こんばんは!!!
猫が短い手をちょいちょいやってるあの動き。
なぜあんなに可愛いのでしょうか。
あれ見ると自然とニヤけてしまうのです。
猫可愛いな〜
何やってもいちいち可愛いな〜
でも先に死ぬことはほとんど確定的だから飼う勇気はないな〜
今日はヘルマン・ヘッセの『メルヒェン』という短編集にあった「アウグスツス」です!
本が見つからずうろ覚えなので、間違ってたらごめんなさい🙏
でもとっても素敵なお話なので、ぜひご一読くださいまし!!
夫を亡くしたエリザーベト夫人という女性がいました。
彼女は身籠っています。
ついにこの子供が産まれたという時、彼女は名付け親になってもらえる人を探しておりました。
彼女は近所に住むビンスワンゲルさんというお爺さんにしようとすぐに決めました。
このおじいさんは、エリザーベト夫人のお産の時に産婆さんを呼んでくれたり、気が塞いでいる時は窓を開けて音楽を聴かせてくれたりと、何かと彼女を気にかけてくれている優しい老人でした。
名付け親にもすぐになってくれました。
その時に一つこんなことを言ったのです。
「わたしが音楽を鳴らしている間に、一つだけ願い事を言いなさい。それを叶えてあげるよ」
彼女は半信半疑でしたが、約束の時間になるとお爺さんの家から聞いたことのない音楽が鳴っているのがわかりました。
彼女はなかなか決心がつきませんでしたが、もう音楽が終わってしまうというギリギリのところで、
「この子が誰からも愛されるようにしてください」
と願いを言いました。
その願いが叶ったことは、子供が育っていくにつれすぐにわかりました。
アウグスツスという名の彼は行く先々でみんなの目に留まり、誰からも褒められました。
彼の周りにはいつも人が集まり、彼のやることなすことみんな喜びました。
いたずらをしたってみんな許してしまうのです。
誰もかれもがアウグスツスのことを褒めそやし、母親も息子が大好きでした。
ただただ幸福な毎日が過ぎていきました。
ある時、エリザーベト夫人が花に水をやっている時、アウグスツスに女の子が言い寄っているのを目にします。この頃彼は12歳です。
母はそこでアウグスツスの見たくない部分を見てしまいました。
女の子が彼にキスをねだっていたのですが、彼はなかなか相手にしません。
女の子が指輪を持っているというと、彼はそれをくれるならいいよと言って、彼女の口先に触れるくらいのキスをしました。
彼女はそれで彼が心を向けてくれたと思ったのですが、他に遊び相手がいるから無理だといって、冷たい視線をなげかけたあと、彼は指輪を持って口笛を吹きながらどこかへ行ってしまいました。
女の子は泣いていました。
母は我が子の悪の顔を見てしまい大きなショックを受け、自分のした願いは本当によかったのだろうかと思いだしました。
時が経ち彼を大学で学ばせてやりたいという人がいたので、アウグスツスはその人に従って故郷を離れました。
彼は一度母が危篤になった時帰ってきて、小さな頃のまだ純粋だった顔を久々に表して、母の手を握りながら親が旅立つのを見届けました。
彼はそうしてまた故郷を去りました。
しだいに母やお世話になったビンスワンゲル爺さんのことも忘れました。
やはりいつどんな時であろうと、彼の周りには人がいました。
彼は全て自分の思い通りになっていることをよくわかっていました。
またそれと同時に、自分の心にある大きな空虚にも気づいていました。
この空虚感はどうやっても埋まりませんでした。
彼は数多くの恋も経験しました。
そして、一度、どうしても自分のものにならぬ女性に出会いました。
彼女は確かにアウグスツスを愛していたのですが、自分の夫のことをもっと大事に思っていたのです。
彼のこの叶わぬ恋から、人生に翳りが見え始めます。
彼は人の好意を踏みにじることでしか、自分を満足させることができなくなっていました。
それでもやはりこの絵も言われぬ虚ろな感情は広がるばかりです。
彼はもう行くとこまで行ってしまいました。
自分の人生を自分で断つことをみんなに見せてやるという発想になってしまったのです。
彼は毒を入れた飲み物を用意していざ飲もうとした時、部屋にビンスワンゲル爺さんが入ってきました。
爺さんはいくつかアウグスツスと言葉を交わすと、その毒の入った杯を飲んでしまいました。
アウグスツスはさすがに青ざめてしまいました。
「あなたの飲んだものが何かわかっているのですか!?」
「君がこんな風になってしまったのも、わしがお前のお母さんにあんなことを言ってしまったからなんだ」
そう言いました。
そして、「もう一度願いを叶えてあげるよ。どんなことを願うかい?」
アウグスツスはこれまでのことを振り返り、
「どんな人をも愛せるようにしてください……!」
そう願ったのです。
「それでいいのだよ、それでいいのだよ」
お爺さんはそう言ってどこかへ行ってしまいました。
アウグスツスは一瞬、何年も歳をとったかのような重い疲労に襲われて、そのまま眠ってしまいました。
翌朝になると、彼は様々な怒鳴り声が飛び交っているのを聞いて起きました。
その怒りは全てアウグスツスへ向けられたものでした。
今までアウグスツスが行ってきたツケが全て回ってきたのです。
「俺に借りている金はどこだ!」
「あなたはわたしの秘密をしゃべりちらしてしまったのよ!この憎たらしい怪物め!」
「貴様は僕をどんな人間にしたかわかっているのか、この悪魔め!」
彼はみんなから殴られ続けました。
「あぁ、これが僕の報いだ……」
そう彼は悟りました。
彼は牢獄につながれました。
連れて行かれる間も、彼は罵詈雑言を浴びせられ続けていました。
しかし、その人々の中に、愛すべき光があることを彼は発見しました。
彼は牢獄から出てから、とにかくできる限り人を助けました。
今までアウグスツスのことを好きだったあの人やいつもそばにいたあの人も、誰もアウグスツスだとわからぬほど彼は変わり果てていたため、皆その真横を通り過ぎるのでした。
しかし彼が派手な生活を送っている間に感じていた恐ろしい空虚や孤独は、すっかりなくなっていました。
多くの人を見る中で、この世の中にはたくさんの不幸がありながらも、人々はどんなに満足していられるかに、彼は毎日驚いたものでした。
全ての悩みや苦しみのかたらわに楽しい笑いがあること、全ての困窮とあさましさのかたわらに、知恵や慰めや微笑があることを見て、とても感動的なことだとも思いました。
いつしか冬になり、彼は病に冒されました。
彼はそんな中でも、多くの親しみに気づき、満足し、世の中を愛すべきものだと思いました。
彼はある町に入り、あの名付け親の家の明かりがついていることに気づきました。
彼はそのまま入っていくと、ビンスワンゲル爺さんがおりました。
「おまえさんはあの天使の踊りをもう一度見たいと思わないかい?」
ビンスワンゲル爺さんはそういいます。
「そりゃ見たいですよ」
天使の踊りというのは、小さくてまだ純粋だった頃には見えていた不思議な光景のことです。
彼が大人になっていき、だんだんわがままになっていくとしだいに見えなくなっていたのでした。
「長い旅をしてきたね。おまえさんの目はとても綺麗になった。また優しく穏やかになった。本当によくわたしを訪ねてきてくれたね」
ぼろぼろの着物を着ていたアウグスツスは、古い友のそばでうずくまっていました。
美しい音楽が暗い部屋に優しく響き、天使たちが楽しそうに空中で踊っていました。
ふと彼は母に呼ばれたような気がしました。
彼は眠り込むと、名付け親は彼の両手を組み合わせてやり、静かになった心臓に耳を澄ましました。
そのうち部屋はすっかり夜になってしまいました。
文章が下手くそで申し訳ないのですが、
色々感じていただける話だと思います。
人は与えられてばかりの人生よりも、誰かに与えることを望むものなのかもしれません。
うーん、これはやはりちゃんと本で読んでほしいです。
この記事を読むよりももっともっと暖かい気持ちになりますよ
この作品は、何度も読むことになりそうです。
みなさんはどんな人間になりたいですか?
おやすみなさい。