日本では巨大地震、津波被害、原発事故で精一杯ですが、地震の前に最大の話題のひとつであった中東情勢は、その後も動き続けています。
リビアでは、反体制派が劣勢になり、カダフィ政権側の部隊が反体制派最大の拠点ベンガジへの攻撃を視野に入れ始めたようです。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E4E2E1828DE3E4E2E1E0E2E3E39494EAE2E2E2;at=ALL
アフガニスタンやイラクでは民主化を大義名分に武力侵攻したアメリカは、最近国交を正常化したばかりのリビア・カダフィ大佐に対してどう対応するのか、注視が必要です。
またバーレーンでは16日、政府(スンニ派)が首都マナマ中心部の真珠広場で座り込みを続けるイスラム教シーア派住民による民主化要求のデモ隊を強制排除し、デモ隊の5人が死亡、100人が負傷したとのこと。これに先立ち、政府側は治安強化のためサウジアラビアなど外国から部隊を受け入れています。この部隊が参加したかどうかは不明。
15日にはデモ隊が首都のサウジ大使館に向けて行進するなど、シーア派住民の怒りはスンニ派の支配層だけでなく、それを支援するスンニ派の湾岸産油国にも向かい、宗派対立の様相も深まっている、とのことです。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E4E2E1998DE3E4E2E1E0E2E3E39494EAE2E2E2;at=ALL
バーレーンは、シーア派が住民の大多数(75%)であるのに、王家など支配層はスンニ派。
スンニ派が多数派のサウジアラビアやUAEがバーレーン政府側の要請で部隊を派遣したのに対し、住民も支配層もシーア派であるイランが、批判しています。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E4E2E0E08DE3E4E2E1E0E2E3E39494EAE2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000
もしもイランがシーア派民主化要求デモ側として軍事介入してくれば、イスラム教の宗派戦争になる恐れがあります。
ここでもまた、民主主義の実現を標榜しながらも、一方でサウジアラビアとの関係を維持したい二枚舌外交のアメリカ合衆国の動きが注目されます。