福島第一原発で、2006年10月の衆院内閣委員会で、共産党の吉井英勝議員が、「(厳密には少し異なる想定ではあるものの)津波が起きた場合に、冷却系統が働かなくなり、崩壊熱の除去ができずに燃料棒の焼損につながる」と指摘していたことが話題になっています。
http://president.jp.reuters.com/article/2011/04/01/650DA4AE-56B6-11E0-8777-12CF3E99CD51.php?rpc=159
http://www.j-cast.com/2011/04/04092153.html
2006年3月1日の衆議院予算委員会分科会で、まさに今回同様の事故への懸念が指摘され、危機を回避するための措置を講じることが「約束」されていたのだ。
質問者は日本共産党の吉井英勝衆院議員、答弁者は二階俊博経産相(当時)と政府参考人の広瀬研吉保安院長(同)。以下はその議事録からの抜粋だ(敬称略)。
吉井「冷却系が喪失するというのが津波による(略)問題」「大規模地震によってバックアップ電源の送電系統が破壊される」「老朽化したものの実証試験を行ったということはどれぐらいありますか」
広瀬「実証試験は行われておりません」
吉井「東電福島第一の(略)6基では、基準水面から4メートル深さまで下がると冷却水を取水することができないという事態が起こりうるのでは?」「……それをどうしていくのか」
二階「今後、経済産業省を挙げて真剣に取り組んでまいりますことを、ここでお約束申し上げておきたいと思います」
吉井英勝議員のホームページに、さらに詳しく書かれています。
http://www.441-h.com/message.html#0320
東京電力や安全保安院、政府(2006年当時は自民党政権だが、その後の民主党政権でも問題は取り上げられていた)の「想定外」だったという答弁は全くのウソであったことが明白になりました。
吉井議員は京都大学の原子核工学科卒業。
こういう人は、テレビには全く出演しないですね。
原子力村の住人の御用学者が、「心配ない」と繰り返すばかり。
探したら、朝日ニュースターで3/31の「ニュースの深層」という番組に出演して、1時間にわたってこの問題を議論されていました。YouTubeにアップロードされていて、それをまとめたサイトがありました。
ニュースの深層
http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/436.html
吉井議員は「私は指摘してたのに、東電や政府はー!」などと声高に糾弾することもなく、冷静で落ち着いた話し方で、信頼できる人との感じを受けました。(私は共産党支持者ではありませんが。)
もっとテレビでこの人の意見を聞いてほしいと思います。
東電や政府・官僚に配慮して、できないのでしょうか。
さらにその内容を要約されたサイトもありましたので、リンクを貼らせてもらいます。
時間がない方はこちらを参照ください。 「パブロン中毒」さんの記事です。
http://ameblo.jp/nothingrealymatters/entry-10848060085.html
朝日ニュースターはCSのニュース専門テレビ局です。
朝日新聞グループ会社だが、テレビ朝日グループには属していない、と。
CS局なので、広告主としての東京電力に配慮しないで、このような番組を製作できたのでしょうか。
昨日は、ついに比較的濃度の低い汚染水を意図的に海に排出することまで始められました。
事態はいつまで経っても終息しないどころか、新たな問題が出てきます。
そして、政府は「ただちに健康に影響を及ぼすことはない」と繰り返すばかり。
東電・政府には、早くしっかり対応しろ!という他ありません。
(なお、二階俊博衆院議員の話はまた後ほど。)