こんばんは!!!


最近自分よりも若い子たちとよく話す機会がありまして、色々聞いていくと、どうも人間関係で困っているという子はあまりいないようでした。


ネットを見ていると、「そんなやつおるんか!!?」と、記事が創作なんじゃないかと思ってしまうようなとんでもない人間が紹介されたりしていますが、それはごく一部なのかなと思ったりしました。



確かに口コミやアンケートにわざわざ良い意見を投稿する人って少ないですよね。


でも、悪い意見は必死に書き込んで、自分の怒りを伝えたいというのが人間の性なんでしょうか。


そうだ、大多数の人間は優しいのだということを、再認識したような対話でごさんした。




ペローで有名な『長靴を履いた猫』ですね!







粉ひきの男がいました。

3人の息子と粉ひき場を一つ、ロバを一頭、オスの猫を一匹持ってました。


男が死ぬと、3人の子はそれぞれを相続しました。

長男は粉ひき場、次男はロバ、三男がオス猫。



三男は不満でした。


三男「俺だけ猫って!何の役にも立たないじゃないか!」


すると猫がしゃべります。


猫「まあまあそう言わないで、靴を一足こしらえてくださいな。人前に姿を見せてもいいようにしてくださいよ。そうすりゃ、あんた、そのうちなんとかなりますよ」


三男「人間にみたいに靴を履こうってのかい?」


猫「そのつもりですが」


三男は変だと思いましたが、たまたま靴屋が通りかかったので、とりあえず靴を作ってもらいました。



靴ができると、猫はその靴を履いて袋を一つ持ち出しました。その中に麦をいれ、紐を通しぎゅっと締められるようにして、それを背中へひっかけて、二本足で立って郊外へ出て行きました。




そのころ、この国を治めている王様がいて、「しゃこ」という鳥が大好物でした。ただ、この鳥がなかなか捕まらなかったのです。

人を怖がっているため、狩人もなかなか見つけられないほどです。




森へ行った猫は、麦の入った袋の口をあけて、自分は遠くに離れ、しゃこたちが入って来るのを待っていました。


しばらくするとしゃこたちが袋に入ってきたので、さっと口を締め、しゃこたちをしめ殺してしまいました。



そうして王の元へ持って行ったら、大変王様はお喜びになられ、金貨をたくさんもらって家へ帰りました。



猫「もっともっと金持ちにならないと!また明日も出かけますよ。とりあえず王にはあなたは伯爵であると言っときましたから」




こうしてしゃこを何度も捕まえて、その度に王様へプレゼントしに行くうちに、猫は王のお気に入りになりました。





ある時、御者が「王も姫もくたばっちまえ!せっかく飲みに行こうと思ったのに、遊山のともをして湖水まで乗っけていかにゃならんのだ」

と言っているのを猫は聞きました。



猫はこれを聞いたのち、三男のもとへいって、湖水へいくように言いました。


そうして、猫の言う通りに湖水へ行き裸になって飛び込むと、猫は彼の服を持ってどこかへ隠してしまいました。

そして、そこへおりよく王様が現れました。



猫「王様!ご主人が服を盗まれてしまいました。このままでは体を冷やして死んでしまいます」


これを聞くと王は一着の立派な着物を三男に与え、馬車に乗せました。ここにはお姫様も乗っております。



この時猫は先回りして、ある根回しをしていました。


猫は大きな草原へ来ており、そこには百人以上が飼い葉の干し草をこしらえていました。


猫「おい、人民!この草原は誰のじゃ?」

民「魔法大王のもの」

猫「よう聞け。ここに王が来るから、これは誰のだ?と聞いたら、伯爵のだって言えよ。さもないとぶち殺されるぞ」



次は大きな麦畑です。

ここでも先と同じ要領で、伯爵のものだと言わすように命令しました。


そして、次に来た森でも同じようにしました。


猫が変な格好で人間のように歩くのを見て、みんな怖がっていました。



最後に行き着いたのは、魔法使いの御殿です。


魔法使い「なんだ、何か用か?」

猫「あなたはどんなものにでも化けれるんですよね?わたくしも犬や狐くらいなら化けられますが、象などはとても難しいと思います。あなた様にそれができますでしょうか?是非拝見したいのですが」

魔法使い「朝飯前よ」


見る間に魔法使いは象に化けました。


猫「ではライオンにも?」

魔法使い「もちろん」


すぐにライオンに化けました。



猫はおそれおののいたフリをしながら、

「おぉ……、これは素晴らしいですな。それでは逆にネズミのような小さなものに化けることはできますでしょうか?さすがにこれは無理かと思いますが……」


魔「何を言っておる!」


魔法使いはすぐにネズミに化けました。

それを待っていたかのように猫は飛びかかり、ネズミをパクリと食べてしまいました。


これで邪魔者はいなくなりました。




さて、王様御一行が三男(←伯爵だと思われてる)を乗せて、例の草原へ来ました。



王「この干し草は誰のだい?」

民「伯爵様のもの」

王「ほう、これは大した地所をおもちですな」



次は麦畑です。


王「これ、この麦は誰のものじゃ?」

民「伯爵様のもの」

王「これは見事な畑でございますな」


次は森です。


王「この森は誰のだ?」

民「伯爵様のもの」

王「あなたはさぞかし金持ちなのですな。わしの領地内にこんな立派な森があろうとは」



王たちの一行は、魔法使いの御殿に来ました。

すると猫がさっと馬車の前に飛び出てきて、

「こちらはわたくしめの主人の館にございます。王様御一行にお越しいただき、まことにもって光栄至極、終生の喜びにござります」

と言いました。



王様はきらびやかな建物を見てびっくりしました。

建物は王様の御殿よりも大きくて立派でした。

大広間はどこを見ても黄金と宝石で光り輝いていました。


こうしてお姫様は伯爵とご婚礼のお約束ができました。


そのうち王様が亡くなられると、伯爵が王になり、靴を履いた猫は総理大臣になりました。






めでたしめでたし。

「残り物には福がある」の典型的なお話でしたね。

そんな教訓なんかどうでもいいと思うくらい、発想が面白いですね!

色んなお話が世の中にありますけど、やはりこのあたりの有名な話が元になっているのってたくさんありそうですよね^_^



ちなみに長靴をはいた猫は、ペローのが有名ですが、実は15〜16世紀にいたというイタリア🇮🇹の作家ストラパローラの『浮かれ十三夜』に載っているのが一番古いそうです。

その後、バシーレという作家の作品に出て、フランスでペローの手にかかって世界に広がっていったという流れだそうです。

(へー)





いやしかしね、ずっと所有していた父親ですら、その猫の真価を知らなかったのです。

世の中には、どんな幸運が転がり込んでくるかわからんですね。


一番かわいそうな境遇に思えた人が最後に大逆転をするのは、決して童話だけの話ではないと思います。


猫は大事にしましょうね。



いでよ!

棚からぼたもち!!!


大地より湧き出でよ!

現金!!!!!!!!