前回の広島東洋カープ編に続き、今回は読売ジャイアンツ編です。

巨人は支配下で3選手と契約。なかなか面白い補強をしています。

 

 

#20 アンヘル・サンチェス(RHP)

特徴

昨季KBOで17勝5敗の成績を挙げた右腕。BB/9が2.29と低く、制球力の良さが目立ちます。また、MLB初昇格を果たした2017年には、リリーフでの球速ではあるものの、平均155km/hを記録しています。

球種は、カッター、カーブ、チェンジアップとあり、映像を見る限り、どれも十分な質を備えているように見えました。

 

長所

150km/h台の速球、鋭いカッター、高速カーブ、チェンジアップ…どれを取っても十分に通用しそうな持ち球であり、BB/9が表すように制球力もあるようです。もしくは、ゾーン内で勝負できるということでもありますが、いずれにせよ、余計なランナーを出しにくいということは重要です。

 

短所

数字を眺めていてもなかなか短所らしい短所を見つけることができませんでした。

あるとすれば、KBO出身であることでしょうか。韓国人選手以外で、ダニエル・リオス、クリス・セドンなど、KBOで大活躍を収めてNPB球団へ移籍した例はいくつかありますが、成功例が未だにありません。

 

まとめ、活躍予想

スタッツや映像を見る限り、失敗するところがなかなか想像できませんが…

敵ながら、この投手の活躍には是非とも期待したいところです。

★★★☆☆ 裏ローテクラス

 

#49 チアゴ・ビエイラ

特徴

平均球速157km/hにも及ぶ剛速球が持ち味の右腕。フォーシームが66%140km/h程度のスライダーが25%の割合を占め、ほぼその2球種で投球を構成しています。残りの10%は、チェンジアップやツーシームで、これらの出来が今後を左右しそうです。

3シーズンでMLBに昇格しましたが、あまり目立った活躍は出来ませんでした。

フォーシームはシュート回転し右バッターへ食い込む軌道のため、空振りを取りやすそうではありませんが、NPBトップクラスのスピード能力で補いたいところです。

 

長所

やはりなんと言っても剛速球。NPBではなかなかお目にかかれないスピードは魅力です。また、スライダーの被打率はMLB通算で.150、フォーシーム以上の武器になるかもしれません。

 

短所

このタイプの投手にありがちな問題として制球難が挙げられますが、残念ながら例外ではありません。MLB通算のBB/9は4.92に達しており、また、AAA以上のクラスでは投球回を上回る安打を許しています。

武器であるフォーシームの空振り率は24%と、速球派リリーフ投手としては低く、また、被打率も.300を大きく超えており、狙われていることが窺えます。

 

まとめと活躍予想

やはり課題は制球力。もう一球種増やせれば、活躍の可能性は更に上がります。

かつてはプロスペクトとして将来を嘱望された投手です。日本で花を咲かせることは出来るでしょうか。

★★☆☆☆ 一軍半クラス。素質に期待

 

 

#88 ヘラルド・パーラ(OF/1B)

特徴

昨年世界一に輝いたナショナルズで外野と一塁の控えとして活躍。ナショナルズの快進撃の象徴である「シャークダンス」はパーラの登場曲に由来し、ムードメーカーの役割も果たしていました。

かつては年俸10億円を稼ぎ、ゴールドグラブ賞に輝いたほどの守備の名手で、今も堅守と強肩は健在です。

通算88本塁打の強打者たる評判が目立っていますが、低いライナーで二塁打三塁打を量産する中距離ヒッターという見方が正しいと考えています。

 

長所

勝負強さとは何か、と聞かれると非常に難しいのですが、この選手は“毎年”ランナーがいればいるほど成績が向上する特徴があります。

バッティングのアプローチを変えている可能性が高く、ただでさえ三振の少ない打者であるため、相手にとっては非常に厄介な存在と言えそうです。

また、脚力は平均的ですが、Youtubeで「補殺集」が作られるほどの強肩は、正確性と敏捷性を兼ね備え、アレックス・オチョアのように、集客力をも持つツールとなるかもしれません。

 

短所

ランナー無しでは151打数で打率.190 40三振 19四球と非常に寂しい数字でした。逆に、ランナーがいれば、114打数で打率.298 19三振 12四球となるため表裏一体ではありますが、ランナーがいなくても丁寧なアプローチを期待したいところです。

また、ゴロが多いのも気になります。今季は5〜6番あたりの起用が考えられ、併殺が多くなるリスクも避けられません。

 

まとめと活躍予想

昨季5〜6番を打っていたゲレーロ、ビヤヌエバと比較すると、長打力では劣るものの、ランナーを還す能力では遥かにこちらに強みがあります。

また、坂本、丸、岡本と、出塁率の高いバッターが並んでおり、フィットする可能性が高いのも見逃せません。

★★★★☆ レギュラークラス 間違いのない活躍を期待