「きめ細やかな管理に努めたい」とはよく言えたものです。
4/1のブログでも書いたように、東京電力は作業者の被曝量を測定する線量計が不足している状態を20日以上も放置しながら作業員に作業をさせていました。
http://ameblo.jp/tomamx/entry-10847910433.html
このときも、「反省している」と言っているだけ。
作業者の安全や健康など意に介さない人たちであることは、もう明らかです。
今回私がわかったことは、内部被ばく量を測定する「ホールボディカウンタ」という機械があること。
もともとは、パブロン中毒さんのブログで知りました。
http://ameblo.jp/nothingrealymatters/
で、ググってみたら、朝日新聞のサイトで4/11に報道されていました。
体の表面についた放射性物質はシャワーで洗い流せるが、呼吸で体に入った放射性物質の一部は体内に蓄積される。東京電力などによると、体内の被曝量を測 る機械「ホールボディカウンタ」は、第一原発内に4台設置されているが、被災後は使えない状態。機械を積んだ車両を他の原子力関係機関から借り、いわき市 内で検査している。
だが、復旧のため短期に作業員を大量動員した非常事態の中で、初めて原発内に入る作業員の入所時の検査は行われていない。成人男性の平均的な被曝量を見積もって、その後の被曝量の上積みを測るやり方にしているという。
で、ようやく今回、外部被ばく量が大きかった人についてだけいわき市まで連れて行って測定した、ということのようです。
さらに調べてみると、どうもこの「ホールボディカウンタ」では、ガンマ線を測定しているだけで、よりベータ線については測定されていないようです。
http://www.bousai.ne.jp/vis/bousai_kensyu/glossary/se17.html
●全身カウンタ(ホールボディカウンタ)
全身カウンタは、人の体内に沈着した放射性物質から放出されるガンマ線を人体の外側から検出する計測装置で、ホールボディカウンタとも呼ばれる。測定の対象となる放射性核種はガンマ線放出核種であり、代表的なものに、マンガン -54、コバルト-60、セシウム-137などがある。体内に存在する微量の放射能の定量分析あるいは人体内の放射能分布の測定に利用されている。
また、ヨウ素131のような半減期の短い核種については、(もし測定しているとしても)体内に取り込んでから日数も経っているので、その線量は減っているはずです。
したがって、ホールボディカウンタで測定した内部被ばく量は、本当の被曝量よりも大分小さく観測されているはずです。
時事通信には、今回判明した人について、より細かい数値が出ていました。
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011043000162&j4
上述のことから考えると、この方の被曝量は250ミリシーベルトは超えているはずです。
最初のNHKの記事では、
内部被ばくの調査に1か月ほどかかったということです。
とされていますが、この人は(報道の通りなら)無事退院していて、もう作業には関わっていないはずですので、いつでもいわき市に連れて行って測定できたはずです。
内部被ばくの測定をわざと遅らせた疑惑(さらには、測定値が合計250ミリシーベルト以下に下がってから発表した可能性??)がありますね。
とにかく、東電および安全保安院をはじめ原子力関係者の作業者の安全軽視には、怒りを覚えます。