目黒寄生虫館 | ナンでもカンでも好奇心!(tomamのブログ)

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硬軟取り混ぜた種々雑多なネタについて書いてみようかと思います。
全くまとまりがないと思うけど、それが自分らしさということで。。。

15年ほど前か(また昔話:笑)「笑うカイチュウ」という本を読んだ。
(現在は文庫化)

笑うカイチュウ (講談社文庫)/藤田 紘一郎

¥520
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寄生虫学が専門の藤田紘一郎東京医科歯科大教授(当時)が、自ら経験したさまざまな出来事をつづった、面白くてちょっと怖いエッセイ。第11回講談社出版文化賞 科学出版賞受賞。

もともと人につく寄生虫は、宿主である人の健康を阻害すると自分も生き延びれないので、あまりひどい悪さはしないで、共存共栄できるように進化している。本来人ではなく他の動物や魚につく寄生虫が人の体に入ると、居心地が悪いので、ひどい痛みや病気をもたらす、と。なるほどー。

インドネシア在住の美人奥さんが、自分の肛門から顔を出した30cmのカイチュウを無意識に引っ張り出し、その姿を見てそのままトイレで気絶した話は秀逸。

日本人の過度の清潔志向が、雑菌や寄生虫と共存して成立していた免疫システムを崩して、アトピー性皮膚炎や花粉症の患者を増やしている、との説を主張している。

またこの本で、サナダムシが安全で有効なやせ薬になると記述されていて、どうもその後、テレビで実際に自らサナダムシを体に飼って、名前までつけていたと公言しているらしい。

(なお、この藤田先生、最近は血液型や水についてのトンデモ本を出しているようです。小生は未読ですが。)


この本によって、目黒寄生虫館というすごく面白げな博物館があることを知っていた。

http://kiseichu.org/default.aspx

一昨年からの単身赴任で住んでいる恵比寿から、歩いてでも行ける距離。
なかなか行くきっかけがなかったが、先日ようやく行ってきた。

入館料は無料。目黒駅から徒歩15分。
1時間もあれば見て回れるほどの小さな博物館だけど、寄生虫を専門に扱った世界で唯一の研究博物館とのこと。

いろいろな寄生虫の展示がある中でも、最大の目玉は8.8mあるサナダムシの標本。一見の価値あり。これが人の体の中に住んでたと思うと・・・ゾゾ~~。同じ長さのヒモが置いてあって、それを想像できるアイデアはなかなか面白い。

$tomamのブログ-サナダムシ


それから、寄生虫がひき起こした病気のパネルがある。

中でもフィラリアという寄生虫による象皮病で巨大化した陰のう(いわゆる玉袋)が、股間からくるぶしまで垂れ下がった男性の写真はインパクト十分。昭和45年、日本で撮影とのこと。Googleで画像が見つかったけど、あまりにグロいのでここには載せません:笑

葛飾北斎がこの病気の人を描いた浮世絵も展示されてた。陰のうが重すぎてそのままでは歩けないので、布にくるんで棒につるし、前の人と協力して担いでいる。
西郷隆盛もこの病気にかかっていて、陰のうが人の頭ほどあったため馬に乗らなかったとか。


怖いもの見たさか、入館者には意外に若いカップルやグループが多いけど、こんな展示を一緒に見るのに耐えられる関係かどうかがポイントなので、あらかじめご注意を(笑)。


自分は、たまたま博物館の先生(名前失念!)による説明会が開かれてた日に行った。
藤田先生の「サナダムシダイエット」は、リスクがあるから絶対やるべきでないとおっしゃってたので、あわせてお知らせしておきます。