AIを信じすぎた日のこと


雑草というのは本当に図々しくて、先週引っこ抜いたはずの場所に、もうしれっと生えている。生命力が羨ましい。私にその半分でもあれば、もっと早起きできるのに。

問題の蔦との出会い

草を刈りながら庭を見渡していると、電柱に何かが絡まっているのを発見した。

蔦だ。

青々として、なかなか立派に育っている。

「よくここまで大きくなったね」

と感心しつつも、電柱に絡みつくのはよくないと判断。
鋏を手に、「成敗してくれる」の気持ちで向かった。

バチン。


……あれ、緑の線が一緒に切れた。

凍りつく庭師

静寂。

風の音。遠くで鳥が鳴いている。

私は切れた線の断面を、しばらくただ見ていた。

「見なかったことにしよう」という選択肢が頭をよぎったが、そんな大人にはなりたくない。

慌ててスマホを取り出し、AIに聞いた。

「電柱の近くの緑の線を切ってしまいました。どうすればいいですか」

するとAIは即座に答えた。

「それは危険です。すぐに電力会社に連絡してください」

そして電話番号まで教えてくれた。

なんて頼りになるやつだ。AIよ、ありがとう。私はすぐさまその番号に電話した。

電話の相手は

「お電話ありがとうございます、〇〇カードでございます——」

クレジットカード会社だった。

電力会社と聞いていたのに。切れた電線よりも、私の心の何かが切れた気がした。オペレーターさんは何も悪くない。むしろ丁寧な対応で大変申し訳なかった。

「間違えました、失礼します」

この一言を言うために電話したことになってしまった。

本当の電力会社に繋がるまで

気を取り直して、今度は自分でちゃんと調べた。電力会社の名前を検索して、公式サイトを開いて、そこに書いてある番号に電話した。

こういう手順は最初からやるべきだった。

電力会社の方はとても親切で、状況を説明するとすぐに確認に来てくれることになった。やれやれ、一件落着。

本日の教訓

AIは便利だ。本当に便利だ。でも、「電話番号を調べる」くらいは自分でやろうと思った。

AIが教えてくれる情報は、必ずしも最新・正確とは限らない。特に電話番号のような具体的な数字は、自分で公式サイトを確認するのが鉄則だ。
信じすぎず、でも頼りすぎず。

AIとは、そういう距離感でつきあっていくのがちょうどいいのかもしれない。

……それにしても、クレジットカード会社のオペレーターさん、本当にすみませんでした。