福島第一原発 格納容器内の酸素の要因 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

福島第一原発では、4/7の午前1時半過ぎから、1号機の格納容器での水素と酸素による爆発する危険を避けるため、窒素を注入しています。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110407/k10015163531000.html


昨日、放射線による水の分解で水素と酸素ができるというのは初めて聞いた、それなら、通常運転時でこそもっと発生するはずじゃないか、と書きました。
放射線による水の分解については、今日、ネット上でも質問が飛び交っていました。

で、結論が出ました。
通常運転時でも発生しているようです。

電気事業連合会の平成22年1月19日付けの「運転状態を踏まえたBWRにおける可燃性ガスへの対応」という資料を発見しました。
http://www.nsc.go.jp/senmon/shidai/kakunou/5/siryo2.pdf

軽水炉(BWR)において考慮すべき可燃性ガスの発生形態は、
– 水ージルコニウム反応による水素
– 水の放射線分解による水素、酸素
の二通り
• 水ージルコニウム反応は、事故時に燃料被覆管が過熱することによりZrの酸化が進むことで発生
• 一方、水の放射線分解による水素・酸素は、事故時のみならず、通常運転中にも大量に発生
• BWRでは、これらのガスを処理する系統(気体廃棄物処理系(常用系))も備えている。

と明確に書いてありました。
原子炉内で生成した水素と酸素を触媒によって再度水にする「排ガス再結合器」という装置が稼動しているようです。

この再結合器は動いていないでしょうから、水の分解が起き続けているとしたら、水素と酸素が蓄積している可能性があります。

しかし、同じ文書に

水の放射線分解による水素・酸素
– よう素の再結合阻害効果が無ければ、沸騰の有無が水素の発生量に大きな影響
• 事故後数日で炉心部はサブクール状態に
⇒水の放射線分解による可燃性ガス発生は、実質的に停止

とも書いてありました。
もう事故から4週間にもなろうとしている状態で、まだ放射線による水の分解が起きているのかは、疑問です。


それよりも酸素が入る可能性は、他にあることに気づきました。

原子炉(圧力容器内)に当初は海水、現在は真水を注入しています。

この水は圧力容器内で沸騰しており、その水蒸気の行き先がはっきりしませんが、私は格納容器に行ってそこで凝縮しているのではないかと見ています。

注入している海水や真水には、わずかですが空気が溶けています。

一般に、工場の蒸気発生ボイラーでは、ボイラーに送って沸騰させる水(ボイラーフィードウォーター)は、まず「脱気器」と呼ばれる装置を通して、溶存している空気を除いてから送ります。

今回、原子炉に送っている水はまさか脱気器など通していませんから、空気が溶けたままです。
これを沸騰させると溶存していた空気(窒素と酸素)も一緒に気体になります。

この(水蒸気+空気)が格納容器に送られ、水蒸気が凝縮すると、空気の水への溶解度は温度が高いほど小さいので、空気は再度水中に全部溶けきることができず、その多くが非凝縮ガスとして残ります。

これを長期間行っていると、格納容器内に空気が蓄積してくることになります。

酸素の供給源としては、こんなに日数が経ってから放射線による水の分解が起きていると考えるよりも、このルートで入ってきていると考える方が十分に起こり得ることだと考えます。

こんな初歩的なことに気づかなかったと非難されたくないので、放射線による水の分解という原子力関係者以外は気づかない原因を考えて煙に巻こうとした・・・・というのは、かなりうがった見方ですかね。


しかし、とにかく水素が発生しなければこんな心配は要らなかったのですから、水位を上げなかったことが問題の根本であることに変わりはありません。
なぜいつまでも露出したままにしているのか、ずーーっと疑問です。


それから、窒素の注入方法ですが、・・・予想がはずれました。

7日午後5時までに、413立方メートルの窒素ガスを注入した結果、格納容器の圧力は、1.76気圧と、窒素を注入する直前と比べて0.2気圧、上昇して います。これについて東京電力は、窒素ガスの注入は、順調に進んでいるとして、引き続き圧力の推移を見守りながら窒素ガスを6000立方メートル入れる か、圧力が1気圧上がるまで注入を続けるとしています。

圧力を上げましたね。

この圧力が何で決まっているのか、よくわかりません。
うーん、水を抜きながら圧力を維持しているのだとしたら、水を排出する配管の弁を微開にしてるのかなぁ・・。

1号機の格納容器が密閉系だとすると、圧力容器の水蒸気はどこに行ってるのかがわからなくなります。
タービンの方?うーむ。わからない。


それから、2号機・3号機はどうなっているのか、気になります。

東京電力では、今後、2号機や3号機の格納容器への注入も検討するとしています。

とされていますが、先に書いたように、安全保安院の発表では圧力が負圧になっています。
ただ、これはとても信じられません。

おそらくほぼ大気圧になっているのだろうと考えますが、ということは発生している(らしい)水素も酸素もどこかからずっと漏れ続けているので、格納容器にたまっていることはないかもしれません。

どこかに漏れがある可能性が高く、2号機・3号機では窒素を入れて圧力を上げることはできないだろう、と考えます。

・・・しかし、やっぱりわからないことが多いです。

(わからない、わからないとばかり書いていて、すみません。)


・・・というようなことを書いていたら、大きな余震がありました。

何事もないことをお祈りしています。