エジプト人タレント、フィフィさん。
バラエティ番組で何度か見たことがある。
面白い&騒がしいしゃべりと、インパクトの強い外見で(失礼!)、一度見たら忘れない。
そんなイメージしかなかったけど…。
今回のエジプト革命や他の中東諸国のデモについて、ブログにつづられていて話題になっています。
エジプトの民主化運動の背景、リビアとエジプトの違い、マスコミ報道について、バーレーンのデモは宗派対立かなど、当事者ならではの視点・情報を、時には熱く、ときには冷静に書かれています。
これ、ぜひぜひ、一度読むことをお勧めします。 (→ こちら
)
(もう、とっくに読んだ方もおられるかもしれません。
自分も、エジプト革命の真っ最中に同時進行で読みたかったなぁ。)
フィフィさんは両親ともエジプト人でカイロ出身。母親は日本で政治学博士号を取得、父親も日本で工学博士号を取得していて、2歳の頃に日本に移住したそうです。
本人も、物心ついたときからジャーナリストに憧れていたと書かれています。
テレビでのおバカなはしゃぎぶりからは想像できなかったのですが、こんな方だったんですね。
そして、現在の日本の若者へのメッセージも熱いです。
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私は今日もブログに自分の思いを綴りましたが、今までならタレントという立場からもハッキリと明言することをためらっていたと思います。はじめに投稿した『~新たな一頁へ』は今後の仕事の心配もしつつ言葉を選んで打っていました。
でも、今はもう迷わない!→どこかで聞いたことあるフレーズ。読んでくださってるみなさんがわたしに勇気をくれました。私は命と引きかえに、そのリスクを
かえりみず母国の為に、またアラブの為に、叫び続ける彼らの為にもあきらめないと決めました。彼らの起こす革命を世界中が注目しているんです。彼らのメッ
セージをわたしが日本で伝えていきたい。それがわたしのできること。今の時代、1人の人間が社会に影響を与える事だってできるんです。ほら、その証拠にこ
のブログを多くの人が読んでくれている。そして、みなさんは自国の為に何を想いますか?日本の未来の為に今なにが出来ますか?
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実は一日何十万の方々にアクセス頂いて多くの意見やメッセージ、コメントを頂ましが。一つたりとも批判を頂きませんでした。毎度読みながら感謝の気持ちで涙が流れるばかりです。これは一概に私へのメッセージではなくエジプトへの想いと受け取っています。
その中で私が一番驚いたこと。それは日本の若者たちが如何に政治に対して貪欲であるかでした。前の記事でも書きましたが、日本の若者も世界の動きを知りたいと思っているんですよ。なぜかって?今回のエジプトだって対岸の火事とは思っていないからですよ。
とりあえず、わたし今もっと日本が好きになりました。改めてボーダーレスになった時代を実感してストレートな想いを世界の
若者で共有しあっていく未来をみています。確かに語学力は大切です。しかしそれは手段であって熱い想いがあれば後からついてくるものだから。日本の若者は
まだまだ熱い!そして無限に可能性を秘めています。若者がダメになったなんて誰が言ったの?私は日本の未来に光を見た気がします。
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そう、若者も(そしておじさんも)まだまだ熱い・・・はずなんです。心の中では。
しかし、現実には、政治的行動には移さない。移せない。
私は、その原因は、全共闘世代の挫折と転向が、私くらいの年齢の「しらけ世代」を生み、それが今も続いていることにあると漠然と思っていたけど、週刊金曜日の最新号(2/25号)で、雨宮処凛氏がなるほどと納得できる説明をしている。
日本の若者が政治運動をしなくなったのは、連合赤軍事件の後遺症だと。
「同志殺し」という陰惨な事件は世間の人々が「政治運動」にドン引きするには十分すぎるほどのインパクトを与え、・・・
若者が政治的なことを考えるとロクなことにならない、という「大人」たちの無言の拒絶。・・・
そんな連赤事件後の「運動アレルギー」の空気は今もこの国を覆い、若者と政治を鮮やかに分断しているように思う。
そして、一方で、若者への冷静な温かい視線。
社会や政治から切り離された若者たちは「怒れ」と言われてもその矛先を自分に向けるしかない。結果、自らに向けられた怒りは自傷行為や家庭内暴力、ひきこもりといった形で現れるだろう。・・・
「若者と政治が分断される」ような空気にどうやったら抗えるのか、ずっと考えている。
この人、思春期にいじめ、不登校、家出、自殺未遂を経験、リストカットを繰り返し、右翼活動に入り、ロックバンドで「ミニスカ右翼」、作家活動を開始して、ロリータファッションでも注目、転向して現在は革新系・左翼系論者、活動家という何とも忙しい経験をされてきた36歳。
この経歴に加えて、ファッションや化粧も見ると、かなり怪しい人にしか見えないけど、自分の頭で考えて行動できる、この辺の世代では稀有な人と思っています。