成功事例が成功していないIT業界の不思議 | エーフラット・ジャパンの作らない開発G#

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自動生成開発ツールGeneXusを使った「作らない開発」に関するブログ

プロジェクトNの途中で私はプロジェクトIの開発にどっぷり入ることになり、プロジェクトNの

話は思い出したように単発の質問を受ける、くらいの関わりしか持たなくなったのですが、

1サブシステムは完全に作り直し、リスケにリスケを重ねた結果大幅なコストオーバーランに

なりながらも現場の踏ん張りによって何とかサービスインにこぎつけたとのことでした。

 

ビジネス的には完全に失敗、元々アンチが多かったGeneXusのツールとしての評価も低下、

表面上は関係ないとされながらもやめる人が続出、という惨憺たる有様となったわけ

ですけど、カンファレンスでは何と「GeneXusを使った今までにない大型案件をサービスイン」

ということが成功と評価され、表彰されることになったのです。

 

これには社内外のあちこちで、散々苦労してきたことも少し報われたなー、みたいな最近

流行りのスポ根正当化路線で盛り上がっていましたが、だがちょっと待ってほしい。

こういうのはIT業界あるあるなわけですが、なぜ実質的失敗案件が成功事例として

表彰されるのか?

 

あるあるなことは当時もわかっており、以前別の会社にいた時も同じようなケースが

あったし、GeneXusに力を入れ始めたころには某スクリプト開発言語初の大型案件という

ことでビジネス的には大失敗しながらも表彰されたプロジェクトを横目で見ていたので、

絶対そういう風にはするまいと反面教師としていたのにこれかよ、という感じでした。

 

おかげで、プロジェクトNの横で相前後してサービスインしたプロジェクトIは、ノートラブルな

上に99.5%をWorkWithのみで開発、オブジェクト数で数えたら規模もNの2/3はあって十分

大型案件だったわけですが、人数も少なく見かけの規模は相当小さく、誰も何も言って

もらえないわけです。

 

まあ誰も何も言ってもらえないことにはそんなに気にしていなかったのですが、一旦

そういう表彰を受けるとスピーカーはあちこちにプレゼンに呼ばれるので成功事例として

有名になり、失敗した方法が成功法として伝播していくのは勘弁してほしかった。

何せ今でもそれが続いているのですから…