しれっと去年までの記事を全消去しましたが、心機一転、今年こそ更新が三日坊主にならぬよう努めていきます。


さて、2月1日に始まったプロ野球春季キャンプも佳境を迎え、連日、練習試合やオープン戦が行われています。

やはりこの時期の楽しみといえば各球団の新戦力。今回は新外国人選手の能力分析と活躍予想をしていきます。



シーズン終了後には、答え合わせもしていきたいと考えています。



まずは私が応援する広島東洋カープの分析(3選手)から。





#58 DJジョンソン(RHP)

特徴

昨季MLBで28試合に登板した髭が特徴的なリリーフ右腕。

フォーシーム63%、カーブ36%と、ほぼ2球種で投球を構成していました。しかし、春季キャンプでは、昨季1球しか投げていないチェンジアップの精度向上に取り組んでいるようです。

フォーシームは平均150km/h、NPBでは速球派の部類。真上に近いアームアングルもあってか、シュート成分が非常に小さいボールです。

また、カーブは平均133km/hと非常に高速です。昨年、高速カーブを武器に阪神で大活躍したピアース・ジョンソン(以下PJ)よりも速く、空振りを取れる武器となることが考えられます。こちらのDJジョンソンは、PJのカーブが横に大きく曲がるカーブであったのとは対照的に、縦に大きく割れるのが特徴です。



長所

昨季25イニングを投げ、被本塁打は僅か1本。しかも打者天国・クアーズフィールドを本拠地にしながらの成績で、長打を浴びない能力に非常に優れています。

また、24奪三振でK/9は8.64と、奪三振能力もあり、厳しい場面で頼りになりそうです。



短所

昨季25イニングで与四球は19を数え、4.0を超えると「ノーコン」と呼ばれるBB/9はなんと6.84。ただ、抜け球が多くどうにもならないという印象はありません。

しかし、制球難に苦しむ藤浪晋太郎の通算BB/9が4.01であり、6.84という数字の重大さは推して知るべしというところです。球種が少ないため、粘られると苦しかった可能性もあり、三つ目の球種が生きるようだと劇的に改善されるかもしれません。



まとめと活躍予想

活躍は第三の球種次第、といったところでしょうか。昨年のレグナルトも、球種が少なかったために、後半戦を戦い抜けませんでした(酷使のせいでもあるが)。

三振が奪えて長打の少ない投手なだけに、期待したいところです。

★★★☆☆ 一軍クラス



#70 タイラー・スコット(RHP)

特徴

NPB初の南アフリカ出身選手となった速球派サイドハンド。昨季は初のMLB昇格も、16.1回を投げ自責点26と、全く結果を残せませんでした。

日本では滅多にお目にかかれない、フォーシームをほとんど投げない投手で、ツーシーム49%、スライダー43%の2球種が投球の大部分を占めています。

それぞれ、152km/h、143km/hと高速で、アングルはサイドハンド。昨季まで在籍した、ジョニー・ヘルウェグに似た投球スタイルです。

そして、こちらもBB/9は6.18と制球難な様子で、昨季351球中、ゾーン内へ投球されたのは152球。ストライクを取るのに苦労していました。

そこさえクリアできれば、という投手と言えそうです。



長所

昨季のAAAの成績に目を移すと、マリナーズ傘下タコマからオリオールズ傘下ノーフォークに移籍後、13試合16イニングで与四球3、奪三振21と圧巻の投球を披露しています。投手有利とされるインターナショナルリーグでの成績ではありますが、この数字を残せるならば…と期待したいところです。



短所

制球難。全てはそこでしょう。

初の対外試合では好投したようで、克服に期待しています。



まとめ

外国人枠の都合で、常時一軍は厳しいと考えていますが、右のワンポイントなどで必ず戦力になれる素材ではないでしょうか。

★★☆☆☆ 第五、第六の外国人か。大化け期待





#10 ホセ・ピレラ(2B/OF)

特徴

2B/OFと書きましたが、3Bのレギュラーとしての起用が有力視されています。

強い打球の打てるバッティングと俊足が武器で、内外野守れるユーティリティ性もあり、起用の選択肢を増やせる点も見逃せません。

昨季は大不振に陥りましたが、2017年は83試合(312打数)で10本塁打を放ち、OPSは.837を記録。2018年は前年よりほぼ全ての成績を落とすものの、準レギュラーとして146試合に出場した実績があります。



長所

最近の外国人選手らしく、予備動作の小さな構えから鋭くスイングするタイプで、変化球を苦にしません。MLBで通算三振率が20%と、コンタクトヒッターのヘラルド・パーラ(巨人)よりやや多い程度。一方で、打球速度は平均を上回り、アダム•ジョーンズ(オリックス)をも上回るほど。低い打球が目立ちますが、長打も狙えます。

また、通算11盗塁と、積極的に走るタイプではなさそうですが、MLBでも上位の俊足を誇ります。

昨季のAAAパシフィックコーストリーグでの成績は55試合で.353 18本塁打、打者有利の環境とはいえ、破格の数字をマークしています。

直近でこのリーグから来日したアルシア(元日本ハム)を遥かに凌ぐ内容で、からっきしということはなさそうです。



短所

気になるのは、MLBでの出場が少なく、データの信頼度が低くなっているとはいえ、スプリントスピードが落ちているところ。そして、なにより未知数な三塁守備。

また、同じ三塁に投高打低のウエスタンリーグで別次元の打力を誇るアレハンドロ・メヒアが控えており、早期に適応できないとファーム落ちの可能性もゼロではありません。



まとめと活躍予想

キャンプ序盤の練習メニューを見る限り、鈴木誠也、會澤翼、松山竜平と同組で特打をこなし、相当に高い期待を受けていると思われます。

特にNPBで失敗するような要素も見当たらず、能力相応の活躍は間違いないと考えています。

★★★★☆ レギュラークラス。リーグの勢力図を塗り替えるまでとはいかなくとも、活躍は間違いない