(よろしかったら、初級編、中級編も御覧ください。)
上級編だけあって、近畿圏以外の人がわざわざ行くことはほとんどないのじゃないかと思う、ちょっとマイナーな観光スポットです。悪しからず。
でも私はとても好きな場所です。
それは、当尾(とうの)の里。
行政的には京都府に属していますが、地理的には東大寺の北東、歩いても行けなくはない距離です。
すごく交通が不便なところですが、そのおかげもあって山里の風情がいい趣です。
ここで一番の見どころは浄瑠璃寺。
庭園は中心に池があり、西に本堂、東に三重塔を配置する平安時代の美しい様式。池に本堂が映る姿が、極楽浄土を表現しているそうです。
(写真は木津川市のホームページから。)

九体の金色の阿弥陀如来像(国宝)が並んでいる本堂は、美しく荘厳です。初めてここを訪れたときは息を飲むような感覚になったのを覚えています。

他に、吉祥天女立像(重要文化財)も人気のある仏像です。秘仏で、公開時期が限られていますので、残念ながら私は観たことがないです。
このあたりのもう一つの古刹は、岩船寺(がんせんじ)。
本堂の阿弥陀如来が重要文化財だそうですが、伽藍が広くで立派で自然にあふれていること以外は、あまり印象に残っていません(汗)。アジサイが有名だそうです。
さて、当尾の里の魅力はこの二つのお寺だけではありません。
浄瑠璃寺と岩船寺の周辺は、のどかな山里が広がっていますが、そこに点在する石仏群もまた有名です。

そして道端の無人販売所。(写真はAll Aboutより)

野菜や漬物など、なんでも無人で100円で売っています。
当尾の里の人たちは、みな性善説で他人を信用してるから、こんな販売所が成り立つんだなぁと思うと、温かい気持ちになれます。
自然と石仏群、それに人情たっぷりの山里に、驚くほど立派なお寺。それが当尾の魅力です。
行き方ですが、岩船寺の方が標高が高いので、まず岩船寺口までバスで行き、そこから浄瑠璃寺まで歩く方法が山道を下ることになるので楽です。
ただ、とにかくバスの本数が少ないので、計画はしっかりと。
足に自信のある方は、さらに円成寺まで歩き、そこから柳生街道(滝坂の道)を下って奈良市街に戻ってくるというコースもお薦めです。
私は若い頃にこのフルコースを経験していますが、現在はもうそんなに歩けないです…。