http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/210421020.html
政府は、放射線量の測定結果から、屋外活動の制限を受けた福島県内の13の小中学校や幼稚園の保護者に対する説明会を開いています。
参加した保護者:「とにかく放射能についての知識を知って、後は自分の判断でしかないのかなと」
文部科学省は、放射線量の測定調査で1時間あたり3.8マイクロシーベルトを超えた福島県内の小中学校や幼稚園、合わせて13の施設について、屋外での活 動を制限するよう求めています。保護者ら約350人が出席した説明会では、文部科学省の担当者などが制限を設けた経緯をはじめ、手洗いやうがいの徹底や、 帰宅後に靴の泥を可能な限り落とすなど具体的な対応策を話しました。この説明会は22日も開かれます。
計算の大前提は年間20ミリシーベルトを許容値とすることです。
その根拠は、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告とのこと。
放射線医学総合研究所のサイトに詳しく載っていました。
http://www.nirs.go.jp/information/info.php?i14
非常時の放射線の管理基準は、平常時とは異なる基準を用いることとしています。また非常時も、緊急事態期と事故収束後の復旧期を分けて、以下のような目安で防護対策を取ることとしています。
- 平常時:年間1ミリシーベルト以下に抑える
- 緊急事態期:事故による被ばく量が20~100ミリシーベルトを超えないようにする
- 事故収束後の復旧期:年間1~20ミリシーベルトを超えないようにする
現在の福島第一原子力発電所の状況は、2)の緊急事態期に当たります。
うーん・・・。
ICRPも放射線医学総合研究所も、原発推進派の組織です。
緊急事態期には基準を緩める、というのは、非常時には少々の人が病気になるのは許容すべきという考えでしょうか。
ただ、前にも書きましたが、福島県の人たちができるだけ避難させられたくないことも理解できます。
その意味で、大部分の人の健康に問題がないであろう20mSv/年まで許容されることは住民の方々の利益から考えても、必要悪かもしれません。
しかし、20mSv/年では、ある確率で病気になってしまう人が出てもおかしくないこと、特に子どもの甲状腺ガンには十二分に注意してほしいと思います。
外で遊んで、土ホコリを吸い込むことで内部被曝するのが怖いです。
3.8μSv/h以下なので屋外での活動に制限がないとされた学校や幼稚園が、こんなに緩められた基準であることをよく理解せずに、お墨付きをもらったとして外で存分に遊ばせてしまうのが怖いですね。
調べたら、「六号通り診療所所長」というお医者さんが、専門家の立場から、「小学校就学前のお子さんは、
0.1μSv/h を超える外気の状態では、外では遊ばない方が良い」と書かれています。
http://rokushin.blog.so-net.ne.jp/2011-04-21
ただ、現状のこの計算は、
非常に甘い上に多くの被爆の可能性を、
無視した仮定の上に成り立っています。
大人の被爆は大した問題にはなりませんが、
幼稚園児の被爆量を、
このように簡単に計算して良いものでしょうか?
現実に自然放射線以外に、
原発から放出されて、
実際に浮遊している放射線物質が測定されている限り、
特に小学校入学以前のお子さんの被爆量は、
極力上乗せはしないに越したことはありません。
僕は小学校就学前のお子さんでは、
出来れば0.1μSv/h を超える外気の状態では、
非常に残念ですが、
あまり外では遊ばない方が良いと思います。
事態は収束しつつあると信じたいと思いますし、
そうであるならこの状態は一時的なものの筈です。
浮遊する放射性物質の主体が放射性ヨードであれば、
半減期は短く、
徐々に空間線量率は下がる筈ですから、
それまでの一時的な期間を、
屋内で待てば良いのです。
(3.8μSv/hの計算の根拠がわかりにくかったのですが、それもこちらに書かれていました。)
私は、0.1μSv/hはちょっと極端すぎるのではないかと思いますが、(それだと、通常から放射線量が高い山口県ではこの問題がなくても外で遊ばせられない!)、3.8μSv/hよりもずっと低い放射線量の場合でも(ざっと1μSv/h以上?=根拠薄弱ですが)、乳幼児はあまり外で遊ばせない方がいい、特に土ホコリを吸うことに気をつけられた方がいいと思います。