http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110421-OYT1T00462.htm
東京電力は21日、福島第一原子力発電所2号機の取水口付近から海に流出した高濃度汚染水の総量に関する推計を発表した。
推計によると、今月1日から、固化剤の注入などによって流出が止まった6日までに約520トンが海に流れ込んだ。汚染水に含まれていた放射性物質の総量は、ヨウ素やセシウムなどの合計で約4700テラ・ベクレル(テラは1兆)に上った。
4、5日に集中廃棄物処理施設などから海に緊急放出された低濃度汚染水約1万トンの放射性物質の総量は0・15テラ・ベクレル。今回の量は約3万1000倍になる。
東電は、1日以前に付近を見回った作業員が水音を聞いていないことから、流出が始まったのは1日の昼頃と判断した。放出された放射性物質の内訳は、ヨウ素131が2800テラ・ベクレル、セシウム134と137がそれぞれ940テラ・ベクレル。
安井至 東大名誉教授のサイト『市民のための環境学ガイド』で、実際にヨウ素やセシウムが何グラムあるのか計算されています。
http://www.yasuienv.net/TeraBq.htm
計算方法はサイトを見ていただくとして、結論だけ書くと、
放出された高濃度汚染水450トンに含まれていた量は、
ヨウ素131は、0.61g。
セシウム137は、293g。
セシウム134は、19.7g
となるようです。
固体ヨウ素の密度は 4.9g/cm3。(かさ密度で考えなければならないけど。)
小さじ一杯が5cm3ですので、0.61gは、とにかくそれよりずーっと少量。
これで2800兆ベクレルあるらしいです。
450トンの水というと、25mプール(25m × 9m × 2mと仮定)とほぼ同じ。
濃度を計算すると、0.0014ppm = 1.4 ppt 。
1pptといえば、もう「超純水」と呼んでいい水に含まれる不純物の量と同じレベル。
「2800テラ(兆)ベクレルのヨウ素が含まれる水450トン」とか言うと、ヨウ素がたくさん溶けた真っ黒な水をイメージするかもしれませんが、こんなに低い濃度でこんなに問題が起きるのですね。
科学的に数字でとらえることの大切さを改めて実感しました。