福島第一原発 東京電力のあきれた答弁 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

以前からわからないと言っていた、原子炉に注入した水がどこに行っているのか、東京電力の課長が答弁している情報がありました。朝日新聞関連の「法と経済のジャーナル」だそうです。

現場の雰囲気がよくわかる、いい記事です。

http://astand.asahi.com/magazine/judiciary/articles/2011032900002.html

黒田課長を相手に複数の記者が考え得る可能性を詰めていく。

 ――原子炉内に入れた水はどうなっているのか?


 圧力容器(の容積)は300立米くらいです。今、毎分280リットルくらいの水を入れていると、1日で300立米くらい以上になってしまいます。(その水がどうなっているか)まず一つは蒸発分があります。入れている部分の半分くらいは蒸発していると見込んでいます。なら、あと半分だと、2日で一杯になってしまうんじゃないかということになります。(蒸発しなかった水は)やはり格納容器側に少なからず行っていると思います。ですから、格納容器と一緒に水位を上げていくイメージです。格納容器(2、3、4号機の格納容器のてっぺんまでの容量)は3700立米くらいあります。ですので、半分と見込んでも、1900立米くらいあるわけです。


まず、反応容器から格納容器に行っていると課長は推定されています。(副社長はあとで否定します。)
しかしもっと問題は、やっぱり残念ながら、物質収支がわかってなさそうなことです。

「蒸発した水」はどこかに消えてしまっていると理解されているのでしょうか?

蒸発した水は消えているわけではなく、どこかに流れているはずです。
物質が消えることはありません。(皮肉なことに、核反応が起きる場合を除いて。)
それがどこに行っているのか、現場の課長もわかっていないようです。

通常運転時、水蒸気は、圧力容器→タービン→熱交換器(復水器)→ポンプ→圧力容器と循環しています。
本来、これらは閉鎖系です。系の外には出ません。

しかし、今はポンプが動いていないので、この循環は成り立ちません。
それにも関わらず、水が注入し続けられています。

そこで、私はこのルートのどこかの配管か機器から水蒸気が漏れているのではないかと想像しています。
この水蒸気は原子炉内で沸騰したもので、放射性物質、特にその温度でガス(蒸気)になっているであろうヨウ素を含んでいるはずです。


私が情報を十分に得ていないだけで、現場ではちゃんと把握して対処しているのだろうと期待していましたが、この記事で、いまだに東電の課長が水蒸気がどこに行っているのか把握していないことが明らかになりました。

海水を蒸発させ続けたら塩が析出してくることを想定していなかった件と同じく、現場では現象を科学的に理解できていないように思えて仕方ありません。


この記事、その先の副社長の会見で、もっと生々しく東電の隠蔽体質、責任逃れ、問題を小さく見せようとする姑息さ、説明への責任感のなさ、対処能力の低さ、など、いろいろなことが明らかになります。

特に被災者の方々は、読まれないほうがいいかもしれません。
怒りが爆発してしまいます。


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ここで思いつきを、小さく書いておきます。

 大きな問題となりそうなのはその汚水の量の多さだ。立坑とトレンチを合わせた体積は1号機が3100立米、2号機が6000立米、3号機が4200立米。そこを通る配管の容積の分は差し引かなければならないが、たとえば、2号機の6000立米のかなりの部分の水はタービン建屋地下の「たまり水」と同程度に汚染されている可能性がある。

 一方で、タービン建屋地下の汚水の排水先として検討されている復水器は容量が限られている。その復水器の水の排出先である復水貯蔵タンクの残容量は、1号機が700立米(容量全体では2000立米)、2号機が900立米(同2359立米)、3号機が1500立米(同2500立米)、4号機が2000立米(2500立米)。これとは別に、定期検査中に原子炉の圧力抑制プールの水を貯めておく共用の大型タンクが2つあり、3400立米ずつ計6800立米の容量がある。これらを合わせても、すべての水を入れることは難しそうだ。



水の対処方法として、ドラム缶に入れるというアイデアがひとつあります。
ふつうの鉄製のものだと長期間置いておくと腐食して漏れ出すことが心配されるので、プラスチックバッグを内装したドラム缶か、樹脂(HDPE)製のドラム缶がいいかもしれません。
保管しているうちに、半減期が8日のヨウ素131などはかなり減っていくことでしょう。


あるいは、高吸水性樹脂を使うアイデアはどうででょうか。

紙おむつなどに使われる一般の高吸水性樹脂は、自分の重さの数百倍から数千倍の水を保持できますが、ナトリウムイオンなどがあると、うまく性能が発揮できないそうです。この水がもしかして海水だとダメです。

それでも、海水を吸収できる種類もありました。
http://www4.ocn.ne.jp/~edeahome/donou3.pdf
→ふたつ載っているうちの海水用はふたつめです。

25倍吸収できます。
こういうものを使えば、海への流入は防げそうです。

このたまり水の合計、13,300m3。およそ600tonの吸水式土のうが必要です。
1.3m高さに積んだとして、1,000m2、20m×50mというところ。
もちろん大量といえば大量ですが、非現実的な話でもなさそうに思います。